星の旅人たちと行くサン・ジャックへの道 10日目:ポールとわたし。

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サンティアゴ巡礼

 

5月2日 晴れのち曇り(風強し)

歩行開始3時間は至福。

足のどの部分に疲れが残っているかは日によって違っていて、指先のこともあれば股関節のこともある。今日はかかとにきていた。朝、疲れがすっきりとれている、と感じ、その日歩き終えるまで余力が残っていたのは一回だけ。ワインの泉の日。

ともあれ、不調が残っていようといまいと、歩き始めてしばらくたつと足が歩きの体制に慣れるのか気にならなくなり、それからしばらくは心地よい歩行が続く。おまけに朝のなにものにも変えがたい新鮮な空気。鳥の声。そのうち後ろから日が差してくる。その間が一番、さまざまなことがおりてきやすい。考えているようでいない、瞑想のような状態になっていると感じることもある。まあちょうしこいてその状態にひたっていると道間違えるおばかさんなので、どこかは覚醒させとかないといかんのですが。

至福タイムを過ぎると(または上り坂が続くと)、ポールが、そろそろ僕支えようか、といってくるので、お願いします、となる。そのうち、ポールの支えを持ってしても、休む時間の間隔が短くなってくる。ポールを頼りすぎて体が明らかに前のめりに曲がっていることに気づき、ごめんポール、やっぱがんばって支えなしで歩いてみる、となることもある。その方がまたペースを取り戻せたりもする。支えてくれるものに寄りかかりすぎるのはよくない。身体的にも精神的にも。そうやってやりくりしているうちにようやく遠くにその日の町が見え始める。今のところそんな感じ。

あと、何度か書いているように、歩き始めて5〜10キロ地点にあるカフェが楽しみの1つになっている。町に入り、曲がり角をまがるなどどして、表の椅子とテーブルに人がすわり、その周辺にバックパックがわらわらおかれているの見たときの喜びよ。たいていは1つ目か2つ目の町だけど、あると期待していると肩透かしを食らうこともある。今日も1つ目の町グラニョンをあっさり通り過ぎてしまい、ないんかーい、とがっかりして、町のはずれのベンチにすわっていたら、後から来る人もみな、あれ?カフェは?となっていて、地図をチェックし始め「ええと、次の町までは・・・」「4キロよ」「じゃああと少しがんばるか」「じゃ、またカフェで」といった会話が繰り広げられていた。考えることは同じ。

出発地:サント・ドミンゴ・デ・カルサーダ(7:10出発)
到着地:ベロラード(13:40到着)
歩行距離:22.9km

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの「フランス人の道」780km巡礼日誌。
「星の旅人たちと行くサンジャックへの道」とは、巡礼路を歩くきっかけとなった『星の旅人たち』と『サンジャックへの道』という2つの映画タイトルを合体させた旅タイトル。センスがよろしいとはいえないこの映画タイトル合体旅タイトルはブログ主が得意とするところらしいという噂(前科あり)。時に、星の旅人たち=ホシノ、サンジャックへの道=サンジャで略すことあり。なお、ロケ地巡りという性質を含む行程である以上、関連場所を通過する際に映画の内容に触れることがあります(ネタバレ宣言参照)。ラストにどんでん返しがあるタイプの映画ではないですが、ネタバレ過敏症の方は注意。