クリシュナ神のおひざもとでハヌマンに眼鏡を没収されました。

※当ページには広告が含まれています※
※当記事には広告が含まれています※
インド旅

 

マトゥラーでは、ヤムナー川沿いや寺院界隈を歩いていると、

 





 

人々がわたしに向かってよくする仕草がありました。

出会い頭に、私の顔を見つめながら自分のこめかみあたりを人差し指でさし、
ちょいちょいと小さく動かすのです。

で何か言う。

あいさつではない。

その仕草は。

指をこめかみあたりでくるくると回すその仕草は。

どうみても。

「おまえ頭おかしいな」。

 

・・・確かにね。

否定はしませんけども。

通りすがりの人に言われる筋合いはなーい!

 

しかし、何度か繰り返されるうち、くるくるしているのではないことに気づきました。

よく見ると、くるくるではなく指で上をはじくような仕草です。

それに必ず目を上方に向ける。

上に気をつけろってこと?

飲み込みの悪い私に、そのうち一人が、まずわたしの眼鏡を指差し、次に近くにいたそれを指差しました。

 

猿。

なるほど。

取られるから気をつけなさい、といっているのです。

わかった気をつけます、ありが・・・

え、なに、しまっとけ?
え、っと、これでオッケー?
ありがとうー!じゃ!

しかし。

タイトルでお気づきかと思いますが、取られました。あっさりと。

何人も注意してくるということは、それだけ取られる人が多いということで、外国人(よそもの挙動)+眼鏡は、猿にとって格好の標的なんでしょう。

それでも言われたあとはすぐにはずし、カバンの中にしまうようにしていたのですけど・・・

 

思えば、2016年夏のこの旅は、眼について考えざるを得ない出来事がよく降ってくる旅ではあったのですよね。

 

私の眼科事情を少し説明しますと、

左右差ありの近眼、長い間ハードコンタクトだったけれどここ数年は外出時はワンデータイプ、仕事では眼鏡を使用すること多し、老眼はまだない、ないったらない、老眼は一生こないの近眼だから、

と言い張っている部族。

昨年前半は、なかなかしっくりくる眼補助ツールが見つからずに、眼科をはしごして検査を受けたり、使い捨てコンタクトを使い比べたり、眼鏡を新たに作るか、ハードに戻すか悩む日々を送っており、最終的に自分にはやっぱり合っているかも、とハードを再購入したのが旅直前でした。

でもですね。いいですか、みなさん。

新しいコンタクトはくれぐれも海外旅行でおろしてはいけません。

ってわたしだけか。

1カ国目でつけはじめたハードレンズは、帰国後わかったのですがカーブが合っておらず、つけるたびにものすごい疲労感と視界の白濁により10分もつけていられず、ハードコンタクト部隊、旅の主戦力から早々に撤退、となりまして。

1ヵ月強の旅行中前半のヨーロッパはハード部隊で戦うつもりでいたために、使い捨てソフト部隊はあまり連れてきておらず、残りの日々は、完全予備のつもりだった眼鏡とワンデーの併用を余儀なくされ。

長々しい説明すみません。

で、マトゥラーでは、眼鏡で過ごしていたというわけだったんですが。

 

 

ブリンダーヴァンから戻ってきたあと、前日ボートから見たプージャをもう一度近くで見たくて、夕方、ヴィシュラムガートに向かいました。

プージャは夜7時から、ということで、インド人観光客とともに暗くなるのを待つことにしました。

階段状になっているガートに川に向かって座り、後ろの人のざわざわを聞くともなく聞きながら、風が気持ちいいなあ、などとくつろいでいると

 

ぼっふっ。

 

いきなり左こめかみあたりを柔らかい鈍器で殴られたような衝撃が襲い、え?え?なに?なに?と手をやった時にはあるべきものはもうそこになく、背後の「あー」という声が耳に入ると同時に見えない視界にぼんやりうつったのは、ガートをすごいいきおいで走り去っていくおさるの背中でした。

 

あーーーーーー。

やっちまったな。

油断してたもんな。

 

あーあ、という気持ちがないわけではなかったのですけど、取り返せるとはこれっぽっちも思わなかったですし、一応立ち上がってはみたものの、すぐにあきらめて座りなおしました。明日からはワンデーのツーデー使いだな、と思いながら。 ←よいこは真似しないように。

 

しかし、あきらめなかった人たちがいました。

多分、当事者の日本人を除くその場にいたインド人すべて。

取られた直後に、後ろから、大丈夫?という感じで背中をつつかれたので、とられちゃいましたねえ、と苦笑いしたあとは、目の前の川に向き直ってぼうっとしていたため、最初は気づかなかったのですが

何やら後ろがずっとざわざわしている、そのうちまた背中をばん!ばん!と叩かれ、指差す方向をみると、建物の2階の欄干にいる猿を長い棒で威嚇している子供と大人が目に入り・・・

捕物帳が展開していました。

申し訳ないやらなにやらで、や、もういいですから、、という気持ちでいっぱいだったのですけど、そうこうするうちに歓声があがりまして、なんと、戻ってきました、眼鏡。

取り戻したってよ!とさらに強く背中をばんばん叩いて後ろのおじちゃんが教えてくれて、眼鏡が戻ってくるのを待っている間のその場の一体感よ(笑。

 

 

が。

 

 

戻ってはきたんですけどね。

 

 


 

うん。

まあ。

でしょうね。

 

記念に取っておくことにします。

 

 

p.s.
でもちょっとじーんとしました。

 


プージャ。みんな気をつかってくれてか前に押し出してくれたので、視界はぼやけながらもしっかり見ることができました。