先日の東北を中心とした地震は、関東の私の住む地域は震源地に比べればごく軽いもので、被災地に住む人々の大変さと比べようもないのだけど、それでも棚に置いていた額が落ちて割れるなどして、体感としてはここ最近ではいつになく大きかった。
で、なんとなくそれがきっかけとなって、数年前に備蓄しておいた食料を取り出してみた。ら、そのうちの『尾西食品アルファ米12種類』の期限が、来年の夏だった。まだあと1年以上あるけれど、せっかくなので1つ食べてみることにした。
防災備蓄という点においては、アリかキリギリスかでいうと、ずっとキリギリス寄りで生きてきた方だと思う。備えのいい友人の話を聞いた時などは、せめて防災リュックくらいは用意しておいた方がいいよなあとぼんやり思ってもすぐ忘れていたし、311を過ぎたあとでさえ特になにもせずに過ごしてきた。のだけど、ある時にわかに私の中のアリが目覚めた。
それが2017年。きっかけは引っ越し。賃貸ではなく分譲を購入(中古)するつもりだったために、物件の条件の絞り込みはいつになく真剣で、書き出した優先事項に、「液状化しそうな場所を避ける」など地震を意識した項目が並んだあたりで、防災熱に火がついた気がする。(※1)
他にも下地があったような気がするのだけどよく覚えていない。とにかく私にしては珍しくいつになく真剣に地震災害のことを考えていた。
それでまずは、食料品を7日分くらい用意しておこう、となった。必要な食料品リストを作った。冒頭で書いたアルファ米のセット。それから五年保存用の2l水x6本。鯖缶、コーン缶、シーチキン缶など開けてすぐ食べられる缶詰軍。あとパンの缶詰なるものを発見してそれも3種。これは二年前に賞味期限を迎えた時に食べた。デニッシュ風味で意外に食べられなくはなかった。それから缶入りクラッカー。甘いものも必要だろうと5年保存可能な羊羹。保存食の代表カロリーメイトは好きだけど意外に賞味期限の短いのではずした(期限前に食べちゃう可能性もあったからなのは内緒)。
加えて、この頃すでにソロキャンプデビューしたい欲求が芽生えていたので(※2)、これを機にテントもそろえておこうと思った。テントはレジャーにも有事にも使えるから、と。
さらに、翌年の2018年には念願のサンティアゴ巡礼をする予定であったので、軽い寝袋を買おうと思っていた。寝袋は、旅でもキャンプでも有事でも使えるから、と。
そんな感じで、あまり大きな声ではいえないけれど、憂いと楽しみの両方合わさった動機で、気づけば仕事の合間にアマゾンや楽天で、食料品や防災用品を日々検索し比較検討してはぽちっていた。あるいはアマゾンや楽天を検索する合間に仕事をしていたかもしれない。
何しろかなり真剣にアリ化していたので、自分の分だけでは飽き足らず、実家にもテントと人数分の寝袋を送り付けた(迷惑)。食料も送るいきおいだったけど、まああの人たちは絶対食べないだろうな、とそれは思いとどまった。テントと寝袋については、ほっとくとなんでもすぐに捨ててしまう母に、荷物になるだろうけど絶対に必要なものだからしまっておいてね、としっかり釘を刺した。実家に帰ってキャンプがしたくなった時のために、という下心もあったことは正直に書いておく。
それにしても、書きながらあらためて思ったけど、2017年は、物件探しから購入、引っ越しまでをこなすわ、引っ越し直後に運転練習とリモートワーク実験と称して実家に1ヵ月も帰省するわ、帰省から新居に戻って即DIY付けの日々を送るわ、防災備蓄兼キャンプ兼旅グッズを買い散らかすは、何を生き急いでいるのというくらい(勝手に)忙しい年であった。そういえば、新居で書斎他を作りたかったためにDIY用にのこぎりやら木材やらも買っていたんだった。ネットで買い物しすぎの年でもあった。
で。肝心の『尾西のドライカレー』実食だけれど。お湯さえあれば、いや最悪水でも食べられる。袋をあけるとちゃんと簡易スプーンもついていて、いたれりつくせり。今回はお湯で作ったけれど、しっかりした味で全然普通においしかった。これを有事に食べられたら十分満足できるだろうなという味。今度キャンプに持っていこうかしら。
ちなみに、実際にソロキャンプデビューしたのはその翌年2018年の晩秋。サンティアゴ巡礼から帰ってきたあとだった。
ちなみのちなみにアリ化した時期は実はもう一回あって、それは去年。コロナ禍が始まった時。備蓄か買い占めかでSNSでは議論になっていたけれど、念のため断っておくと、スーパーでものがなくなった時期にはスーパーには一度も行っていない。ここで出会った人との会話もあってめずらしく確信のようなものがあり、買い出しに行かなくて済むように、発表直前に1ヵ月こもれるだけのものを買っておき、自粛がとけたあと、しばらくコロナ禍は続くだろうからと、少しずつ買い足した感じだ。
このつぶやきには初自粛時からと書いているけど、そういうわけで、2017年から始まっていたんですね。食料に関しては、2017年はあくまで防災用長期保存品が多かったけれど。
そんな感じで、今では、二度のアリ化に加え、キャンプ用にその後買いそろえたものもあるし、旅道具はバックパックを含め防災時に役立つものも多いし、気づけば、いつ災害になっても困らない程度には、そこそこ防災備蓄が整った家になっていた。
ただ、今後の計画を考えると、いつ可能になるかはわからないものの、計画を実行にうつせるときにうつせるよう、そろそろ身を軽くしたい方向に傾いている。どの程度ストックしておくか、今後調整しながら減らしていこうと思っている。
とほ
※1
でも、液状化しそうな場所は避けるとかいいながら、川の近くの物件を見つけた時に、川が好きなものだから「ラッキー」と決める条件になったりしたのだから、我ながらいい加減です。
※2
そういえば、ソロキャンプのもともとのきっかけはなんだったんだっけ。覚えてないことに気づいた。なんだったっけ・・・ひろしでもアニメでもないんだよなあ。ただこの時すでにソロキャンプブームは始まっていたし、今は放置しちゃってるインスタグラムもキャンプの人ばかりフォローしていたので、少しずつ少しずつかな。イギリスで初めてキャンプした時はひとりじゃなかったんだけど、その時に味を占めたのも大きいと思う。