星の旅人たちと行くサン・ジャックへの道 19日目:カミーノに故障はつきもの。

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サンティアゴ巡礼

5月11日 快晴のち若干の曇り

足に故障を持つ人が続出している。

というより見えているか表に見えていないかだけで、まったく問題なしに毎日健やかに歩いている人なんていないんじゃないか、というくらい。平気そうに見えた人も朝湿布をはっていたりするし、今やアルベルゲの階段のぎこちない上り下りは見慣れた風景。

いつ見ても楽しそうに誰かとしゃべりしながら早足で歩いていたアイルランドのジェニファーローレンスに声も雰囲気もそっくりなダブリンの女の子は、アルベルゲで洗濯機をシェアした数時間後、足の痛みに耐えられず泣いていた。いつもあっというまに追い越していっていたのに、というと、多分それが問題、と言った。
ドイツ人のクリステンは最初二人できていたけれど、友達は2日前に帰国した。わたしが最初に会った日に松葉杖をついていて、病院で4日休めば再開できる、と言われたけれど、思ったより深刻だったよう。同じ日に包帯を巻いていたもう1人のドイツ人女性は、やはり2日休んだあと少しずつ進んでいいと言われ、その後何日かは顔を見ていたけれど、休む時間を長く取るためレオンに電車で向かったと聞いた。疲労骨折。

運動に慣れていない自分が今までなんとか歩けているのは幸運なことなのかもしれない。わたしの場合も自己主張激しい左薬指の血豆とタコのダブルパンチが目下の悩みのたねで、この圧痛さえなければどんなにかもっと景色を楽しめるのにと思うけれど、考えまいとすると逆に左薬指に意識がいってしまい、道中一番対話しているのはこの指となんではなかろうか、とあほなことを考えたりするけれど、下り坂が少ない平地の今はまだ随分まし。

だし、考えないですむ方法は実は意外と簡単だったりする。それは、他に対話相手がいること。他に話す人がいると、いつのまにか指の存在感が薄れ、付随する痛みも遠ざかっている。

昨日アルベルゲであったカミーノ四回目というポーランド人に、サンティアゴに着いたら、絆創膏だらけの足の裏がプリントされた”No pain, no glory”なるTシャツが売られていると聞いた。辿り着けた暁にはゲットしたい、かも?

ここ数日は、日本人4人で付かず離れず歩いている。アルベルゲも同じ。おかげでメセタの長い台地をさほど退屈せずに歩けている。そして痛みアウェイの点でも本当に助かっている。

それにしてもやっぱり、母国語の頭の疲れなさっていい。外国語での交流もわりと楽しんでいる方だとは思うけど、だからこそよけいにこういう長い道のりを連れ立って歩く時の母国語の楽さを実感するのかもしれない。最後まで一緒はないにしても、少なくとも明日レオンまでなこの状況を楽しみたい。

出発地:ベルシアノス・デル・レアル・カミーノ(6:40出発)
到着地:マンシージャ・デ・ラス・ムラス(14:00到着)
歩行距離:26.8km

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの「フランス人の道」780km巡礼日誌。
「星の旅人たちと行くサンジャックへの道」とは、巡礼路を歩くきっかけとなった『星の旅人たち』と『サンジャックへの道』という2つの映画タイトルを合体させた旅タイトル。センスがよろしいとはいえないこの映画タイトル合体旅タイトルはブログ主が得意とするところらしいという噂(前科あり)。時に、星の旅人たち=ホシノ、サンジャックへの道=サンジャで略すことあり。なお、ロケ地巡りという性質を含む行程である以上、関連場所を通過する際に映画の内容に触れることがあります(ネタバレ宣言参照)。ラストにどんでん返しがあるタイプの映画ではないですが、ネタバレ過敏症の方は注意。