ゴアでロケ地巡りをしていたらいつのまにか映画監督の家にいた話。

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ロケ地-インド

 

インド映画『ファニーを探して(Finding Fanny)』のロケ地を探す旅 in ゴア、続きです。

 

 

シーン1:サビオ、父親のカラフルな遺影に文句いう。

場所:スリーキングス教会(Three Kings Chapel)near Verna(Causalim)

Visited a film location of "Finding Fannyin Goa.
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アルジュンカプールファンとしては、抗議するも相手にしてもらえないサビオかわいい、のシーン。

 

シーン2:サビオ、アンジーから結婚の報告を受ける。

場所:スリーキングス教会 near Verna(Causalim)

Visited a film location of "Finding Fannyin Goa.
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アルジュンカプールファンとしては、落ち込む七三分けサビオかわいい、のシーン。

 

シーン3:さあファニー探しにでかけましょう。

場所:スリーキングス教会 near Verna(Causalim)

Visited a film location of "Finding Fannyin Goa.

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アルジュンカプールファンとしては(しつこい)、運転手呼ばわりされてキレるサビオかわいい、のシーン。

とまあ、私の中ではサビオ受難の地として記憶に残っているこの場所。この教会、ラストシーンでも使われていますし、実は映画の中でなにげに一番登場しています。

Visited a film location of "Finding Fannyin Goa.

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ゴアツーリズムとタイアップしただけあって、ゴア中で撮影されたこの映画。すべて網羅するのは無理だったため幾つかの場所に絞ることにしたのですが、そのひとつが前回記事のアンジュナビーチ近辺、そしてもうひとつがこのスリーキングス教会でした。

ここを選んだのは、推し俳優が愉快な目にあっているという点で思い入れ高めだったというのもありますが、ピンポイントで教会名がわかっていたというのが大きいです。ほかはわかったとしても村や島など広域な地名だけだったり、遠くて行くの苦労しそうなわりにサビオ度低めだったり。この教会ならなんとか行けなくもなさそうかな、と。

ただビーチエリアや新市街パナジといったゴアの主要観光地からからさらに南下したベルナという町が拠点、それも交通手段はあまりなさそうで、オートがあれば御の字、というのはあらかじめ覚悟してのぞみました。

 

行き方
バスでアンジュナからマプサのバスターミナルへ(20Rs)。
マプサからパナジ行きバスに乗り換え(20Rs)。
正午頃にパナジのバスターミナルに到着。
荷物を預けたあとマルガオ行きバスに乗り換え(25Rs)。
ベルナという町の小さなバス停で降ろされる。
知らない人のバイクでスリーキングス教会へ。

 

・・・知らない人のバイク?

はい、またも現地の人に甘えてしまいました。汗。

 

以下詳細。長いのでお暇な方だけどうぞ。

まずバスでアンジュナビーチからパナジまでは、直通バスもあるらしかったのだけど私が出発する時間帯はなかったようだったため、マプサを経由しました。

パナジでは、宿泊せずその日の夜行でハンピに向かう予定だったため、バスターミナル内にあるクロークルームに荷物を預け(40Rs)、ツアリストインフォメーションで、スリーキングス教会まで行く手段はオートリキシャかバイクタクシーくらいであること、そのだいたいの金額、オートはないかもしれないねえということ、などを聞いてから、マルガオ方面のバスに乗りこみ約1時間。

ここがベルナだよ、と途中の停留所でぽいっとおろされました。ええと、さて。目の前には小学校らしきもの、横には小さな商店。オートリキシャどころかバイクタクシーどころか人がいない。実のところ商店の前には何台かバイクが止まっていたのですが、お店自体がバイクの修理場を兼ねているのかただ置かれている感じ。ですがそこくらいしか人いないし、ダメ元で聞いてみました。すると、たずねたその人が、乗せていってあげようか、という。

ただし往路のみ、200ルピーで。

とっさに高!と思い断ってしまったのですが、でもなあ、他に手段がないわけだし、行ってくれる人がみつかるだけでもよしとしようか、悪い人じゃなさそうだし……やっぱり頼もう、と振り返ると、お兄さんはアイスクリームを食べながらすっかりくつろぎ体制。そもそも頼んだとしても、片道のドロップオフだけといってる。ということは、そのあと自力で戻ってこない。

グーグルマップで位置を確認しました。ここから教会まで徒歩1時間の距離か……歩けなくもない……という選択肢が一瞬頭をよぎりましたが、いやいやここは外国、ましてインド、の知らない土地。それはやめておこう。やはりちゃんとしたオートを探そう。多少値がはっても往復でチャーターしよう。だめなら今日は諦めよう。

再び地図を見ると、近くに郵便局を中心に数件建物がある区画があったため行ってみることにしました。角を曲がると、カジュアルながら身なりがきちんとした数人のおじさんが輪になって話しているのが見えました。このへんにバイクタクシーかオートリキシャがないですかと声をかけると、ないねえ、とすげない返事。しかし流れで、どこに行きたいの?という話になり、場所をいうと、その中のひとりが時間あるから自分のバイクで連れていってあげよう、と、いうわけでご好意に甘えることに……ち、ち、ちがうよ!狙ったわけじゃないよ!そんな……本当……0.1ミリくらい。

まあいい。よくないがまあいい。ともかく。

こうして、おじさんのバイクの後ろにのって、スリーキングス教会に向かったのですが。

おじさん呼ばわりしてるけど多分私とどっこいどっこいの年のカミロ(仮名)は行く道すがら、ゴア出身だけど海外が長く今はポルトガルに住んでいること、パスポートもポルトガルのものなのでインド人なのにインド入国するのにビザがいること、今回は家族や友人に会いに帰ってきていて数ヶ月滞在すること、など、自分のことを話してくれました。

一方、私は、話を聞きながらも、目に飛び込んでくる景色に、これは歩くのは無謀だったわ、とあらためて思っていました。ParraやAsagaoにもまして田舎で、道筋はそんなに複雑でないものの、しばらく平坦な田園風景が続いたあとは高台にある教会に向かって途中からはずっと上り坂。

そんなこんなで10数分程度で到着。カミロの話では、スリーキングスチャペルは以前は地元の人々だけが訪れる場所だったけれど、今ではちょっとした穴場観光スポットになりつつあるとのことでした。実際、駐車スペースから教会まであがる階段が整備されているところでしたし、丘の上にはこの教会しかないにもかかわらず、私たちがいる間ずっと、男の子たちのグループやカップルや家族連れが来ては去りしていました。

ただ、見晴らしがよく隠れた人気の場所というのはわかるものの、教会は小さいしはっきりいって辺鄙な場所、よほどの物好きか目的がある人じゃないとわざわざ選んでくる外国人旅行客はいなさそう。

それなのに写真を撮りまくる日本人ひとり。カミロは、自身も眺望を見下ろしたりしながらも、私が写真を撮っている間、見落としている教会の裏側なんかをあっちはみた?と指し示したりはしても、邪魔しないようにか、ずっと距離をおいてくれていたのですが、帰り、バイクに乗る前に、来た理由を聞かれました。

そこでようやく、インド映画が好きでロケ地巡りをしてて、とちょい照れながら告白し、この映画のタイトル名をはじめて出したのですが。映画産業の盛んなインドだから当然なのか、それとも偶然にもなのか、カミロはこの映画を知っていました。ここがそのロケ地であることも。それだけでなく、思いがけない言葉を口にしました。

「映画の中で水色の車出てきただろう?あれ、ぼくの車だったんだよ」。

長い間使わずに実家においてあった車を映画のために譲った、元は違う色で、あの水色は映画用に彼らが塗り直したものだと。

まじですか。

しかも、話はここで終わりませんでした。

さっき来る前に談笑していたひとりが、実はFinding Fannyの映画ロケ地の斡旋をした人だというのです。しかも彼自身も映画監督だという。カミロはその場でその友人の映画監督が撮ったという映画をYoutubeで見せてくれました。名前を失念してしまったのですが、キリスト教の聖人の映画でした。

本来ならそのままバス停に送ってもらうはずだったのですが、一時間後、気づくとその監督のうちに寄り、ジュースとお菓子を呼ばれながら、映画制作やゴアの歴史などを聞いておりました。



映画監督といってもいわゆる華やかな劇場公開用の映画ではなく、ゴアの地元の人々のための主にキリスト教の聖人たちをテーマとする映画のようで、次回作はフランシスコザビエルの映画とのことでした。ザビエルが日本にもゆかりがある人であることは当然知っておられて、なぜか一曲だけ日本語のタイトル曲が入っている聖歌のCDをいただいてしまった。日本語の曲以外はコンカニ語(ゴアの現地語)で歌われたものとのことでした。

ねんのため言うと、布教されるようなことはまったくなく。しかし、話を聞いているうちに、ゴアがキリスト教の土地であることを改めて思い出しました。最後は監督と奥さんとおしゃまでシャイな娘さんの三人に見送くられておいとまし、バイクで再びバス停へ。カミロは私が無事バスに乗り込むまで見届けてくれました。

実のところ、車の話は本当かはよくわからない、それでもその短い数時間のうちに触れた言動から、会った私としては、嘘ではないだろうと思っています。が、そこは読んだ人にゆだねます。

以上、『ファニーを探して』いたら、現地の人にお世話になりまくり、濃い数時間を過ごさせてもらった、というお話でした。