それで。ビーチエリアの方にしました。滞在先。
前回までのあらすじ↓
ビーチエリアと一口に言ってもゴアにはいくつもビーチがあり、その中で選んだのはアンジュナビーチ。撮影地として挙げられている幾つかの地域に近く、巡りやすいだろうというのが第一の動機でした。さて、そこを拠点にしたポコリム村探索の成果はいかに。
シーン:ファニーを探す旅の途中。
場所:Parra, やしの木街道
やしの木街道というのは勝手に名付けました。だってそのまんまなんだもの。特に名称もない、やしの木が両側に立ち並ぶ一本道といってしまえばそれまでなのですが、他にもいくつかのヒンディー映画(※)で登場しており、それなりに有名なスポットになっているようで、Parraという地域の名前だけでわかるかしらという最初の懸念に反して、「ここに行きたいんだけど」と映画のワンシーンを保存していた画像を見せると、少なくともバイクタクシーのお兄ちゃんや宿の人には普通に話が通じました。
私が行った2回とも、バイクや車で来た人がひっきりなしにきては、何組もカップルやグループがさまざまにポージングしながら記念撮影していました。ほかは特に何もないとはいえ、青空と田園を背景にそびえるヤシの木の見ごたえはなかなかのもの。寂れた雰囲気はなく、晴れた日中ということもあってか、むしろ車や人が入らない写真を撮るのが難しいほどでした。さすがに私のように徒歩で来た人はいないようでしたが。そりゃそうだ、こんなところ徒歩で来る人おらんて。
2回と書きましたが、ゴアについた初日にまずバイクタクシーで往復しました。が、ぎりぎりまで値切ったせいか撮影する時間が思うように取れず、感慨深くたたずんでみるなどという自己満タイムも皆無だったため消化不良が残り、後日あらためて行きました。
2回めは自力で。アンジュナビーチのバス停からマプサ行きのバスに乗り、途中のHappy bar and genetal stores という店の前で降車。そこから、初日に行ったあとでGoogleでマークしておいた街道開始地点Communidade de Parra(St.Anne’s Churchの近く)に向かって歩きました。厳密には、歩いていたら乗せていってあげようかと声をかけてきたバイク乗りの人がいて、2人目の人に甘えてのせてってもらいました。
で、降ろしてもらってからは、思う存分写真を撮りまくり。初日思うように撮れなかったといったけれど、撮るものといえば単なる1本道、手を変え品を買えとったところでたかがしれており、だからバイクタクシーのお兄ちゃんも「10分で充分だろ?」ということだったのでしょうが(それでも20分ねばった)、実際後で写真確認しても「同じ写真ばっか…」と自分にツッコミをいれたほどなのですが、こういう時ってなんでしょうね、自己の労力に対する対価を得たいという心理も手伝うのか、多分誰よりも長いこと居座っていたと思います。
で、その結果、反対側の端までむだに歩いてみるなどしたのですが、街道の奥にたどり着いて振り向くと、ちょうど左手に白い教会が小さく見えて映画のシーンと同じ角度を発見。2日目来てよかった。まあでも1日目にきていたおかげで、見つけやすかったというのはある気がします。
撮りまくっているうちになんか変な写真もとれた。
ともかく。
帰りはきっちりバス亭のある大通りまで歩きました。
このあたり一帯の建物や風景は、なんともポコリム村の雰囲気。フォトジェニックなおうちや古びた門構えがいっぱい。
まっすぐ歩けば25分程度のところを写真撮りつつ佇みつつ小一時間かけて大通りに戻り、近くにあったこじゃれたカフェでランチをとったあと、二番めのロケ地へ。
シーン:サビオの生家。
場所:Assagao
ここは行く前はノーヒントだった場所でした。しいていえばサビオの家の門に書かれていたLisboaの文字が手掛かりでしたが、映画の中だけのものである可能性もあるわけで 、実際Googleマップやmaps.meを目を皿のように探しても該当する場所はなく。
そもそも、いくつかのサイトにFFロケ地として記載されていた地名(前記事参照)のうち、Parraのやしの木街道以外は、どの地域でどのシーンが撮られたのか特定できておらず、もしあるとしたら、Parraに近いAssagaoくさいなあ、だったらいいなあ、徒歩で勝負できるのそのあたりくらいまでだし、という完全なる勘と自分都合で、クエストを開始しました。
で、結論から言うと、これも途中で道を聞いた商店の人にバイクで連れていってもらいました。超絶感謝。大通りから一本中に入った道でしたし、はっきり言って自力で探し出すのは無理だった。しかも、門は塗装し直されて綺麗になっていて、「ここじゃないかと思うんだよ」とおじさんに指し示されても、しばらくは認識できないほどでした。
おじさんの話では、現在は普通の民家として一般の方が住まれているとのことで、なので写真を載せるか悩んだのですが、とりあえず住所が記載されている門の左側をはずした写真のみを。この自主規制ルール、映画の知名度人気度わざわざくる人なんかあんたくらいや度を考えると気を使いすぎな気もするし、数は関係ない気もするし・・・上記にポコリムらしい家として通りすがりにうつした民家は載せているわけだし、風景としてならありな気もするし、このへんの線引きはまだ揺れているところはあります。
それにしても、Lisboaというのはなんだろう。表札ではないようなのですが。ポルトガル領だった土地ゆえLisboaという名前が記されてもなんとなく納得するところはあるけど、他の家にも、人か地名と思われる固有名詞が門に書かれてあったし、これは何を指すのだろう。出身地?屋号的なもの?そういえばイギリスの住宅地でもみたことがあるのよなあ。
建物の向かいには、ホテル予約サイトでも割とレビュー高めのなかなか居心地よさそうなカフェ兼ホテルがありました。周囲の環境もよさそうで、ビーチから離れた内陸部に滞在するなら、次はこの辺に泊まってみるのもありだなあ、と思いました。
最後に、バイクに乗せていってくれたおじさまですが、何人かに聞いて皆頭をふる中で「知っているよ」と言う人がいただけでもありがたいのに、難しいだろうからと快く連れていってくれたのみならず、終始紳士、帰りは帰りでアンジュナビーチまで送ってくれそうないきおいで、それはさすがに申し訳ないし、バスがあるからとことわり、それでも帰り道バイクの背で、幾ばくかのお礼を渡すべきかしら、それも野暮な気もするなあ、おじさんのお店で何か買うのがいいかしら…などと思考をうろつかせていたら、メイン通りの高校の前に出たところでバイクを停めてわたしをおろし、バス停はそこだからね!と指し示して颯爽と去っていってしまいました。かっこよすぎる。本当にありがとうございました。
というわけで行けたのは2箇所。ですが2箇所とも見つけてその地に立った時特有の高揚が得られましたし、何より散策の過程で随所にポコリムを感じられて楽しいロケ地巡りでした。ポコリムを感じるって何。
ヤシの木街道補足
私はFFのロケ地として行ったけれど、前回の記事でも書いたように日本でもネットフリックスで観られるアーリアー・バット主演&シャールク・カーン助演の『Dear Zindagi(ディアライフ)』でも主人公の心象の変化とも連動する印象的な場面として何度も登場します。ロケ地として知られているのは多分そっちのほう。
同じくネットフリックスで観られる超絶おすすめの家族サスペンス『Drisham(ビジョン)』でもこの場所が出てきたように思っていたのだけど、あとで確認したらよく似た違う場所でした汗。でもこの映画も都市部も田園部もまんべんなくゴアがロケ地になっていて、撮影地は別にしても、今回内陸側を散策している時に感じた田園地帯ののどかな空気がうつりこんでいる気がします。いやあ、Drishamおもしろいですよ、おすすめ(二度目)。
あとは、バンサーリー監督リティクローシャン主演の『Guzaarish』でもこの場所が使われています。
ここからは旅インフォ。
アンジュナビーチまでの行き方
長距離バスの到着するバスターミナルはパナジとマプサがあるのですが、プネから来た私のバスはマプサが終着だったため、そこからアンジュナビーチまでローカルバスに乗り換えて行きました(20ルピー)。
アンジュナで泊まった宿
Arjun Villa Guest House。400ルピー。ブッキングドットコムにも載っている宿ですが、直接行って交渉したところ、シーズンオフもあって当時掲載されていた価格より安い金額で借りることができました。部屋清潔、トイレシャワー室きれい、ホットシャワーあつあつ、ワイファイあり、テレビあり、大型冷蔵庫あり、湯沸かしあり、カップやコップやカトラリーそろってて、ネスカフェ飲み放題で、バルコニーついて、おりこう黒ラブラドールいて、スタッフ親切で400ルピー。コスパ最高。
砂浜には少し離れた位置にあるため、ビーチでチルアウトという点では向いてないかもしれないけれど、静かだし、スーパーすぐそこにあるから食料もビールもすぐ買えるし、テラス居心地よすぎだし、ゆっくり書物や読書をするのにこんな最適な場所はあるであろうかいやない。あえてシーズンオフの安い時期にまた行って長居したいくらい。
ゴアでの滞在先をビーチの中でもアンジュナビーチにした第一の動機はロケ地巡りがしやすそうというものでしたが、あとは、インド旅を初めて2週間、ゴアまで急ぎ足でやってきていたため、このへんで少しのんびりしたいというのという旅動機もあり、そんなのんびりをかなえてくれる宿でした。
今回のせていないアンジュナビーチ付近や内陸部の写真は、ロケ地巡り更新がすべて終わったあとにあらためてアップの予定。案の定いろいろずれ込んできていますし、いつの話になるやら。
Oasis。宿から歩いてすぐのところにあるWiFiさくさくカフェ。ここに限らず、欧米系旅人の多い場所は必ずイスラエル料理があるし、パスタ類はもちろん、シズラーやムスリあたりは定番な気がする。辛いものがそこまで得意でなくずっとマサラだと厳しい私には、途中こういう旅行地を挟むと無難な味が食べられてほっとしたりします。写真はただのジンジャー風味のスープですが。胃が疲れていたのでほっとしました。
Ruta’s roadhouse。ヤシの木街道からサビオの家探しの間にランチとして。ローストチキンのパニーニはおいしかったけど、辛くないものをわざわざ選んだつもりがめためたに辛かった。サンドイッチやパニーニも油断すると辛い、それがインド(涙)。この見た目でなんでからいねーん。ただ雰囲気よいし、コーヒーはおいしいし、食べなかったけど陳列棚にあったジャーマン系ケーキもおいしそうでした。
Artjuna Cafe。雑貨なども売られているアート系?カフェ。居心地がよく、ヒンディ語を覚えるなどしていました。カフェフラッペやパンオショコラなどのフランス系デニッシュがなかなかおいしかった。