筆を折った作家のこと。

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物語/本語り

人に生涯の一冊と思わせるほどの作品を世に出す才能を持ちながら筆を折り消息のわからない作家について、今も時々考える。

本といったけど実際には漫画だ。でもその人の作品を思うと作家といいたい気持ちがどこかにある。一度その名を出したことあるから、惑星ソムニウムのどこかには落ちているだろう。

発信しようと思えばだれでもできるこの時代に、どこにも姿がみえないというのは、発信しているけれどわたしが気づかないだけなのか、でもネットの普及したこの時代にやっぱりそれは考えにくい気もする、事情があるにしろないにしろ背景はわからないけれど、やはり発信はしていない、むしろ意図して気配を消している、と考える方が妥当なように思う。

この時代にといったけど、有名無名に関わらず、ネットとの接続がほぼ皆無な生活をしている人は全然普通にいるだろう。とはいえ。

筆を折った理由はわからない。よくあることと言われればそんな気もするし、でもあんなに完成度の高いものをかいてぱたっとというのは、かきたいものを出し切ったということなのか、それとも他に理由があるのか・・・なんて、本を取り出す時にはうっすらとでも考えずにはおれないけど、憶測は憶測だ。遠い一読者の感傷にすぎない。

今どうされているのだろう、まだご存命でお元気でいてほしいとは願うけど、お会いしたい、みたいな気持ちがあるわけではないし、新作を、というには時間がたちすぎた。それに、ある時期手に入れられる残りの本もできる限り手に入れたけど、すべての作品が好きなわけじゃない。好きなのは厳密には2作品。と持っていない1冊の中の小品。

それでも。

漫画自体すっかり読まなくなった。持っていたものもだいたい手放して家にはほとんどない。けれど、少なくともその2作品を手放すことはないだろう。

なんでこの話をしたのかというと、今日も書くことに困っての即興雑談だったりするのだけど、タイトルに即興雑談とはつけないことにします。理由は気分です。

とほ