インド映画におちた時のこと。

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インド映画

 

今日の『マツコの知らない世界』でボリウッド映画が紹介されたそうで、テレビがうちからいなくなって久しく、なくてあたりまえの生活になっているけれど、こういう時はちょっと見てみたかったなあ、なんて思う。

そういえば今年の始めにも、親から「タイガー・シュロフって知ってる?今テレビでやってたんだけど、インドで一番のイケメンって本当?」とLineが来て、そうかテレビで紹介されたのかと知るなどした。

同時に、いやなんでそれ私にwとうけもしたんだけど。そりゃまあ実家に帰省した時には、持ち帰ったインド映画DVDをそっと差し出したりはしているけども(あくまでそっとです、自分の好きなものを人にすすめるのは得意でないから……ほ、ほんとに!)。

だけど、いつのまにか家族にもすっかり「インド映画好きな人」として定着していることもだけど、なにより自分が、こういうふうにテレビで放映されたとかインド映画の日本公開が決まったりするたびに、すっかり内側の人(インド映画好き)の視点で眺めるようになっているの、そしてついにはせっせとインド映画のロケ地を巡るなどしているの、好きになる前のむしろ冷めた感じを覚えているだけに、今でもふと我に返っておかしくなることがある。

10年前の旅で初めてインドの地を踏んで、初めてシャー・ルク・カーンの看板を町のいたるところで見て、鼻の大きなキムタクみたいな人だなあ、こういう人がインドでは人気なのかあと、ファンのみなさまに袋叩きにあいそうな感想を抱いた頃には、まさかインド映画に嵌る未来がまちかまえているとは思ってなかった。

旅がきっかけでインドという国にまず嵌ってはいたけれど、インド映画の扉を開き始めたのは2015年あたりだ。洋画はジャンルを問わず観ていたので『ムトゥ 踊るマハラジャ』ブームもあったのは知っているものの完全スルーだったし、インド映画は正直「ないわ」の時期が長く、踊るのも劇中ソングの女性の歌声も得意ではなかった。それがその時点では「好き」というよりは「気になってしょうがない国」という感じの中、インド文化の一部として映画も重い腰をあげて免疫をつけるかのように一本一本試していった感じだ。

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そのへんの経緯はブログに書いているので割愛するけれど、そんなふうにじわじわと嵌っていったので、運命の一本に出会ってばばーんと華々しく開眼したのではない。『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』、『きっと、うまくいく』、『バーフバリ』など、ムトゥ以後も何度かあった日本のインド映画転換期の波とはちがう、中途半端な時期にぽわんとひとり勝手に開花した感じだ。自分ではインド映画の裏口入学とも呼んでいる。

ただ落ちたあとは結構はげしかった。てこの原理的なやつ。第一印象最悪なあいつに気づいたら、みたいな展開。嫌いから反転した好きって結構激しかったりするじゃないですか。べたやな。それに別に嫌いってほどではなかった。ちょっと受けつけないくらいだった(充分ひどい)。

とにかく。だから、知らないがゆえの「インド映画ってこういうもの」という先入観から苦手意識を持つ人をみても、私はむしろ自分の例があるゆえに、わかるわかるよ、あなたよいポテンシャル持ってますよ、ふふふ、と思ったりもするのだ。

私の場合は、落ちたあとに猛然と宝の山を掘る期がはじまった。映画ユニバースは1つだと思っていたら、やべえ、もうひとつ別の宇宙みつけちった、という感じだった。インド映画の幅広さに驚くばかりだった。「ないわあ」という厚いガラスがばりんばりん砕け散っていった。

そこから5年。なのでインド映画ファンとしてはまだまだひよこ。観ていない映画も山のように残っている。あといつまでたっても北(主にボリウッド)ばかりで南(タミルやテルグ)は手薄なままだし。

インド映画にどうやら本格的におちてしまったようだと自覚した頃、あまりの先達の濃さに、とんでもないジャンルにおちてしまった‥‥‥と思ったとか思わなかったとか、実際濃いのは濃いと思うのだけど(すみません笑)、でも蓋をあけてみれば、それぞれがそれぞれの推しがあり、いろんな立ち位置の人がいた。

そして、上映などの波が来た時に、一緒に乗ろうとしたり波をさらに高く押し上げようとする力は、他のジャンルより強い気がしている。しかもそれをひとりひとりが好きだからやっている感があって、基本私はひとりで楽しんで、SNSなどで時々好きな映画を共有しあうくらいで満足するほうだけど、それでも1つの映画が上映されると決まったとき上映中の界隈の押し上げるにぎわいは、うっかりじーんとくることもある。

たったこの5年でも、日本のインド映画事情はすごく変化した。劇場でこんなに一般公開されたインド映画が観られるようになるとは思わなかった。とくにこの2~3年はバーフバリを筆頭に、バジュランギおじさん、パドマーワト、ガリーボーイ、盲目のメロディ・・・怒涛のインド映画充実期だった。

上映が実現するのは配給会社のおかげももちろん、インド映画好きの母数が増えたのはあると思う。そして、コロナ後の映画業界がどうなるかは未知数だけど増える余地はまだまだあると思う。

そんなインド映画にまつわるよしなしごとを、見ていないテレビ番組の内容を想像しながら思うなどしたのでした。

 とほ

追記:ねんのため、インド映画=ボリウッドではなく、ボリウッドは主にムンバイで製作される映画。ムトゥ踊るマハラジャはタミル映画(コリウッド)、バーフバリはテルグ映画(トリウッド)です。私は北と南とひとくくりで話しちゃったりもしますが、それぞれ特色があり、違いがわかるとそれもまた各沼のきっかけになるかも。