ニューデリー⇒アーグラーワープ事件の真相

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インド旅

前記事からの続きです。

ずいぶん時間があいてしまいましたが・・・

昨年のインド旅で起きたワープ事件とは。

超えられなかったカベとは。

待て次号、と書いておきながら、実は気が重かった今回の更新。

なんであんなひっぱる終わり方しちゃったんだ、、
いっそのことしれっと違う記事書いちゃおうかしらん、、
と水面下でプチ苦悩していたとかいなかったとか、

そこはいいとして、

ひもとくもなにも、真相もなにも、当時の日記でも書いてはいたんですけど、ようは、ニューデリー駅界隈のトラブルとしてよく耳にする旅行会社詐欺にひっかかったわけです。

ただ、旅行会社詐欺に遭ったという事実は書いてはいたんですけど、詳細は書かずにさらっと流していました。というのも、

ただただショックで・・・
インドには本当に悪い人がいるんだって・・・
傷が癒えるまでに時間がかかってしまって・・・

などというものではなく、ひとえに

あんなベタなやつに引っかかってもうてはずかちーーーーーー!!

という羞恥心のせいで。

だってね、もうね、本当にね、
このさいはっきり書きますけど

なめてました。
インド2回目ということでなめてたんです。

2回目でなめるなんざ100年早いという話なんですけど、というか本人はなめてるつもりは全然なかったんですけど、行動を振り返ってみると、なめてる以外の何者でもありませんでした。

ニューデリー駅で声をかけてくるインド人には耳を傾けちゃいかん!

そのことはよくよく心得ていたつもりだったのに。

インドを旅したことがある方なら、あるいは地球の歩き方インド版愛読者の方なら、ニューデリー駅というキーワードを聞いただけでピンと来る方も多いのではと思いますが、かんたんに説明しますと、

ニューデリー駅の近くにはメインバザール(パハールガンジ)という安宿街があり、デリーから入国したバックパッカーやバジェット旅行者の多くが、そこに泊まることを選択します。

が、ニューデリー駅正面からパハールガンジに向かうには大きな駅構内を横切らなければならず、渡り方がわからずにバックパックを背負って駅周辺をうろうろするという初心者まるだし行動をしている間に、声をかけてきたインド人に捕獲され、気づいたら旅行会社にいて高いツアーを組まされる、というようなことが多発しているのです。

というか、それがまさにわたしに起こったことだったんですけど。

でもまさかわたしがひっかかるとは・・・。

はい、これを「まさかわたしがトラップ」といいます。

その話よく知ってるし。
わかってる気をつけるし。
パハールガンジ、前に泊まったし。
ニューデリー駅周辺、覚えてるし。

と思いこんで、地球の歩き方の地図を確認した程度でなんとかなると踏んで、ニューデリー駅に降り立ったことがすべての敗因でした。

それがわかっているために、あとから反芻すればするほど、やってもうた感が非常に強く、結果、ここは流しておこうと(汗。

ちなみに、空港⇔ニューデリー間のメトロが開通する前は空港からタクシーで悪徳旅行会社につれていかれるケースが多かったようですが、2011年の開通後は、少なくともニューデリー駅までは快適に移動できるようになっています。

で、わたしなんですが、覚えてるつもりでいたけれど、メトロ駅の外に出た瞬間、あれ、あちし・・・覚えてない・・・となりまして。

メトロ駅から鉄道駅までは距離があるのですが、静かなメトロ駅構内から出たとたん突如目の前に展開した、うってかわって騒音の激しい、人々やオートリキシャーのあふれる道路のはるか向こうに鉄道駅が見え、あれ、こんな遠かったっけ・・・と。

実は、よくよく考えると、初めてのインド旅行時(2010年末~2011年2月)メトロ自体は存在していて利用していたものの、考えたら旅慣れた人の後ろからほいほいついて行っただけであり、そもそも空港⇔ニューデリー間のメトロは当時開通前だったのでメトロ駅から鉄道駅までは移動したことがなかったのです。なので、知っていると思っていたのは完全な勘違い。

やばい。

それでも、人並みと騒音をかきわけニューデリー駅前に到達し、陸橋を超えていくことだけはなんとか覚えていたので、陸橋の入り口に向かいました。

するとそこには『No entry』の看板。

どうしよう。

あせりを押し隠しつつ、ここはなめられてはいけないと、本人は旅慣れた感をせいいっぱい出しているつもりでしたがきっと外からはカモぶりがばればれだったんでしょうね、

網もったインド人が四方八方から向かってきまして(妄想)、最初はそれでも猫のようにシャー!シャー!と威嚇しては退けていたんですけど、人というのは不思議ですね、そのうち、このうちのひとりくらいは親切なのでは、とうっかり思ってしまう魔の瞬間が訪れてしまうわけです。

で、警戒心は全開のままともかくもひとりの中華系インド人と口をきいてみますと、まかせとけとばかりに私を再び陸橋の前まで案内してくれ、「ほらここを通って行くんだよ」と上を指そうとして『No entry』が目に入ったようで「ああ~」と残念そうな声をあげ、こちらに向きなおり「今日からラマダンなんだ。知ってた?」と。「ラマダン中はパハールガンジに入るのに許可書がいるんだ」。

さあ、そこからは、”すぐそこの『政府認定』の旅行会社”までまず許可書を取りに行きそのあとでパハールガンジまで送り届けてくれるよう、オートリキシャを止めてたった30ルピーで交渉してくれただけでなく、「許可証自体は無料だからね、お金を払う必要はないからね」と念を押してくれ、さらには動き出したリキシャに手をかけて「パハールガンジに戻ったあとも気をつけて、昨日、気がたってるムスリムにアメリカ人二人が襲われてけがを負ったから」と念を押し送り出してくれる彼に私は「わかった!ありがとねええ!!」と

嗚呼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

(ダメージから立ち直るまで少々お待ちください)

 

 

 

ええと。

とにかく。

そういうわけで気付いたら旅行会社におりまして、本当だったらパハールガンジに予約していたホテルにその日泊る予定が、ラマダンのせいで宿は強制キャンセル、ほかのニューデリーの宿泊施設もすべてフルという話をたくみな誘導で信じるにいたり、ツアーでこそなかったものの、アーグラー行きの片道3万円強のタクシー代を支払うにいたり、その数時間後、気付いたらタージマハルで有名な街にぽつねん佇んでいた、というのが、ニューデリー→アーグラー間ワープ事件の真相でした。

おわかりかと思いますが、ラマダンでパハールガンジに入れないというのはまっかなうそ。お祭りやらなんかのイベントは彼らの常套句、安宿街に入るのに許可証がいるということは100%ないのです。ニューデリー中のホテルがフルなんてことも絶対ない。

今でこそありえないとわかりますが、その時は、今日の安全な宿泊先を確保しなきゃという心理が、そしてこれも認めたくないですが、騙されているのではないと思いたい気持ちがどこかにあり、誤作動を起こさせてしまったように思います。

ええやつやん~とその時の私に思わせた(思ったんかい)「アメリカ人が襲われたから気をつけて」という言葉も、今思えば、恐怖心を植え付けるには十分なひとことでした。

この人あほや・・・と思いながら読んだ方が大半かと思いますが
(いいんです、いいんですよ、笑ってやってください・・)

地球の歩き方でも、版を重ねるたびに、「もー、あちしがこんなに口すっぱくしていってるのに、それでもひっかかるのね、あなたたち!」とばかりに体験談の数が増えているように思われるのですが、それでもだまされる人はあとをたたないようですし、

旅のトラブルって、初めて行った時にも遭いやすいけれど、知ってると思いこんでる時や油断してる時にも遭いやすい、私の場合その合わせ技だったと思いますし、

もし今後インドに行かれる方、いらっしゃいましたら初めての方はもちろん、再来の方も、ニューデリー駅近辺が初日の宿泊先の場合は、今はちょちょいとネットを調べるだけでも、トラブル回避の方法を詳しく紹介したブログや動画がすぐに見つかりますのでので、どうかぜひぜひ、しっかり復習してから挑んでくださいませ。

しかし、旅行会社に入ってからタクシー代を払うまでの展開はある意味敵ながら見事な巧みさで、経験した身としてはなかなかに興味深く、

旅行会社に着くまでのオートの中での、やはりだまされているのでは、ここで飛び降りるべきなのではという葛藤、

旅行会社について扉をあけるまでの、引き返すならここが最後、というかすかな警鐘など、

自分がだまされていく過程の心境の移り変わりも含め、反面教師としてこの際すべて晒したい気もしているのですが、長くなりすぎですし割愛。

命にかかわるトラブルではなかったのでこういうトーンで話せたのでしょうが、

とはいえ、

ニューデリー駅トラウマというカベはしっかり出来上がってしまっていたため、今年(2016年)、三度目の渡印にあたり、このカベを乗り越えることがひとつのイベントとなっていたのです。

続く。

はずかちーー!!とかいいながら、実際の友人には
ネタゲットとばかりに自発的に言いふらしていたのですけどね。