『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』のロケ地 in タンジェ

ロケ地-他の地

前回からインド映画つながりでいくか、場所つながりでいくかで悩みましたが、場所つながりにします。

というわけで今回もモロッコの港町タンジェ。

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
原題:Only Lovers Left Alive
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:トム・ヒドルストン、ティルダ・スウィントン他
日本公開:2013年12月

あらすじ
自分、デトロイトで音楽やってる者なんですけど、だてに何年もやってないしアングラ系でそこそこ名も売れてるんで、金には困ってません。ただ最近の人たちって皆ゾンビみたいだし世の中も腐ってるしで、生きる意欲がわかなくて困っています。でもそれ、食事制限しているせいもあるのかもな。だってゾンビの血とか吸いたくないじゃないですか。あ、言い忘れていたけど自分、吸血鬼でもあります。僕に覇気がないのを心配して、モロッコのタンジェに住む恋人イブが会いに来てくれることになりました。自分だって食事制限して体きついのに。やさしいイブ。それでちょっと幸せな気持ちになりかけたんですけど、いつも面倒起こすイブの妹エヴァも押しかけてきちゃって、いやな予感しかしません。

 

 

この映画の主な舞台は、アメリカのデトロイトとモロッコのタンジェ。

起承転結のうち転まではデトロイトが舞台なんですが、今回行っていませんので、まあ今回だけでなく今後も行ける気は、少なくとロケ地巡りという名目では行ける気はしませんが、ですので、そちらは映画の中だけに留めおくとして、後半の舞台タンジェを巡って参りました。

 

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"

後半からラストにかけてのシーンなので、この先、説明などがネタバレめいています。注意。

シーン1:アダムとイブ、モロッコへ。

場所:空港→新市街→旧市街 in タンジェ

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"

エヴァが起こした事件をきっかけに、デトロイトから逃げるようにタンジェに飛んだアダムとイブ。

イブン・バトゥータ国際空港から新市街へ、新市街を抜け、CINE ALKAZARの前を通ってイブの家のある旧市街(メディナ)へ。

写真は明るく健康的な昼間ですが、吸血鬼活動時間帯に置き換えプリーズ。

シーン2:血をわけてもらいに、旧友のいるカフェへ。

場所:Cafe BABA、メディナ in タンジェ


Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
ふらふらになりながらメディナの細い路地を通り抜け、古くからの友人であるマーロウをたずねるイブとアダム。しかし‥‥‥。マーロウのいたカフェ”千夜一夜”。と思しき場所を、私も路地をいくつも通り抜けながらぶらぶら散策している時にみつけました。

モロッコのメディナといえば迷子になるための場所(違。
幸いタンジェのメディナはそんなに大きくないですので、メディナ上方のカスバに向かって
適当にさまよっていればみつかる、はず。

シーン3:お腹すいた・・・もうこのまま逝っちゃう?

場所:カスバ門(Bab Kasbah) 、メディナ

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"

アダムが弦をつまびきながら、ふたりとつとつと会話するシーン。

生命の灯火が・・・って時なのに、量子力学(だっけか)の話なんかしている場合じゃないんだけど、不思議にユーモラス。

 

まあそこがジム・ジャームッシュというか好きな人と嫌いな人がわかれそうではある笑。

わたし?

わたしはロケ地巡りしているくらいですから。
特にここが一番来たかったよね。
場所は宿の人に聞きました。

スマホに保存しておいた場面の写真を見せながら。

モザイク模様のベンチが特徴的ですしね。

地元の人ならわかりそうだなと。

ビンゴでした。

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"

 

あまりにも昼間すぎるので、ちょっと色落としてみた。
シーン4:あら、おいしそうな恋人たちが。
場所:カスバ門を出たところ、メディナ

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"

 

以上です。

ちなみにカスバ門の向こうには駐車場、その先の城壁の外に出ると、海やタンジェ旧港が見晴らせます。

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"

 

映画と関係ないけど、ここの駐車場に入り口がある雰囲気も見晴らしもいいレストラン「ル・サロン・ブルー」で食べたクスクスタジン、おいしかった。

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"

 

この時はまだ私も、ラマダンによる空腹には見舞われていなかったのよね。

リアルタイムひもじ日記:
カミーノ後旅日記:モロッコ編後編

Tangier in Morocco visited as a film location of "Only Lovers Left Alive"
ジム・ジャームッシュが好きというのはなにかこう、口にするのに3ミリくらい勇気がいる監督さんだけど、でも3ミリの壁を乗り越えて言う、好きです。ほぼコンプリしている程度には好きです。

スタイリッシュだとかおしゃれだとか言われてる? けどわたしは、あまりそういうの感じたことなくて、むしろ延々と淡々と続く絶妙に力の抜けた会話、けして日常とかけ離れていない、まあ哲学的だったりするし実際まぜこんでもいるけれど、どこかに転がっていそうな会話(とマ)がなけなしの創造力(想像力の方でなく)をつくつくとほどよく刺激してくれるというか、そのほんの少しのつくつくが、何か生み出すため動き出すための軽やかさをくれるのであるよ、実際に生み出すかは別にして。

大きなカタルシスはないけれど、それがいい、こういう映画もまた必要。わたしには。パターソンなんてその真骨頂だったと思うんだけど、この映画も、いつものごとく、セリフをもぐもぐと味わいながら、楽しませてもらいました。出ている俳優さんも軒並み好きだったな。

生き疲れた吸血鬼の恋人たち、という設定にぴったりの主役ふたり。ティルダ姐さんの芸達者は、言う必要ないくらいの安定感だし、線の弱い子的な覇気のない長髪のトムヒ、とてもいい。妙にはまっててうけました。

というわけで、好きな映画、好きな監督、好きな俳優、ということで、テンションも高めだったロケ地巡りでした。

 

出演者のうちふたりが亡くなっているのはとても残念。アントン・イェルチン君は、主役もはれるし、脇役としてよいポジションにつきつつあるこれからの俳優さんだったのに。マーロウ役のジョン・ハートさんももっともっと出演作みたかった。どちらも、うちのCB(?)が過去にお世話になりました。