インド/パキスタン/インドネシア旅2019、ロケ地巡り更新。(旅程はこちら)
場所は今回もパキスタンとの国境に近いパンジャーブ州アムリトサル。そして今回も好きな女優さんアヌシュカ・シャルマの映画です。キングオブボリウッド、シャー・ルク・カーン共演作。というか、どちらかといえばこちらが主役か。
『神が結び合わせた2人』
原題:Rab Ne Bana Di Jodi
監督:アディティヤ・チョープラー
出演:シャー・ルク・カーン、アヌシュカ・シャルマ他
制作国:インド
公開:2008年12月 (インド)、2018年9月(日本、ICW←日本ではもっと前に上映されているのかな?ひとまず暫定で)
アムリトサルの電力会社に勤める実直が取り柄の冴えない男スーリは、恩師に会いに行った先で娘ターニーに一目惚れする。恩師の急逝により身寄りをなくしたターニーと成り行き上結婚することに。ターニーの心が自分にないと知りつつ結婚生活を続けていたが、一念発起して親友の協力のもとに外見を変え、お調子者の別人ラージとなって、妻が通うダンス教室に通い始める。ターニーはラージがスーリと気づかないままダンスパートナーとして組むうち、少しずつラージに心を開き始め・・・。
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Rab Ne Bana Di Jodi、略してRNBDJ、日本のファンの皆様の間ではラブネと略されることも多いようです。
この映画、購入したDVDで英語字幕にて初観賞、その後、2年前のインディアン・シネマ・ウィーク(ICW)で日本語字幕付きで観ました。いつもですが日本語字幕で観られる機会があるのは本当にありがたい。
一度目も胸揺さぶられたのですけど、字幕に助けられたのもあって二度目の観賞では驚くほどするする入ってきて、セリフの端々まで行き届いたとても丁寧に誠実に作られた映画だったのだなとあらためて感じました。二度目の方が確実に泣いたね。会場出た後目がしぱしぱするほどにね(照れ。
シャー・ルク・カーンの人物設定がかなりトリッキーで、ちょっと現実ばなれはしているのだけど、それによって笑いもしっかりとりつつ、やがて愛情の方向性についてはっとさせられるという。いや、うまいよなあ…。
というわけで。アムリトサルといえばこの映画なわけで。行ってまいりました、一番かなめのあの場所に。
一番かなめの場所というと・・・?
はい、というわけで、この先ネタバレ注意です。
まあ前回同様、記事を読んでくださってる方の多くは観賞済みの方かと思いますし、うんうん、わかってるあの場所ね、とうなづかれている方が大半かと思いますがしかし、うっかり迷い込んでこられた映画好きのあなた、好奇心の強いあなた、インド映画開拓したいけどこの映画まだ観てないというあなた、シーンの説明がネタバレゾーンですので、ここで回れ右が賢明です。そうして映画をみたあとでぜひまた戻ってきてね♡
この先すぐです。
いいですね。言いましたよ。いいですね。
ネタバレ宣言しているのに毎度やさしいなあ私(自画自讃。
シーン:「あなたの中に神を見た」。
場所:黄金寺院(Harmandir Sahib) in アムリトサル
ターニーが、スーリへの愛情が自分の中にあることをようやくみつける場所。
アムリトサルといえば黄金寺院(ハリマンディル・サーヒブ)というくらい、有名なスィク教の総本山。
白亜の宮殿と回廊、中央に配された人工池、水面にゆらめく姿を映す黄金色の本殿。来たのは今回が初めてだったのですが、生演奏の聖歌が流れる場の雰囲気はものすごく独特で、寺院や教会やモスクといった宗教施設は聖なる場所と心得ていても、旅していると正直飽きてくるスポットの一つではあるのだけど、ここは久しぶりに理屈抜きで身震いきました。特に橋を渡って本殿内に入り、人々に沿って移動し、生演奏を直に見下ろし、そこここに座り祈りを捧る人、場を味わうかのようにただ佇む人を眺めている間、泣けてどうしようもなかった。エモくてすみません。
映画の中でも寺院内で二人が祈るシーンがありますが、撮影禁止だったため写真はなし。
実をいうと、黄金寺院には複数回行き、本殿に入ったのは初日の夜。冒頭の写真はアムリトサル滞在最後の日の夜明けに撮りました。
映画の話に戻りますが、つくづく、あの地点からのスーリの逆転勝利ってほとんど奇跡のようなものだと思うのですよね。
いい人なのはわかるけど、誠実で、生活も丁寧で、結婚するならこの人にしておけば間違いない安定した人物だけど、ターニーが求めているのはそこじゃなく、何よりぶっちゃけ見た目無理、無理ったら無理、わかって~、というターニーの心の声がきこえてきそうでつら・・・と、それくらいの絶対零度から愛情を灯すにいたるには、相手の中についには神を見るほどの少しのチートが入る隙もない絶対的ピュアな何か、基礎人間力のようなものが必要だったのだなあ。
しかしスーリ、いうてSRKだもん、と、彼がキングオブボリウッドであることを知っている画面のこちらでは思うわけですけど、あそこまでいさぎよくダサダサなの見事だったな。イケてる版ぴちTラージはラージでしっかり見せ場あるし、両役ともコメディアンぶりとじーんとさせるぶり(語彙)のバランスが絶妙でした。
とかいいながら、私自身はSRKに対しては目にハートを宿したことはないのですが。ですがインド映画道を進む上では避けて通れない俳優さんですし、過去作品押さえねば!と定期的になぞの義務感にかられて順々に手を出しています。とはいえ、まだまだみてないの残ってる。
アヌシュカ・シャルマについては、好き好きと前記事で告白したばかりですが、この作品がデビュー作なのですね。デビュー作にして充分魅力的な役だけど、前回記事のフィッローリに比べると本当にあどけなくて、まだ全然垢抜けてない。スターになるってすごいね。
などと俳優さんたちのことわかったようにあれこれいってますけど、ちょいと以下の記事をのぞきみしてくださいよお客さん、
「試しにYoutubeでPani puri、movieで検索してみたらこんな映画を発見しました。『Rab Ne Bana Di Jodi 』という2008年の映画だそう」だってさ。ぷぷ。インド映画ういういしいったら。パニプリに関しても「液体の緑色はなんなんだろう、ハラペーニョ?」だってさ。あはは。パニプリういういしいったら。数年前まではこんな調子でしたのよ。
そういえば、その頃は勇気が出なかった屋台パニプリ、今回アムリトサルで初挑戦したんでした。
一口目はおそるおそるだったものの、おいしくて甘めのと辛めのを一巡ずつしてしまいました。一巡が6個、計12個だったかな。1つ食べるたびにお兄さんがまた新しい1つをお皿においてくれて、わんこそば形式で食べていき、完食。屋台で他のインド人観光客に混じってつったって食べているの、なんだか楽しかった。イケメンおにいさんとは握手してわかれました。その後お腹壊すこともなく。
ラブネの中ではゴルガッパと呼ばれていますが、パニプリとゴルガッパは同じもので地域によって名称に違いがあり、北部では(パンジャーブ地方?)ゴルガッパなのらしい。
ちなみに、今回の旅では、こんな高級そうなレストランでも食べたりしてました。お水まで丁寧な手付きでサーブしてもらってしまった。チップ?もちろん払いましたよ。パニプリにチップ。
そんなわけで、数年前はパニプリういういしかった私ですが、いまではすっかり馴染みの食べ物になりました。お口もいさぎよくぱかりとあけて、それなりにこぼさずに食べられるようになりました。とはいえ、辛いのは辛いし、辛いの苦手は克服できてないので、ゴルガッパ対決とか絶対無理ですけど。
p.s.
行っていませんが、アムリトサルのKhalsa大学でもこの映画の撮影が行われたようです。