昨日、千葉某所までAK新作を観に行きご満悦のトホですこんにちは。
本国公開直後に上映@日本語字幕付き。ありがたいことです。
さて、ブログでは、そんなAK主演の『TEVAR』ロケ地巡り更新、続きです。
あの手この手を使ってモノにしようとするギャングのボスから逃走しようとバスターミナルにくるも見つかってしまい、髪をひっつかまれて連れて行かれようとするラディカを目撃したピントゥ。のシーン。
場所はマトゥラー(Mathura)の旧バスターミナル。
マトゥラーは、『TEVAR』主舞台のアーグラーからデリーに北上する途中にあるヒンドゥ教の聖地。
構図と色にやられて最初に「あ、ここ行きたい」と思った遊園地のある場所(という設定)でしたが、その後、現地友人の話から、遊園地は実在しない可能性大と知り、さらに、Wikipediaなどでロケ地としてマトゥラーの名前はあがっているもののどのシーンかは特定できず、ということでロケ地としての訪問は一旦あきらめ、純粋に観光目的で立ち寄る計画だけたて、あとは余白のままアーグラーに向かったトホであった、というのが前回までのあらすじでした。←?
ところがですね。ひょんなことから、このバスターミナルのシーンがマトゥラーだったことを知ったのです。
教えてくれたのはオート君でした。
「これはマトゥラーだね」。
即答でした。
ロケ地巡り交渉の際に、スマホに取り込んでいた各シーンの画像を見せながらこことここと・・を巡りたいのだけど全部で幾ら?という交渉の仕方をしていたのですが、そらもうあっさり。
さすがオートリキシャワーラーというか、でもマトゥラーとアーグラーは少なくとも車で1時間は離れているし管轄とかないのだろうか、それともドライバーなら常識的に知っていることなのか、だからどの人に聞いてもこの情報がゲットできたのか、そのへんは定かではないのですがともかく、
デリ―出身、ゴア在住、現在はアーグラーでワーラーとして生計を立てているけどこのままじゃ終わらない野望ありのオート君(←その情報必要?)、
行きたかったロケ地の1つや2つはずそうが気づいたら映画おごる羽目になっていようが、正直なところ、ここを教えてくれただけでわたしにとってはもう大満足、キミ当たり、400ルピー?映画代?全然出す出す、という気分だったのでした。
まあそれ、実際にここ来たあとに思ったことなんでオート君は知るよしもないわけですけど。
旧という名からもわかる通り、新バスターミナルは別の場所にあります。ここは、ブースも閉まっているし、現在使われている気配なし。
バスが停まっているのが見えますが、乗り込む人はおらず、ここから発車するというわけではないようでした。どちらかというと人々の憩いの場と化している感じ。
マトゥラーは、ヤムナー川沿いにあるヴィシュラムガートや寺院、ホーリーゲート周辺が観光拠点となっている小さい町なのですが、私は、滞在中、ヤムナー川沿いでおそらく唯一の安宿アーグラーホテルに泊まっており、このバスターミナルまでは、そこからオーナーに書いてもらった地図を頼りに、歩いていきました。宿から20分弱くらい。復路はサイクルリキシャで40RP。
撮ってと言ってきたのはボーイズでしたがカメラを意識して中々動こうとしないので、プレイ!とかラン!ラン!と声をかけると、ようやく試合を始めました。
ここは、にわかに判明した場所でしたし、けして行きたいロケ地の優先順位の上位にあったわけではないのですが、自分の足で向かい、目が現場をとらえた瞬間に「あ!ここ!」と沸き立つという例のロケ地発見醍醐味が発動した場所でした。
マトウラという町自体に、到着後数時間で既にこの街、好きだな、という感触を得ていたためによけいそれが後押しされたのかもしれません。
移動する旅を続けているとよく感じることなのですが、親和性を感じる場所、逆に反発を感じる場所って確かにあって、反発を感じる場所では歯車が狂い続けたりもするけれど親和性のある場所では、必要な人と出会って必要な情報が得られたり、その人の人生が垣間見られたりする。
オートくんが教えてくれてここにたどり着くまでのアーグラーからの流れも、たいした冒険ではないけれど、自分的には、ふんふん、なるほどね、と宝の地図をたどるような小さい興奮を覚えていたのでした。
最後に映画の話に戻りまして。
AKでなく、この俳優さん、マノージ・バージパーイについて。
インド映画ファンの方々の間では知名度のある俳優さんのようなんですが、私が知ったのはこのTEVARが初めてで、この映画の役どころがまあちんけに悪どいというか、容貌や目つきが助平おやじそのものというか、この人が敵役って・・・他にもっといい俳優さんいなかったの?くらいに思っていたんですけど、つまりたいした俳優さんと思っていなかったんですけど、
昨年のIFFJで『アリーガルの夜明け』という映画を観たあとに土下座したくなりました。
同性愛が禁じられたインド社会で、その疑惑から職を失う大学教授を演じていたのですけど、その静かな抑制のきいた深い演技に泣かされた俳優と、ピントゥに半パン姿にされて黄昏がれていたぱっつん前髪のおっさんが同一人物だとわかった時には顎が落ちそうになりました。鳥肌たった。まじで。
俳優ってすごい。
こういうヘンゲがみられたりもするから映画って本当にやめられません。さて、思いのほか長くなった『TEVAR』ロケ地更新もこれにて終了です。