北海道ゴールデンカムイ巡り9日間の旅。
1日目。網走。
全旅程はこちら↓
2022年11月後半に行った旅の話になります。ブログの更新も原則、旅の順です。作中の時系列と前後してしまいますがご容赦を。
(以下、ネタバレしています)
博物館 網走監獄
網走監獄。前半のクライマックスともいえる場所。
存在を知りはしても物理的にも心理的にも遠く、ゴールデンカムイを読んでいなければ選択しなかったであろう旅先。それが筆頭目的地になっちゃうのだからわからないものです。
開館時間: 9:00 – 17:00(入館受付16時まで)
開館日:基本年中無休(12/31、1/1を除く)
入館料: 一般1,500円(サイトにあるインターネット割引券を見せると10%OFF)
網走駅前からの行き方:『観光施設めぐり』路線バスで博物館網走監獄下車。約10分。
そういうどうでもいい感想はおいといて。
サイトの割引券を使って10%OFFの入館料を払いまして、
まずは、監獄正面へ。
1話目から登場し、全編に渡って幾度となく登場した正門。
両脇には、
面会人待合室と看守控室があります。本編でもさらっと描かれている箇所あり(118話、136話)。
これは中から外に向かって撮ったもの。この正面扉については、野田サトルさんのブログに、扉の形を確認するために現地に赴いた時のことが書かれていました。
「ほれ見てみろ!こういうことだ!」と叫んだ。
何を興奮してるんだと思われるかもしれないが作品づくりにディティールは大事だ。
現地へいって、実物を見てくることの大切さ。
ブログを読んだからじゃないですが、アイヌ文化だけにとどまらない説得力のある力強いストーリーはこういう地道な下調べの賜物なんだな、と感じる場面は数知れず。
本筋に戻りましょう。
続いて、庁舎に向かいます。
重要文化財でもある網走監獄庁舎。
中に入ると右手に売店があり、
しら…作者のサインや
し…当時のスタンプラリーの看板や
食べていいオソマや月寒アンパンのポップなど、
ゴールデンカムイ色の強いあれやそれがお出迎えしてくれます。ました。
典獄室もあります。犬堂四郎助のお部屋、ですね。130話「誘導灯」では、第四舎に侵入者がいるとの知らせを聞き、庁舎から出てくる場面があります。
庁舎を出た後に見てまわったゴールデンカムイとは直接関係ない施設については後回しにして、もう行ってしまいましょう、前半クライマックスの本舞台、
“五翼放射状平屋舎房”へ。
監獄正面だけでなく、やはり全編に渡って頻繁に出てくるこの舎房。特に125話あたりからは出ずっぱり。
門倉看守部長と看守たちが詰めていた中央見張所。
そこから見えるのが、
のっぺら坊(替え玉)がいた第四舎の独居房。
実はこのゴールデンカムイ巡り、作者のブログは読んでいたりしたくせに、本編の予習はほとんどしないまま出発した非常にゆるい舞台巡りでありまして、いろいろ取りこぼしがあります。なのでのっぺら坊がいたのがどの番号の独居房かも旅の時点では知らず。
記事を書くにあたり全編読み返したところ第四舎第六六房でした。
ん?
白石おった。
いや実際、ゴールデンカムイ目的でここに来て、この人見つけて、あ、白石、ってつぶやかなかった人いたらお目にかかりたい。笑。それくらいの存在感。
作中の脱獄王である白石由竹のモデルとなったのは、実在する脱獄囚、白鳥由栄。舎房にも「昭和の脱獄王」として説明が展示されていました。
もうひとり「明治の脱獄王」五寸釘寅吉の展示もありました。
ちなみに他の施設(確か旧網走監獄である二見ヶ岡刑務支所)でも、網走刑務所の事件として「某懲役囚」による破獄逃走事件が紹介がされていました。
大きさおかしい。
これは監獄歴史館に展示されていた拘束器具。鉄丸は白石脱獄話(84話「獄中」)や土方vs犬堂対決回(134話「教誨堂」)などで登場しています。
外から見た舎房。
侵入経路、天窓。
続きまして、
土方歳三と犬堂四郎助の対決場(134話「教誨堂」)である教誨堂へ。ここも重要文化財。
ここは、土方vs犬堂の場であるだけでなく、白石の恋が終結する場(85話「恋路いくとせ」)でもありました。
そういえば、舞台巡りの観点からみると、網走監獄は、モデルに使われた場所と作中の現場が一致している場所なんですよね。一致していないこともままある舞台巡りあるある、もちろん一致してなくても楽しめるのですけど、一致していると脳裏に浮かびやすく、臨場感も増し増しになる気がします。
とくに125話~139話あたりは、訪れたあとで読み返すと位置関係がわかって一層楽しめました。同時に、あー!あそこ行ってない!と地団駄踏むのも舞台巡りあるある。
独立型独居房。83話&84話、白石が入れられている樺戸集治監の懲罰房通称「闇堂」として出てきます。
白石、カナヘビ君に逃げられたの?
こちらは煉瓦造り独居房。126話でさっくり、また143話「スチェンカ」の岩息思い出話の中で入れられている独居房としても出てきます。
私がまわったゴールデンカムイ関連スポットは以上です。
取りこぼしがあったと書きましたが、門倉さんたちのいる職員官舎なんて、今回記事を書くに際して初めて、え、え、あった?となりましたし、高見張り台という作中重要拠点に至っては、巡っているあいだ存在すら頭になかったですし、
いいの、何度も通ってきてる道だから。←涙をふきながら。
その他、見学した博物館内の写真も投下しておきます。
浴室。「先生、もうあがっていいですか?」
休泊所。
監獄歴史館にあった展示物。
旧網走刑務所、二見ヶ岡刑務支所。
監獄裏門(登録文化財)。
滞在時間は3時間ほどだったでしょうか。
お昼を過ぎていたので、最後は併設されている監獄食堂で、監獄食B(ホッケ)をいただきました。おいしかったです。
そうそう、最後にもうひとつ言及したいカムイ場所があったのでした。
監獄前にある鏡橋。
新人看守を装う宇佐美が監獄から出て何度か渡っていた橋はこの橋だよね?(117、118話他)と思っていたのだけど、作中に出てくる橋の欄干と形が違う。
網走川の向こう岸に網走刑務所が設置されているため、橋を渡らなくては出入りすることはできない。その川にかかる「鏡橋」は明治23年から現在まで4回架け替えられてきました。博物館に再現した橋は、網走刑務所の二代目鏡橋(大正6年完成)を再現しました。
博物館網走監獄「鏡橋」のページから引用
まあ4回たてなおされているらしいし、そもそも「再現」した橋ですし、網走監獄のサイトには高い欄干がある写真とない写真が載っていますし、きっとサトルが参考にしたのもここであってる、と思うことにします。
ていうか、そう、現在稼働している網走刑務所は別の場所にあり、ここ網走監獄はあくまで当時使われていた建物を保存、公開する博物館です。本物の網走刑務所は同じ沿線のバス通り沿いにありますので、博物館に来たい人はそこで降りないように。←降りそうになった人からのお願いだよ☆
道の駅 流氷砕氷船のりば~網走バスターミナル~モヨロ入口~網走駅~刑務所前~博物館網走監獄~天都山(流氷館)~北方民族博物館
北方民族博物館
ゴールデンカムイを読むうえで、ぜひとも知っておきたいアイヌ文化。網走監獄と同じ路線バス沿線上にあるのですから行かない手はありません。
というわけで、旅時系列的には初日、女満別空港から網走駅までバスで移動、予約していた駅前のビジネスホテルにチェックインし、荷物をおいて、バスで北方民族博物館に向かいました。
開館時間: 9:30 – 16:30(7~9月は9:00 – 17:00)
休館日:基本月曜(7~9月は無休)、年末年始。 ※サイトのカレンダーを要確認。
観覧料:一般550円
網走駅前からの行き方:『観光施設めぐり』バス終点、北方民族博物館下車。約15分。
ひとこと感想。行ってよかったです。ストーリーの中に出てくる狩りや祭りや生活にまつわる道具を予習復習するうえでも、気分を盛り上げるうえでも。
堅雪用カンジキ(3話他)、アマッポ(13話他)、仕掛け罠、熊送り用の装具、五弦琴トンコリ(50話)、花ゴザ(241話)、丸木船や木皮舟などなど…作中に出てきたアイヌの道具がいっぱい。
だし、北方民族博物館はその名の通り、北海道だけでなく「グリーンランドから北欧まで、アイヌ文化を含めた北方民族の文化とオホーツク文化を紹介する」博物館。
ゴールデンカムイは北海道が主要舞台だけど、樺太も出てきますし(樺太編大好き!)、のちのちあかされる交差する思惑や野望含め北海道にとどまる話じゃないので、北方の他の文化や言語や地理関係も興味を持って閲覧できました。し、帰って読んだ時に一層ふむふむ度が高まりました(語彙)。
惜しむらくは、閉館時間まで1時間しかなかったため、全部を見られるかわからず、若干あせりながらまわったこと。結果的には1時間で可能っちゃ可能でしたが、見終わったあとに、あらじゃあ最初からもう少しじっくり見てまわればよかった…となりました。
(おまけの)オホーツク流氷館
時系列的には2日目の網走監獄後になりますが、列車の時間まで時間があったため、オホーツク流氷館(バスで博物館網走監獄の次、天都山(流氷館)下車)まで行ってみることにしました。
が、その日は残念ながら無料スペースしか閲覧できず。展望テラスから景色を見渡し、ギャラリーや売店をぶらつくなどしながら次のバスの時間がくるまで時間をつぶして帰ってきました。
2階のギャラリーに展示されていたクリオネの写真(の写真)。クリオネも出てくるゴールデンカムイ(215話「流氷の天使」)。
売店にいたシマエナガ。この鳥の名はゴールデンカムイで知りました。ちなみに元ネタトラウマ映画も観賞済みです。(228話「シマエナガ」)
移動について。
その後、駅前に戻ってホテルであずけていた荷物を受け取り、目の前の網走駅からJR石北本線で北見まで移動しました。この日は北見で宿泊。
ちなみに北見は漫画の中でも出てきていますね。124話、皆で記念写真を撮った場所。なぜか谷垣だけ特製ブロマイドが撮影された場所。
が、作中の設定は北見ですが、使われた建物は札幌の某所。というわけで、旅レポはまだまだ続きます。
旅程 | 移動 | 訪問した金カム場所 |
1日目 網走 | 羽田→女満別空港 女満別空港→網走(バス) [網走 1泊] |
北方博物館
|
2日目 網走-北見 | 網走→北見(電車) [北見 1泊] |
網走監獄 |
3日目 北見-札幌‐函館 | 北見→札幌(バス) 札幌→函館(バス) [函館 2泊] |
(なし。終日移動日) |
1~3日目の旅補足。
北海道入りは、羽田から女満別へフライトで。期限切れ前に使う必要があったANAマイルを使用しました。正午すぎに女満別空港へ到着、そこから路線バス『知床エアポートライナー』で網走駅まで。所要約30分。この日に『観光施設めぐり』バスで北方民族博物館へ。
2日目の午前中に同バスで網走監獄へ。お昼を監獄食堂でとった後、同バスでオホーツク流氷館へ。
3日目の[北見→札幌→北海道]移動についても。
当初は北見→札幌間に、釧路&阿寒湖、帯広(あとできれば旭川、夕張)も盛り込む気まんまんだったんですが、諸事情により旅行期間を減らしたため泣く泣く却下、一気に札幌まで、どころかその先の函館まで一日でかけぬけることになりました。
ただうっかりしてまして、札幌から函館行きのバスは、少し前まで座席がたくさんあったので余裕かましていたら、網走のホテルで確認すると乗りたかった時間帯は全部うまっている。汗。オンラインでまだ予約可能なバスだと深夜到着か翌日になってしまう。函館で泊まる予定の宿は民営の小さい旅館で、所定の時間以降はチェックインができないとあり、記載されている電話番号に電話するも人が出ず。あせりました。
函館を1日けずることも考えたのですが、結果的には、バスが札幌に時間通りに到着してくれたので、バスターミナルで教えてもらったバス会社(北海道バス)に即電話、かろうじて残っていた空きを確保し、トイレを済ませ、目の前のPAULでささっとパンを買い、バス乗り場へ直行、乗車、函館には無事18時頃到着となりました。いやー、はらはらした(自業自得)。
そんなわけで、次は函館編。
気温と服装について。
西日本出身&長年関東住みからした、11月末の北海道旅における体感気温について。
2022年11月後半、都心はまだそこまでの寒さではない時期、網走駅に着いてさっそく、うおお寒い!となり、ダウンジャケットのありがたみを感じました。が、旅中一番寒かったのはこの網走で、それもまだまだ余裕はありの寒さ、札幌では日や時間帯によってジャケットを着たり脱いだり、函館では上着が必要ない日もあり、という感じでした。雪や道の凍結で長距離バスが遅れるなんてこともなく、旅のしやすい天気で助かりました。でも北海道を出た数日後に札幌の大雪のニュースが流れたのでぎりぎりだったのかも。