インドの飲み水は安全か。TDSメーターで測ってみた。

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インド生活

 

デリー生活を始めてから1年が過ぎようとしています

今日は、普段飲んでいる水の水質をはかってみたという話。

きっかけは、ヒンディー語学校の友人から聞いた、アパートに設置されている浄水器が信用できないのでTDSメーターで水質を測ってみたらとんでもない数値出たという話でした。

TDSメーターとは、水の中にどれだけ不純物がまじっているかをppmという数値で示してくれる簡易的な水質測定器のこと。私もそういう水質をはかる機械があることをこの時始めて知りました。

人が海外に行ってお腹を壊す原因は、飲食物の衛生状態だったり、環境だったり、現地の人との免疫の違いだったり、各人の体調や体質だったりさまざまですが、いずれにしても水はとくに気をつけるべきではあると思います。

お腹を壊す印象が強いインドの飲み水が実際どうなのかといえば、たしかに他国よりは気を引き締める度合いをあげたほうがよさそうではありますが、私の経験では、入国してしばらくはゆるくなりがちな調整期間はあるものの、滞在が長くなるにつれて慣れてきて、気を付けていればそこまでお腹を壊さなくなっていく感じ。

この1年も、今住んでいる環境でとくに大きな水関連の問題を感じたことはありませんでした。が、ここ最近、ぽつぽつと浮上する不安材料がないでもなかったため、試しに測ってみることにしました。

そしたら意外な結果が。

 

 

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飲み水の調達方法

その前にまず、私の普段の飲み水事情を。

飲用水はボトルウォーター。

直接飲む水は市販のペットボトルの水一択。コーヒーやお茶もそう。ブランドは、入手しやすいのと口にあっている気がするのとでだいたいBisleri。

すぐなくなるし重いので大容量はデリバリーしてもらい、足りなければお店で買い足すという感じです。

デリバリーは、近くのキオスク(キラナ)で頼んで、20リットルのボトルを配達してもらってます。最初に容器代を上乗せして払い、以後は水の分だけ払うしくみ。水のみの値段はノーブランドは70ルピー、Bisleriは110ルピー。以前はノーブランドでしたが、今はBisleriで継続中。

 

電話で頼むのは言葉の障壁が高いので、店の前にずらりとビッグボトルが到着している時をみはからって頼んでます。店の前にない時には当然ないと断られ、でもある時に行ってもよく忘れられるので、何度か行かないといけない。めんどくさい。

そのタイミングを見計らっているうちに水が切れかけてくれば、Blinkit(食料品デリバリーサービス)で5リットルボトルを注文してつなぎます。Blinkitは頼んで数十分で届くので助かります。ただデリーでは5リットルが在庫切れしてることが多いような。

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そこでしぶしぶ腰をあげて近くのお店まで行って2リットルボトルを何本か買って飲みつなぐ、とまあだいたいそんな感じです。

 

料理には浄水器の水。

パスタをゆでたりお米を研いだりといった料理用の水には、基本アパートに備え付けの浄水器を使っています。

私の部屋は学生寮に毛が生えた程度のワンルームで、各部屋に浄水器はついておらず、共有部分に設置してある浄水器を必要な分だけ空のペットボトルやケトルで汲みにいってます。

 

水道水は飲んでる?

水道水は食器洗いや野菜洗い用で、極力直接口にはしない方針。

食器は、洗ったばかりで水がついている状態の容器は使わず、どうしても洗ってすぐ使わなきゃいけない時は熱湯をかけて紙ナプキンでふいてから使います。野菜も一次洗いは水道水で、サラダの場合は仕上げをボトルウォーターで流してます。

でも、極力直接口にはしないといいながら、線引きはめっちゃあいまい、ほとんど気休め。旅でインドに来ていた頃は購入した水で歯磨きしていたのが今では水道水で普通にくちゅくちゅぺっとやっているわけですし、入浴中にシャンプーや洗顔をしている時も知らず知らず口に入っているだろうし、とりあえず飲み込まなければOKという自分基準。

 

最近そこはかとなく気になっていること。

 

その1:ボトルに封がされていない件。

お店で頼む20リットルBisleriは、ボトルは新しくなく、おそらく使いまわされてはいるだろうと思います。そこは了承しているのですが、通常なら封がされて届くのが、ここ最近、二度ほど封のないものが届けられていました。

一度目は受け取ってしばらくしてから使おうとして封がされてなかったことに気づき、え、これ、何か入れられてもわかんないじゃん、と。しばらく使うのをためらったものの結局は使い切ったのですが、二度目にお店で頼んだときに封がされてないものをかついで持ってこようとしたので、封があるものにしてくれと頼むと、今はこれしかない、大丈夫だと押し切られ。

結局それを今使っているところなんですが(弱)。普通に飲んではいますが、配達も忘れられるし、毎回これなら店変えようかな、と考え中です。封があいているものを不安になりながら使うのもいやだしひとまず数値をはかってみるか、というのがひとつめのきっかけ。

 

その2:浄水器の水が生あたたかい件。

浄水器は、昨年入居した頃は1階 (インドでは0階) に古そうな金属製の大型のものが置いてあって、2階 (1階) からペットボトルやお鍋で汲みに行っていました。それがある時とうとうガタが来たのか撤収され、気づくと私の部屋の前の廊下に新しい浄水器が設置されていました。

扉を開けたらすぐそこにまあたらしい浄水器があるわけで、これは便利と喜んで使ってはいるのですが、日が当たる場所に設置されているため出てきた水がぬるくなっていて、これって本当に大丈夫かしらんと不安が頭をもたげることもあり。そもそもインドのRO水あてになる?という根本的な不安もあるっちゃあり。これがふたつめ

 

TDSメーターをオンラインで購入。

Amazon.inやFlipkartでみてみたら200~300ルピーの価格帯でした。

全体の数値が確認できればいいので、精度は求めず、とりあえずもっとも売れていて、評価数も多く、評価が悪くない300ルピーほどのものを選んでみました。

 

届いた商品。シールが貼ってあるだけなのでバッタモンの可能性もありますが、そこはまあ、まあまあまあ。

ちなみに、日本のアマゾンを見ると、1000円ぐらいから高性能な20000円までさまざま。中心価格帯は3000~4000円といったところでしょうか。

 

 

基準値。

TDSメーターは、あくまで水の中に溶け込んでいる物質の全体的な数値を簡易的に測定するもの。

ただ、冒頭で「不純物」と書きましたが、水には不純物だけでなく、ミネラルなど人体に必要な成分も含まれているので、数値が高いからといって一概に水質が悪いといえるわけでもなさそうです。

たとえば、日本のこちらのサイトによると、ポカリスエットは「電解質を補給するための飲料なのでTDSが高い」そう。

“あくまでもTDSは「物質(電解質)の量を示す数値」であり「水質の良さを示す数値ではない」ことを知っておきましょう。”

(引用元:Mizu cool

でもざっくりした目安としては、数値が高ければやはり不純物も多く含まれているわけだから飲み水には適さない、と判断できそう。

参考までに、Bisleriのサイトに載っていたTDS基準値は以下。

TDS値 (PPM) 飲料水としての適合性
50~150
150~250
250~300
300~500 不良
1200超 不可

略語:TDS=Total Dissolved Solids (総溶解固形物), PPM=Parts per million (100万分の1の意)

[出典] Bisleri -Understanding TDS and its Role in Drinking

別のサイト(pureitwater.com )もみてみますと、「飲料水として最適なTDS値は50~150ppm(300ppm以下)」とありました。ひとまずそれくらいなら問題ないと考えてよさそうです。

以上を踏まえて。

 

いざ測定。

まず20リットルボトルのBisleriの水封なしを開封(?)して数日使ったもの。

 

結果:105ppm

……微妙な数値でました。基準値内だけど良くも悪くもない。

さくさく行きましょう。次は同じくBisleri、未開封2リットル水。

 

 

結果:93ppm

これも微妙~。

封がされてなかった大容量Bisleriも未開封だった2リットルの方も、数値は大差なし。ということは、ということは、どういうこと?? 大容量Bisleriは問題なしということか、未開封ペットボトルの質がだめだめなのか。とはいえ、いずれも「50~150」の基準をクリアしていることにかわりなく。ペットボトルの水ってこういうものなの? 

他のブランドも買っておけばよかった、と冷蔵庫を開け、Kinsleyの炭酸水(未開封)を発見。はかってみました。

 

 

結果:31ppm

う、うむ。Bisleriとずいぶん違うね。←ざつな感想

ええと、では、水道水、行ってみましょうか。

 

 

結果:117ppm

え、意外、インドの水道水、思ったより全然きれいじゃない? きれいというか、立派に基準値の範囲内。デリー全体の水が優秀なのか、この地域の水が優秀なのか。

というか、というか、ビスレリとほぼ一緒じゃん…。これ、どう受け取ればいいの? それでも、この数値をみても水道水は直接飲む気にはなれないあたり、矛盾を抱えて生きております。押忍。

最後に浄水器の水、行ってみましょう。

浄水器自体が汚いじゃないか、というつっこみは遠慮してもらって。

 

結果:10ppm

低! めっちゃ低ない!? 浄水器が機能していることがわかって安心した反面、逆に心配になる数値。

インドの浄水器の会社Kent Ro systemsによると、50ppm未満は「必須ミネラルが不足しているので飲水に不適格」。一方、pureitwater.com では「飲んでもOKだけど、栄養的な意味で人体への影響は少ない」。

むー、調べたことによって逆に悩む結果に。使い続けていいのかやめとくほうがいいのか。

後日友人たちにRO水の数値を話したところ、不純物が少ない水は菌が繁殖しやすいため、置いてはおけないとのこと。そうか…じゃあRO水は、これからも必要な分だけ汲んで都度使いきっていくことにしよう。

あとBisleri大容量ボトルは、次はなんとしても封があるものにして、もう一度測ってみよう。

というわけでこれからも、数値が低すぎるRO水も微妙なBisleriも変わらず使い続けそうですし、測った意味……となってますが、とほってそういう人なんだ~インドの水ってそうなんだ~くらいに流していただけると幸いです。

とほ

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