実家でリモートワーク実験。

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旅語り

 

コロナ禍の今年はもちろん除くが、年に1~2ヶ月旅する生活をかれこれ7年続けてきた。

旅中、1冊はSF古典を読む。
いつからだったか、旅中に読む本の中に必ず1冊SF古典を含めるというマイルールを作った。 最近は電子書籍という便利な旅の...

 

以前の記事で、旅中に1冊はSF古典を読むことにしていると書いたが、そのルールを適用したのは2015年の旅からで、2015、2016、2019年に読んだ3冊の本を紹介した。書いてない年はどうしたの? というわけで、2018年の旅読書事情についても記事にした。

 

サンティアゴ巡礼路を歩いた年は何を読んでいたのか。
2日前の記事で、旅中に1冊はSF古典を読むことにしていると書いた。 1冊目は2015年のインドで、2冊目は2016...

 

で。今回は2017年の話である。

結論からいうと、この年は旅をしていない。正確にいうと長めの海外旅行はしていない。本は読んでいたけど今日の話題はそれではないので、今回は割愛。

結論からいうと(二度目)、実家に帰省していた。それも1ヶ月。

私は現在横浜辺鄙区在住で、関東に住み始めて四半世紀を超える。実家は本州の西のはしっこ、下関だ。距離的な問題もあるが、それまでは、帰省は基本的に年に一、二度。滞在は長くても1週間、だいたい4~5日だった。猫がいた頃は、長めの海外旅行時は人に世話をお願いしないといけなかったので、実家にあずけてそのまま福岡から旅立つというように、旅と帰省を一度にすますということもしていた。まあそんな感じで、そこまで実家に頻繁に帰る方ではなかったかもしれない。

そんな中、1ヶ月も帰省することにしたのは、すっかり忘れている運転の練習をするためと、実家でも仕事できるかを実験するためだった。前者はめんどくさくなってやめたが、後者は、両親も高齢だし、何もないにこしたことはないけれど何かあったときのためにある程度長居できる体制を作っておいたほうがいいのかも、と思うようになっており、長居するには仕事できる状況を整えておく必要がある、と考えた。

そういえば、さっきから旅1~2ヶ月だの帰省1ヶ月だの、この人は一体何をしている人なのかと思っている人もいるかもしれないので書くと、ご推測の通り?フリーランスである。そこそこ長く在宅で翻訳をしている。詳細は割愛する。とにかく、現時点では翻訳業である。

2017年の話に戻す。在宅でPCを使ってする仕事では、ネット環境が最重要だ。ただ私は、ガジェット類は必要になったら導入するという、どちらかというと腰が重いタイプで、携帯型のWiMAXもこの年にようやく購入したばかりであった。それを実家のある地域でも問題なく使えるかを試したい、という目論見があった。

ただ、この年の帰省を長めにした理由は他にもあった。翌年の2018年に念願のサンティアゴ巡礼路を歩く予定でその分貯金しておきたかったため、2017年はできるだけ出費は控えたいという心理が働いていた。その反動で、年末年始はインド・バラナシに飛んでいたし、2018年旅しまくることになるのだけど、これもまた割愛。

そういうわけで、2017年の選択は、長期の実家帰省となった。まあ、離れて久しいと、帰省そのものが旅感覚になるというのはあるので、海外に行かなくてもそれなりに楽しかった。ネット環境という点でも、実家で仕事は可能という手応えを得た。実際、この年以降、帰省期間は以前より長くなり、実家でも仕事をするようになった。ので実験成功といえば成功ということになる。

まだテレワークという言葉もリモートワークという言葉も浸透していなかった頃の話だ。

ただ。実家で仕事は可能という手応えを得た一方で、実家で仕事をするのはあくまで一時的である、恒久的にはやはりきつい、という結論も得た。

ちなみに、それまでも自宅以外で仕事をしたことがなかったかというと、ある。12年前の長旅中も、滞在先の有線または無線LANがあることが重要条件ではあったけれど、1つの都市に長めに滞在して何度か仕事していた。なので、ネット環境さえあれば、どこでもできるのはわかっていた。だから、実家の場合、リモートワーク的に問題があるとすれば、本当の弊害はネット環境ではない、ということになる。

ひとつは私の元部屋にエアコンがないこと。寒さは暖房器具でなんとかなるが、夏は無理。こと仕事となると、長時間は厳しい。なので季節が限られる。

さらに、エアコンの有無にかかわらず、自室が落ち着かない問題。たしかに元私の部屋ではあるのだけれど、どこかもうよそよそしい。用意してくれるおふとぅんはいつもここちよく、快眠は得られたけれど、日中は「ひとりになれる空間」ではない。そもそも長居できる仕様にはなっていない。家族全員用のクローゼットがあり皆が入ってくるという、思春期の頃からも半「私の部屋」兼家族の共有場所という感じだった。

さらなる問題として、家族仲がよいというか母が寂しがりやというか、長く部屋にいようものなら、すぐにお呼びがかかる。あるいは2階にあがってくる。

さすがに今は、仕事とわかっている時はそっとしておいてくれるけど、それでも何かとお声がかかる。昔からそうだった。自分が家を出た理由はこのへんにある。や、仲いいのはいいんだけどさ、今のところ家族みんななんとか元気でいてくれてるのもありがたいんだけどさ、それと自分の性質との兼ね合いがね‥‥‥。

仕事以外でお籠りを許される状況にない、というのは、私のような人間にはなかなかきつい。短期間だからこそ、ありがたくあたたかい気持ちで去れることもある。

というわけで、実験の結果は、仕事は可能であるが長期の帰省は避けるが無難、になった。

とほ