CBロケ地:コーンウォール実験2/倫敦ヒッチハイクガイド

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クリスチャン・ベール

7月10日。朝8時過ぎ。ロンドン某所。

交通量の多い道路を前になにやら相談中の日本人女子2名。

と。

ひとりが荷物をおき、道路に向かってなにかを掲げました。

ひとりは背後で待機しています。荷物の見張りをするようです。多すぎる荷物を隠そうとしているようにも見えます。

 

道路側のひとりが掲げたもの、それは。

内容(超訳):
コーンウォール行きたいんだけどお~。
だめなら途中のどっかでもいいから乗せて~。

 

というわけで、前回お話しました実験内容をおさらいしますと、ロンドンからコーンウォールへのヒッチハイク。「主人公ボビーがコーンウォールの森へ行くのに使った手段」を試そうというわけです。

そもそもコーンウォールってどこ?
というわけでまず位置を確認。

コーンウォール地方というのはイギリス南西部にある州。地図上のピンクの部分。地図では小さいですが、まあけっこうな広範地域です。面積でいうなら埼玉をちょっと小さくしたくらい、それを横長にした感じ。

で、大きさがわかった時点でまず思ったこと。

「コーンウォールの森へ」って…‥

なんちゅうおおざっぱなタイトル。

もちろんコーンウォール全体が森、なわけはないので、ボビーが目指したのは当然コーンウォールのどこかにある森ということなのでしょうけれど。

サマーズさんに出会い、動物の埋葬をする仕事を助け生活するようになる森。
ボビーの心が少しずつ変化していく森。

ロケ地としてはぜひその森を目指したかったのですけど、どうも森のシーンが撮られたのはコーンウォールではないようでした。IMDbなどで映画の舞台としてもうひとつ挙げられているマン島(アイルランドとイングランドの間にある島)の可能性が高く。日程を詰める前はマン島行きも検討したのですがスケジュール的に断念。

じゃあ、コーンウォールへはヒッチハイク実験のためだけ?

というとノンノンなんですけど。それは待て次号として、ヒッチハイクに話を戻します。

ヒッチハイクといってまず思い浮かべるものといえば。

親指。  👍

これです。なにはともあれこれです。
立てたいものですよ。びしっとね。

しかし問題が。

トホ子、いきおいで企画はたてたものの、マメ子、おもしろそう♪とのったものの、二人ともヒッチハイクは初体験。びしっと立てられる自信が‥‥‥勇気が‥‥‥ちょっと‥‥‥その‥‥‥。

というわけで用意しましたのが、件のボードだったわけです。

材料:A4コピー用紙。マジック。100均の白いまな板。

検証1:なぜまな板なんて持っているのか。

証言1(T子):

コーンウォールではキャンプ&自炊の予定だったんです。でもヒッチ用ボードとして非常に役立ちました。軽いから持ち上げても手が疲れないし、運びやすいし、薄いけど紙が風でなびくのをしっかり防いでもくれて。

 

検証2:写真の場所は現場か。

証言2(M子):

「キャンプ場です。あとから撮りました。現場では真剣勝負でしたから。わ、わすれてたんじゃないったら」

 

検証3:成功の定義とは。

証言3(T子):

1日で行く。これです。車で5時間強の距離ですし、不可能ではないと思ったんです。日照時間も長いし。1日でコーンウォールまで行けるのか。行けたら成功。それがあたしたちの実験でした!(にぎりこぶし)

 

ボビー、親指も立ててなければ、ボードも使ってないんですけどネ☆

ボビー、1日で行ったかどうかは映画ではわかんないんですけどネ☆

というのは記憶違いであり、この思い込みにより迷走することになるのですがこれも待て次号。

 

母親の死後、ある出来事から命の危険を感じて継父のもとを飛び出した24歳の青年ボビー。

子供の頃の交通事故と薬物度療法のせいで心は成長を止めてしまっているため、論理的な行動が非常にこころもとない中での家出。前回引用したmovie walkerさんの紹介文では、「夢で一度だけ見たことのあるコーンウォールの森へ」となっていましたが、実際には映画ではそういう描写は出てきません。ついでにいうと、原作も読んだのですが、そちらにも。

コーンウォールという場所にした理由も行く方法もなりゆきまかせだったボビー。

最初は、継父ファット(ボビーがつけたあだ名。原作では「でぶ」になっています)に見つかりたくない一心で歩いて遠くに行こうとしていました。
歩き疲れ道路わきの草むらに倒れこんだところを通りかかった旅人カップルwithワンコの車に拾われ、どこに行くのかと聞かれてとっさに答えたのが「コーンウォール」。それがきっかけで、ヒッチハイクで目的地に向かう方法を覚え…確かそんな感じでした。

ただ、この行きあたりばったりをそのままなぞる気はありませんでした。

ていうか無理。

なんせはじめてのヒッチハイク。それも海外(※)。

無理はしない。でも経験はしてみたい。という中での計画。

保険として当日分のキャンプ場は予約していました。いざとなれば捨てて途中で宿をとるつもりではいましたが、それはできれば避けたい気持ちもありました。

1日で行けた方が、他の日程をけずらずにすむし、ストレスも少ない。

チャレンジしたいとはいいつつもねえ、前日までは内心ストレス、というか緊張はしましたよね、やっぱり。基本びびりですんで。

ロンドンからコーンウォール西の玄関口ペンザンスまでは307マイル(約500km)。車で5時間ちょい、とgoogle mapさんは言っております。

距離的には、1日で行けない距離ではない。

ただ、直行で行けるのがベストだけどそれは厳しいかもな、とは思ってました。

どの方面の車に乗るのかが大事だろうなとも。やみくもにとめるんじゃだめだろうと。効率的に乗り継いで行くには、大きな都市を経由した方がいいだろうと。

あとロンドン出る時に一体どこに立てばいいの?

というのも大きな問題でした。

さて。どうしましょうかしらん。

で。日本を出る前にこういうサイトを見つけたんです。

HITCHWIKI

銀河ヒッ‥‥‥じゃない、ヒッチハイカーのための世界ヒッチハイクガイド
(The Hitchhiker’s Guide to Hitchhiking the World)

こんなサイトあるんですね。びっくり。

ちなみに日本も載ってます。「日本でヒッチハイクするのはカンタン」なんだそうで、日本人としてなかなか興味深いものがありますがひとまずはそれは横におきまして、このサイト、ビギナーにとってなにが助かったかってヒッチハイクをするうえで欠かせない指南、たとえば「パニクるな」さらには「タオルはだいじ」といった

あの、先生、ちょっといいでしょうか。

なにかね。

ちがう映画がまじってるような気がするんですけど。

気のせいだな。続けよう。

といった指南が実際に書かれてあったかはおいておいて、なにより役立ったのは、目的地別にロンドンでの立ち場所が書かれていたこと。ヒッチハイカーの実体験に基づくアドバイスつきで。

コーンウォール方面の立ち場所もちゃんと乗っていました。2個所。どちらもブリストルを経由するM4という道路を使うルート。

1つは地下鉄Gunnersby駅(District線) からChiswick High Road に出て
500m歩きM4のJunction 1 で待つというもの。
(最終確認日:2010年4月)

もう1つが、地下鉄 West Kensington駅(District線)を出て右に曲がり
10m先の信号機を右に曲がったところの待避所で待つというもの。(最終確認日:2011年2月)

どちらがいいのか迷ったのですが決行日の前日、ホステルのキッチンでマメ子と話しあった結果、更新日が新しいこと、説明がわかりやすかったこと、最終的には「自分、しょっちゅうここに立ってるけど、うまくいってるよ。ここでは30分以上待ったことないな」という言葉が決め手となって、後者に決定。

「この場所がいいのは、信号機でしょっちゅう車が停まるからみんな見てくれる」というひとことも心強く。

こうして、翌朝9時、ロンドンはWest Kensington駅近くで人生初のヒッチハイクをすることになったのでした。

さてさてどうなりますことやら。

ってまたつづくんかい。

つづきます。あ、あと3回くらい(汗)。

 

※ これが無謀か無謀でないか、という判断については皆さまにゆだねます。それまでの経緯も書こうとしたのですが長くなり主旨からはずれるのでやめました。ひとまずは、私もマメ子も、調べたり、人に聞いてみたり、話しあったりした上での決定とだけおことわりしておきます。