星の旅人たちと行くサン・ジャックへの道 27日目:キッチンで語らう。

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サンティアゴ巡礼

 

5月19日 快晴

カカベロスで泊まっていた公営アルベルゲが二人部屋で、同部屋の女の子が早く出発したのもあって、折れていたアイブロウを削ったりタコ用パッドをカットしたりでゆっくりしていたら、出発が遅めになってしまったけれど、今日も比較的平坦で楽な道で助かった。

けど、国道沿いを歩く道が続き、特に目に美しいというわけでもなかったため、引き続き音楽の力を借りる。自分がプレイリストに入れている曲でも、スペインの空気に合う曲とまるでそぐわない曲とがあっておもしろい。古くから入れっぱなしのスティングは海外の旅によく合う。ただ今日のデザートローズは、このあと行く国の方が断然合っている気はしたけれど。そういえば八年前の長旅の時も、チリのバルパライソには、映画『白い嵐』のエンディングだった同名タイトルの曲だけで行こうと決めたんだった。考えたらわたしの旅は、昔から映画と関連づいている気がする。

途中でランチも兼ねて長く休憩を取ったのもあって、泊まる予定のベガ・デ・バルカルセには、3時に到着。公営アルベルゲに泊まるつもりだったのだけど、行ってみると紙が置いてあり、18:00まで戻らないので好きなベッドを選んで好きに過ごしていてください、と書き置きしてあった。前も別のアルベルゲでこういうことあったな。で、二階にあがると、二十以上ベッドのある部屋にわたしが一番乗りで、選び放題。わーい、

とはならずに、一旦は場所取りのため寝袋を広げたものの、なんとなく座りが悪く、別のアルベルゲを探すことにした。で、数百メートル先のエルパソという、見晴らしもキッチンもトイレやシャワーもすべてナイスなアルベルゲにチェックイン。オーナーの人柄がまたベリーナイス。ただこのアルベルゲでもベッドはたくさんあきがあったので、この町で歩を止める人自体が少ないのかもしれない。お陰で4つのベッドがおかれたひと区画を貸切状態で個室のように使えた。

今日は、明日の峠越えに備えて荷物を軽くするため、持っていたワインや食材を使いきろうと自炊のつもりでいたのでキッチンありが条件だったのだけど、公営5ユーロ、エルパソ10ユーロ。5ユーロでこの快適さが得られるなら全然こっちにするよね。というわけで移ってきてよかった。

落ち着けるキッチンでは会話も進む。トマトのパスタを作って食べ、チーズをつまんでいるうちに、何度か見かけていたアメリカ人男性と話しはじめ、カミーノに始まり、各国のトレイル、四国のお遍路、空海、仏教と神道、クエーカー教、その他の宗教、ビパッサナ、瞑想、海外で暮らすいろいろな方法・・・まあそういった話をあやしくもなく、たまにある一方的なアドバイスにも終始せずに、流れのままにしみじみじっくり話せたのも何かよかった。

併設されている隣のバー空間では、誰かが誕生日を祝ってもらっていた。

出発地:カカベロス(7:20出発)
到着地:ベガ・デ・バルカルセ(15:00到着)
歩行距離:25.3km

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの「フランス人の道」780km巡礼日誌。
「星の旅人たちと行くサンジャックへの道」とは、巡礼路を歩くきっかけとなった『星の旅人たち』と『サンジャックへの道』という2つの映画タイトルを合体させた旅タイトル。センスがよろしいとはいえないこの映画タイトル合体旅タイトルはブログ主が得意とするところらしいという噂(前科あり)。時に、星の旅人たち=ホシノ、サンジャックへの道=サンジャで略すことあり。なお、ロケ地巡りという性質を含む行程である以上、関連場所を通過する際に映画の内容に触れることがあります(ネタバレ宣言参照)。ラストにどんでん返しがあるタイプの映画ではないですが、ネタバレ過敏症の方は注意。