星の旅人たちと行くサン・ジャックへの道 34+1日目:ボタフメイロ

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サンティアゴ巡礼

 

5月27日 晴れ

サンティアゴに到着した勢いで昨日の日記のタイトルをつい最終日としてしまったけど、「星の旅人たちと行くサンジャックへの道」と銘打った旅自体はまだもう少し続くのだった。というわけで、少なくともあと数日は毎日ベースで更新するつもり。

さて本日の一大イベント。それは大聖堂でのミサに出席し、ボタフメイロ(巨大振り香炉)を見ること。

巡礼路を歩いてきて、そのゴールであるサンティアゴでのミサへの出席自体が意味のあることなのかもしれない、とはいえ、ボタフメイロが見られるかどうかは、ここ数日の重大事項になっていた。

毎日やっているわけではないらしい、宗教行事の日や個人や団体が依頼した日らしい、年によっても違うらしい、今年予定されている翼廊の修復工事が始まると見られなくなる、との前情報をネットから得ていたため、最初は、運が良ければ、くらいでかまえていようと思っていたのだけど、サンティアゴが近づくにつれ、だんだんここまできて見られないのは残念すぎる、と思うようになった。

前日の金曜日の12時と19時半、それと私が到着した土曜の12時のミサに出席したそれぞれ別の人から見られたと聞き、毎日やっているのでは、と期待は大きくなっていたけれど、実際に見られるまでは妙にはらはらしてしまって(苦笑)、とりあえずサンティアゴにいる3日間は見られるまで通うつもりでいた。

で。あっさり見られました。最初の日曜日12時の回で。前日にsさんに万が一席が取れなかった場合のいいアングルを教えてもらい、万全の体制で一時間以上前に中に入るとすでに人でいっぱい。と、人の頭の向うに小さく揺れるボタフメイロを目の端がとらえ、え、え、なんで今?と一瞬ショックだったけど、朝のミサだったらしく、その後すぐに人の入れ替わりがあり。で、12時の回も無事、ミサ後にボタフメイロが焚かれ、座った席もよかったせいか間近で高く前後に揺れる香炉を見ることができた。

赤いマントをまとった男性たちが紐を引っ張ると、香炉は何度か跳ね上がるように上下したあと、翼廊を大きくスイングし始め、最大の振り幅になったあと徐々に揺れる間隔が小さくなりやがてとまる。その間わずか2〜3分程度。終わる頃には、なんともいえない印象的な香りがたちこめていた。

ゴールであるだけに、大聖堂でのミサとボタフメイロのシーンは、『星の旅人たち』『サン・ジャックへの道』の両映画で出てくる。ただ、サンジャックは比較的あっさり描かれているのに対し、ホシノでは非常にエモーショナルな場面。カテドラル内での撮影は、ドキュメンタリーなどの番組以外ではほぼ断られてきた中で、この映画で特別、それもボタフメイロの撮影も許可されただけあって臨場感があり、とりわけ紐を引っ張る赤いマントの男性たちの姿には、この映画を思い出して、ぐっときた。

と同時に。来たのは映画発端とはいえ。巡礼路を歩いてきた自分が、映画より何より今はこのボタフメイロを見たくなっていて、だから、見られて本当によかった。

 

追記:
聖堂内では、席が、祭壇方向に向かう列と、中央でクロスするように水平方向に列が配置されていて(こっちを翼廊というらしい)、ボタフメイロが前後に悠然とスイングする様子をしっかりみたければ、翼廊側の席に座った方がいい。わたしは最初に目の端でボタフメイロが振られる方向をとらえていたため、そのままその方向に並べられた席の前方に座ったのだけど、結果的によかった。
でもクリスチャンだったりで祭壇で行われる儀式をしっかりみたければ、垂直方向の席の方がいい。その場合は、左右に揺れるボタフメイロを見ることになる。柱で遮られるので最大の高さまで降り上がる様子を見ることはできないけれど、祭壇込みでみられるし、この角度もまた違う趣きがある。

(実はこれを書いている月曜もミサに出席し、祭壇方向に座りました。余談ですが、この日は日本語での感謝のメッセージ?のような読み上げがあった。さらに、最後に司祭が各国の言葉でさようならを言っていた。ミサも日によって少しずつ違うよう。なので日を変えて行ってみるのもよいかもしれません)

 

到着地:サンティアゴ・デ・コンポステーラ

 

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの「フランス人の道」780km巡礼日誌。
「星の旅人たちと行くサンジャックへの道」とは、巡礼路を歩くきっかけとなった『星の旅人たち』と『サンジャックへの道』という2つの映画タイトルを合体させた旅タイトル。センスがよろしいとはいえないこの映画タイトル合体旅タイトルはブログ主が得意とするところらしいという噂(前科あり)。時に、星の旅人たち=ホシノ、サンジャックへの道=サンジャで略すことあり。なお、ロケ地巡りという性質を含む行程である以上、関連場所を通過する際に映画の内容に触れることがあります(ネタバレ宣言参照)。ラストにどんでん返しがあるタイプの映画ではないですが、ネタバレ過敏症の方は注意。