『2 states』ラストシーンのロケ地に行った、つもりで違っていたかもしれない話。

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ロケ地-インド

 

『2 states』巡り、続きです。

 

2016年デリー編。

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2019年アーメダバード編。

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そして今回、アナンニャの”States(州)”であるタミル・ナードゥ州へ。

この先、ラストの内容に触れてます。注意。

 

 

クリシュとアナンニャの結婚式のシーンが撮られたチェンナイ近郊マハーバリプラムの海岸寺院に行ってきました。

前回&前々回の記事で「チェンナイのあのお寺に行きたい」と書いていましたが、マハーバリプラムは正しくはチェンナイのお隣のカーンチプラム県。失礼しました。

 


海岸寺院入場料:600Rs(2019年時点)

 

 

それでですね。

結婚式のシーンが撮られた海岸寺院に行ってきました、と書きましたが、タイトルの通りでして、正確には、結婚式のシーンが撮られた「というネット情報を鵜呑みにして行ってみたけれど実際現場で目にした時にはわああここだあと興奮したんだけれどあとで写真と映画を照らし合わせてみたところ寺院の彫刻や海岸との距離などからどうも違うとなりさらに探ったところすべてセットだという説を発見しましたさてどうでしょうな」海岸寺院に行ってきました、です。

セットも建てられたことは事前にわかっていたのですが、海岸寺院の正面に更地の空間があり、そこに一部が建てられたのかと思っていました。が由緒正しい遺跡群、そうそう許可が降りるものではないのかなあ。

 

 

ともかく、どの情報が正しいかはわかりませんが、少なくとも自分で目視した限りこの海岸寺院/Shore templeで撮られたのではない気がしています。おそらくすべてセットが正解だろうと思う。でも、とすると実際はどこで撮られたんだろう。海岸沿いであることは違いないし、この付近ではあるのかしら。

とまあ、ロケ地巡りとしてはやや空振り感が否めないところもあったのですが、マハーバリプラム自体は世界遺産に登録されている由緒ある遺跡群が立ち並ぶ観光名所。

 

傾斜にあるのにびくとも動かない巨大な岩クリシュナのバターボールや、

 

アルジュナの苦行の岩壁彫刻と、海岸寺院の周辺に見応えある遺跡が点在しています。

海岸寺院、バターボール、岩壁彫刻のある場所はすべて徒歩圏内。少し離れたところにあるファイブ・ラタ(南インドのすべての寺院のプロトタイプといわれる5種類の遺跡がある)も興味はあったのですが、なにしろ今回のインド滞在1ヶ月半の中で体感的にダントツで暑かったのがチェンナイとここマハーバリプラム、上記遺跡を巡ったあと海岸寺院で全エネルギー使い果たしたため、またいつか・・・と相成りました。ははは。

 

 

以下、チェンナイからマハーバリプラムへの私の行き方。
マハーバリプラムへは他にも行き方があるし、安全かつ楽なツアーもあるし、あくまで一例として。参考というよりは反面教師的な。

行き:CMBTバスターミナルから郊外のThiruvqnmiyurというバススタンドへ。そこからから188番のバスに乗り換えてマハーバリプラムへ。ただし188番は遺跡巡りの拠点となるマハーバリプラムのバススタンドまでは行かず、1km手前のジャンクションで降ろされたため15分ほど歩くことに。結局4時間くらいかかった。

帰り:マハーバリプラムのバススタンドから588番のバスでThiruvqnmiyurまで。そこから市バスでチェンナイ市内まで。宿に一番近いバス停留所をグーグルマップで確認し、そこで下車。

補足:CMBTからマハーバリプラム直行バスが出ているとのネット情報を仕入れ、自分の宿(Broad Lands)からは遠回りであるもののわざわざメトロでCMBTに行って言われるままのバスに乗ったら結局Thiruvqnmiyurで乗り換えでした^^;。チェンナイ鉄道駅より南側に宿泊している自力日帰り組は、Thiruvqnmiyurまで市バスなりタクシーなりで直接行った方がよいと思われる by 反面教師。

最近は、ローカルバスでも、容量が十分にあるSim持っていればネットを使っ
て地図アプリで位置やバスの路線を確認できるので、相当心安らかに移動ができるようになりました。旅的には少し味気ないかもしれないけれど、フットワークが軽くなるのは確か。まあ、帰りのバスでは、後ろに座っていたおじさまたちが逐一「もうすぐだよ」とか「ここだよ」と教えてくれたのでさらに鬼に金棒だったのですが。


 

 

 

 

さて、実はあと一箇所、Chaandaniyan & Mast maganソングに登場するチェンナイ郊外のThalankuppamの埠頭にもローカルバスを乗り継いで行ってみたのですが、諸事情により写真が撮れませんでした。

というわけで、2 states南インド編は、全体的にロケ地巡り的にはからぶり度合い強めとなりました。が、旅的には行く過程や人々との会話が楽しかったし、よしとします。

「諸事情」を以下にだらだら書いているのでお暇な方はどうぞ。


 

埠頭だけをみにThalankuppamの海岸へ。バスを降り、海岸に向かう小道に入ると、可愛らしい門構えの家々といかにものんびりした海辺の町の雰囲気。方向が一緒になった女の子がどうも案内してくれようとしているのだけど何しろ言葉が通じない。「ノータミル?(タミル語話せないの?)」「ノータミル(話せないだごめん)」。あとは「ビーチ?(に行くの?)」「ビーチ(そう)。ビーチ?(あなたも?)」「ビーチ(うん)」というビーチボールの投げあいだけで会話。女の子は海岸すぐ手前の家の子で、果物か何かおつかいをたのまれて買って帰る途中だったらしい。別れ際写真を撮らせてもらいにこやかに別れたけれど、この場所で撮影できたのはこの女の子が最後。

 

そのすぐ先にみえている海岸の前には禁止区域のサインがあり、そこにいた警察なのか管理会社の人だかに撮影禁止だと言われてしまう。それでも、一人目は、いいんじゃない?、という雰囲気だったのだけど、あとからでてきた二人目がだめの一点ばり。遠くの豆粒のような埠頭を指差しながら、遮断棒手前のここからも?ときいても、だめだという。こうなった時はねばっても無駄だし、ロケ地思い入れ的にもそこまでの労力をはかるほどではなかったので、了解、と帰りかけると、待て、入るのはいい、という。あ、そうなんだ。遮断棒をくぐろうとすると、しかし写真はだめだ、という。カメラをしまえ、みはっているからな、などと威嚇してくるので、めんどくせえなこれでいい?としっかりしまうところを見せて遮断棒をくぐり、同じく遮断棒のこちら側でぶらぶらしているおばあちゃん数人を横目に、海の中にぽつねんと佇む朽ちた骨格だけの埠頭を遠目で確認して、うむ、と数秒で戻る。

 

それで、あっさり撤収してチェンナイ行きバス停に戻ったわけだけど、喉がとても乾いていたので飲み物を買おうと売店を探す。すると、どした?なにかさがしてんのか?と近くで固まってごはんを食べていた地元の青年たちが声かけてきた。その中のリーダー格青年の弟が(お兄ちゃんに指図されて)私を店まで案内してくれる。しかし会話は成り立たず、再び「ノータミル?(タミル語話せないの?)」「ノータミル(話せないんだごめん)」。ヒンディ語はそれでもいざという時用の隠し技(?)があるけど、タミル語はまったく歯が立たない。

ともかくリムカを無事ゲットし、おにいちゃん仲間のいる場所にお礼がてら戻ると、どこからきたの?的なよくある流れの会話がはじまる。おにいちゃんズの英語は驚くほど流暢で、インド訛りもほぼない。この違いはなんだろうと驚くけど、よそに働きにいっているわけでもなく地元っ子だという。

「なにしにきたの?」ときかれたので「すぐそこの埠頭をみにきたんだけど、禁止区域だから写真だめといわれた」と告げると、「大丈夫だよ、写真とりたいの?」「でも禁止区域のサインもみたし・・・」「工場地帯だからね、だけど地元っ子の俺たちは問題ないから。写真とりたいの?助けいる?なら力になるけど」といわれる。少し考えるも「大丈夫、これもわたしの運だろうからあきらめるよ。ありがとう」といってことわった。理由は、多分この青年たちは大丈夫だろう、けれど万が一もあるしこれ以上長くなるとめんどくさいかな、という意識が働いたのと、「禁止」がグレーであってもそこまでして写真撮ったとしてもブログに挙げずにお蔵入りだろうしな、というのと、ロケ地的にそこまでの思い入れもなかったというのと。

でもそうやって断りはしたけれど、帰りのバスの番号わかってる?と最後までただ普通に親切なおにいちゃんズであった。握手してわかれ、バスに乗り込んだあともとびきりよい笑顔で送りだしてくれた。

 

ここからさらに余談。

チェンナイの人、あくまで短期間の滞在2回での現時点での私の印象だけど、英語に関しては北の人より発音がきれいな人が多い気がする。いわゆるインド訛りは北より激しくない。こういう小さな漁村での全く話せない人と話せる人の両隣感。チェンナイ市内では話せる人の割合が相対的に高い。

あと、普通の人の親切がとにかく自然。押し付けがましくない。道やバスの番号を尋ねたりといった時に特に感じる。バスが来れば、くいくいっと合図してくれるさりげなさ、バスの中でも親切をしたからというのでことさらに関心をよせてくるでもない、そりゃ多少はある、けれど、プライバシーにつっこんでくるようなことが他の地域に比べて劇的に少ない、自分の出番が終わるとすっと去っていく。笑顔が大きい人もいるけれど、特にさりげない系のおじは、なんだろう、感じよいんだけどほぼ無表情&笑、で手だけあげたり首をふってくる、それでおしまい。若者はもう少し表情豊かだしコミットもしてくる、けれどハンピのようなセルフィプリーズ部隊よりは、本当にただ、なに?困ってるの?という親切心に根ざしている感じ。弟を店案内にさしむけて、自分は座ってご飯食べてるままだったりするのもおかしいけれど、その適度な放置が私にとっては皆でこぞって寄ってこられるより好ましい。

親切がさりげなく、それが続くために思わずほろっときそうになる。その度合が他の地域より多い気がする。わたしは北と南どちらかを選べといわれたら、それでもめんどくさい北が好きと答えてしまう変人だけれど、南でほっとするのも確かなようだ。