シーン:5人衆、泳ぐ象に乗って脱出。
場所:エレファントビーチ in アンダマン・ニコバル諸島ハヴロック島, インド
Elephant Beach in Havelock Island, Andaman, India
2019年の旅ではアンダマン・ニコバル諸島行きもハイライトの一つでした。理由は言わずもがなの『落下の王国』全世界ロケ地制覇の野望。
アンダマン諸島に属するハヴロック島には幾つかビーチが点在しています。そのうちの1つ、エレファントビーチにはかつてラジャン(Rajan)という名の泳ぐ象がおり、ツアーのアトラクションとして島の呼び物となっていました。『落下の王国』で登場したのもこのラジャン。
島で最後の泳ぐ象だったラジャンは2016年に66歳で亡くなっており、もういないことは知っていたのですが、それでものこの映画のロケ地として絶対にはずせない念願の場所でした。なので、たどり着いた時には喜びもひとしお。
というわけで象の写真も水中の写真もなく、こんなビーチでしたよ、というだけの報告ですが、よかったらみていってちょう。
普通の海岸といえば普通なんですが、なにか原生林的というか、木々の形だったり、海水の色だったり、これだけおったらちょっとゾクリな謎の巻き貝集団がいたり、なにか生態系が不思議な気もする場所でした。
エレファントビーチへの(私の)行き方:
ビーチNo.7(ラドハンガー?ラダナガル?ビーチ/Radhanagar Beach)からローカルバスで山道入り口まで(10ルピー)。山道からビーチまでは往復ともに1時間半~2時間(通常40分程度)。
ハヴロック島の移動手段はタクシー、オートリキシャ、ローカルバス、バイク(近場なら自転車)のレンタルなどがあります。だいたいのビーチはこれらの乗り物で行って着いた先で降りればいいだけなんですが、このエレファントビーチはめんどくさい。車道からビーチに行き着くまでに山道を歩いて行かないといけない※。
で、その山道、普段は40分程度で行けるようなんですが、わたくし2倍以上の時間がかかりました。理由は前日の雨によるぬかるみ。と途中から降り出した雨。そんな日に行っちゃいかーん。や、滞在日数を無駄にしたくなくて、朝は晴れ間が覗いていたし大丈夫そうかなと・・・(言い訳)。
バスを降りるとすぐに山道入り口があって、入山者を記録する係の青年たちがおり、行っちゃって大丈夫かしら、とは一応聞いてみたんですが、まあこういうところは自己責任な場所ですからね・・・午後には降りそうだからそれまでに戻ってくれば大丈夫というゴーサインのもと、歩き始めると予想をはるかに上回るぬかるみ。足を取られて3回尻もちつき泥だらけになりました。最初は洋服の汚れを気にしていたのですがどうでもよくなったよね。
それでもビーチに到着し、そこで過ごしている間は晴れ間がのぞいていたのですが、正午すぎる頃には本降りへ。山道に向かう道はみるみる水かさがましていって道が見えなくなり、ざぶざぶももまで浸かりながらすすみ、そこにいたインド人カップルと助け合いながら山道入り口を見つけようと右往左往しているところに、幸い慣れた様子の地元の人が追いついてきて木の杖をゆずってくれ、そこからは誘導してもらいながら、なんとか戻ることができました。帰りは全行程裸足。むしろ靴もサンダルも足を取られてあぶないとアドバイスされ。
実際、ずぶずぶの泥につかりながら上り下りするには裸足と杖が一番安定していました。裸足で歩いたことで、どの色の土が滑りやすくどの土が深くはまりこみやすく、どの土が沈まずに安定的に支えてくれるかを学びました。あと木の葉が足にやさしいことも。ってそんなことを言っている場合じゃないって。実際ひとりだったら相当心細かったと思います。地元の人、本当にありがとう。
レインコートでカメラの入ったリュックだけは死守しましたが、全身くまなく濡れそぼり。そのままバスに乗って宿に帰り、シャワーを浴びて体をあたため、ようやくひとごこちつきました。そうして浴室から部屋に出てきたら、乾かすためにつるしていたリュックに旅の初日からつけていた6月に日光東照宮で買った透明な勾玉のおまもりが、ひもが切れてぽとんと下に落ちていました。さすがにちょっと、守ってもらったのかなと思った。まあ雨で接着剤が緩んで取れた可能性も大ですけど。
いずれにしても気をつけないといけないな。そんな少し反省した日でもありました。
アンダマン諸島へのアクセス、ハヴロック島の旅話などはまたあらためて。
※厳密に言えば海からスピードボートで行く方法もあるようですが選択肢になかったため割愛。
下記記事に、ハヴロック島で泳ぐゾウがアトラクションとなっていた歴史やラジャンが島に来た(戻ってきた)経緯が書かれています。
最後の泳ぐゾウであったラジャンはそれまでも写真集やCMなどの撮影に出ていたようですが、一躍有名になったのはやはり『落下の王国』がきっかけであったようです。一時はハヴロック島の代名詞ともいうべき存在になっていたとか。撮影後の身の上に関しては調べているうちにさまざまな感情がわき起こりますし、各記事のトーンによって扱われ方は違うように感じますが、いずれもラジャンにしかわからないこと。少なくとも海を泳ぐことは好きだったのだろう、か、だったらいいな。