『バレーリーのバルフィ』の舞台でインド菓子を食べまくった話。

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ロケ地-インド

 

インド/パキスタン/インドネシア旅2019(旅程はこちら)。
ロケ地巡り更新、1作めはこの映画。

 

『バレーリーのバルフィ』
原題:Bareilly Ki Barfi
監督:アシュヴィニー・アイヤル・ティワーリー
出演:アーユシュマーン・クラーナー、クリティ・サノン、ラージクマール・ラーオ他
公開:2017年8月 (インド)、2019年11月(日本)

ストーリー
バレーリーに住むビッティは、酒も煙草も嗜む闊達な女性。母親から結婚を催促される日々にうんざりしたある日家出を企てるが、電車の中の暇つぶしにと駅の売店で購入した『バレーリーのバルフィ』というタイトルの小説を読むうちに、主人公が自分にそっくりであることに気づく。自分が受け入れられていると感じたビッティは家に戻り、小説の作者を探し始める。つきとめた本の印刷会社にいたチラーグは、自分は作者の友人だとビッティに告げるが、実は彼こそが小説を書いた本人。失恋の痛みを癒やすために書いたものだったが、元カノにばれないよう気弱な友人プリータムの名前を作者名に使い出版したのだ。ビッティは、唯一の買い手が自分ということを知らないまま、プリータムに会わせてくれるようチラーグに頼むが・・・

 

 

ジャンルでいうとロマンティックコメディ、コメディ部分がこれがなかなかに秀逸で、ロマンティック部分も切なく、観賞後好きな映画のひとつになりました。主役のチラーグを演じたのは、先月11月15日に公開された『盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~』で盲目のピアニストを好演したアーユシュマーン・クラーナー。

アーユシュマーンはここ数年のボリウッド映画を背負って立つ若手俳優の中でもいまや紛れもないトップの一人。先月公開されたインド映画の枠にとらわれない『盲目のメロディ』をごらんになった方ならうなづかれる方も多いのではないでしょうか。

ロケ地巡りの動機は、わかりやすくもそのアーユシュマーンにはまって彼の出演作を観ていった結果ですが、そのへん話すと長くなりますし、え、あなたあの人やその人でも巡ってなかった?といったツッコミに関しては、私の愛はアガペーだから、というひとことでケムに巻いて本題に入ります。

Bareilly ki Barfiというのは、映画のタイトルであると同時に作中作のタイトルでもあり、なおかつ実在するインド菓子(ミターイー)の名称。ということを知ったのは、ネットやメイキングで事前ロケ地調べをしている途中でした。

When Ashwiny came to Bareilly, she tried Bareilly’s barfi and Ram Bharose ki chaat, and really loved it, and apparently that’s how the title for the film was decided. A recce of sweet shops was done in Bareilly’s Civil Lines and Biharipur Dhal, and the team loved barfi and milk lauuj. “They liked it so much that Bareilly ki barfi ke two-three boxes Lucknow bheje gaye for Ayushmann,?Rajkummar and Kriti,” shares Rajesh.

 The Times of Indiaの記事より抜粋

ロケ地を探してバレーリーに来た監督が”Bareilly ki Barfi”を食べて気に入り、タイトルに使うことに決めたのだそう。

この映画の舞台はバレーリーですが、主要なロケ地はバレーリーから西に240キロ離れたところにある都市ラクナウ。上記記事によると、バレーリーに空港がないために、バレーリーとしてラクナウを撮影地に選んだのだとか。

ラクナウも映画の中でラクナウとして出てきたりするから映画のロケ地と舞台の関係はややこしいのですがそれはおいといて、じゃあバレーリーは行かなくてもよくない?とも思ったのですけど、ラクナウにはどっちみち他の目的もあるから行く、バレーリーはデリーとラクナウの中間、行かない手はない、というか行ってみたい、ということで、それではバレーリーでバルフィを食べよう、とこじつけ思い立ちました。

 

オールドデリー駅早朝発の電車で約7時間、バレーリーシティ駅に到着。

ホテルに着いてさっそくレセプションでおすすめのお菓子屋さんを聞いたところ、バレーリーの中心地にある人気のお店の名前を2つ教えてもらいました。KippsとGlory 。ホテルが中心部からやや離れていたこともあり、オートリキシャーで向かうことにしました。

Visited after watching "Bareilly Ki Barfi" as a fan of Ayushmann Khurrana

Tried the barfi after watching "Bareilly Ki Barfi" at the mithai shop in Bareilly.

Kipps Sweets & Super Market。その名の通り横にスーパーマーケットが併設されています。

シビルラインズ(Civil lines)にある、と最初聞いた時はメトロかなにか走っているのかと思ったけれど、小さい町バレーリー 、そんなわけない。そういう地名なんですね。上記引用記事にも、監督やスタッフがお菓子を食べたのはシビルラインズにあるお店と書かれてあるので、もしかしたらこのKippsだったのかも。

 

Tried the barfi after watching "Bareilly Ki Barfi" at the mithai shop in Bareilly.
Visited the mithai shop in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".
Visited the mithai shop in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

バルフィというのは、コンデンスミルクと砂糖を主材料とする、代表的なインドスイーツの一つ。英語版Wikipediaによると、名前の由来はペルシャ語の雪を意味するbarfだそう。

Visited the mithai shop in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

 

Visited the mithai shop in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

Visited the mithai shop in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

インドスイーツは総称してミターイーと呼ばれますが、バルフィ以外にも、原材料や製法によって実に様々な種類があるようです。

今までもオレンジ色のジャレビやグラブジャムン系のシロップじゅわっじゅわのお菓子は店頭でいくつか選んで試したことはあったのですが、他のお菓子については、耳年増のませた子のごとく知識と経験が一致していませんでしたので、これを機に食べ比べすることにしました。

Tried the barfi after watching "Bareilly Ki Barfi" at the mithai shop in Bareilly.

店員さんのアドバイスを聞きながら、おすすめされるものや自分の目を引いたものをどんどん頼んでいたら、バレーリー・キ・バルフィを味見させていただきました。う、う、うまいじゃないか!濃厚でコクがあるのに繊細で、なんともくせになる味。これは、監督が気に入るのもわかる。

 

バレーリー・キ・バルフィの名のついた銀箔が上にほどこされたひし形状のお菓子は、「バレーリーの」じゃないバルフィとしてもみたことある気がするのですが、ここが発祥の地ということなのか、それとも各地にこの形状を「オラが村の」バルフィーと名付けたものがあり、バレーリーのが有名ということなのか。そこ聞かな自分(汗)。ご存知の方がいたら教えてください。

 

 

Visited mithai shop in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

さて、もう一つの店Gloryもせっかくだから行ってみたかったけれど、1日弱の滞在では時間もないし、ホテルに帰って試食タイムをしなきゃ、と、オートリキシャでホテルに戻りかけていたところ、途中でお店を発見、急きょ料金を上乗せしてに待っていてもらうことにして、立ち寄ることにしました。

 

Visited mithai shop in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

ここでも、バレーリー・キ・バルフィを試食させてもらいました。うん、ここも間違いない味。Kippsのに比べるとやや素朴かな。

 

Visited Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

 

Visited Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

 

Visited Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

さて、ホテルに帰ったあとは、試食タイム。

 

Tried the barfi after watching "Bareilly Ki Barfi" at the mithai shop in Bareilly.

 

Tried the barfi after watching "Bareilly Ki Barfi" at the mithai shop in Bareilly.

箱にぎっしりで140ルピー。

 

Tried mithai  in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

 

Tried mithai  in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

 

Tried mithai  in Bareilly after watching "Bareilly Ki Barfi".

白いのはミルクバルフィ、意外に塩気かんじる。これはこれで味が引き立つ。思ったより水分ない。

黄色ののひらべったい、上にピスタチオとかアーモンド乗ってるやつは中が少しサクッとした食感。

銀箔がはってあるなんたらロールは、中の黄色いのがザ・インド!のにおい。

同じく銀箔がはってある四角い黄色いのもやはりコクありの程よいみっちり感、で、やっぱりザ・インド!のにおい。これなんだっけ?ジャスミン?マリーゴールド?サフラン?とにかく街でよく嗅ぐ匂い。

茶色い四角いのは、デーツ?イチジク?の甘みとナッツ。甘くてもむしろ自然な感じでヘルシーっぽい。

茶色のおすすめしてくれた小さいドーナツっぺいやつは見た目に反して甘くなくて食べやすい。

黄色い四角いうねうねをねりだしたようなやつはサツマイモとか栗っぽい食感。

以上、その時の感想をそのままのせました。語彙に甚だ問題がありますが、気にしーないっと。

全体的に、どれひとつとしてこれは無理というのがなく、Kipps箱完食。さすがにお腹いっぱいになり、インド初日のディナーはお菓子で終了となりましたが(正確には翌日のお昼までかかりました)。確かに甘いは甘いけど、ぷるっとくるシロップ系よりはどれも上品。甘いけど甘すぎない。和菓子好きな人は絶対すき。お抹茶にめちゃあいそう。

Gloryでも上記バレーリー・キ・バルフィと同じ写真の右にある茶色のお菓子も買ったのだけど、お持ち帰りしたもの写真撮り忘れました。原材料はダール(豆)といっていたけどなんの豆だろう。

2つの店を比べるなら、味も雰囲気も洗練されているのはKippsの方だった気がします。とはいえ、Gloryも全然おいしかったし、なによりローカルな気さくさで迎えてもらえて、店員さんとの会話も楽しく、立ち寄ってよかった。空気読まない系旅行者として『バレーリー のバルフイ』観たから来たの♪と頼まれてもいない告白をしましたが、嫌がられることなく、どころかお店の空気が二度上がって女の子の笑顔も声も大きくなったから、こういうところが本当好きインド人。

Kippsも、もちろん人の感じはよく、お菓子の名称をメモに書いて、という厚かましいお願いにも気軽に答えてくれました。解読に時間は要しましたが。そして結局今もあまり味と名前が一致していませんが(頼んだ意味)。

 

・・・映画そっちのけにお菓子の話ばかりですみません。

が、映画の中でも、Bareilly ki Barfiそのものは出てきてなかったような気がするし(見落としだったらすみません)、お菓子は実のところそこまでフィーチャーされていなかった気はします。ビッティの父親がミターイーワーラー(お菓子屋さん)ですし、 いい雰囲気の2人が誕生日にお菓子にロウソクを立てて祝うスイートなシーンも出てきますが、お菓子はどちらかというと甘いものという概念的象徴的な使い方で、監督の「このお菓子気に入っちゃったからタイトルにしようっと」が最初にありきのこじつけな気がしないでもない(コラ)。

ですが、小説や映画などというものはそのピン!から何をつくるか、つくったものでいかに受け手を満足させられるかですから・・・私は満足したので問題なしです。

それにしても監督、バレーリー ・キ・バルフイ箱買いしてラクナウで撮影中の俳優3人に届けたそうで、どんだけ気に入ったんだっていう。メイキングでも俳優/スタッフも食べすぎてもう結構ですの表情。けれど、映画の中では、お菓子に限らずものを食べるシーンがなんだかすごくおいしそうでした。

次、ラクナウロケ地巡り編に続きます。

 

おまけ(という名の反省点):
旅中のメモにこう書いています。「バレイリーでの目的はバルフィを食べることとどんな町かみること」。しかし、1日弱の滞在では「どんな町かみる」はさすがに厳しかったですね・・・。あとで、この映画で気弱な友人プリータムを演じたコメディパートの立役者!?ラージクマール・ラーオの出演作『アリーガルの夜明け』もバレーリーで撮られたと知り、残念度増し増しだったのですが。しょうがないね。

おまけ(という名の反省点その2):
さくさく更新していきたいのに、さっと更新し終わって冬眠に戻りたいのに、初っ端から(自分にしては)長い記事書きおって、今後のハードルがあがってしまったではないか・・・今後は軽くいくこと!軽く!すっきりと!ミニマリストで!(多分むり。