出版後日譚:反省点。

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本を出版した話

 

前回までは、出版にこぎつけるまでの過程を書いてきました。今回は、出版後の反省点です。

反省ということはつまり。発行部数がささやかであるうえに増刷なし。初版でとまってます。つまりそういうことです。売れなかったのである。ははは。

ははは、じゃないから。

一応まだ絶版のお知らせは来ていないのですが……といって今、アマゾンを確認したところ、この体験談を書き始めた1週間前までページはあったのですが、今みるとなくなっているので(※)、いよいよ絶版かもしれません。こういうタイミングで体験談を書く、っつーのも、なんというかまあ私よ……なんですけど。

なので、もしもし仮にお買い求めくださろうという心優しいお方は、問い合わせいただくか、どこかの書店にうっかり残っている宝探しに出かけていただくか、自分で言うのもあれだけど中古でお求めいただくかしかないのかな、というところです。

さて、売れなかった原因ですが、内容については、ここで自分ではダメ出しはしません。長旅をひとつの物語のように体験できるよい本だと思うんだけどな、とはせめて自分で書いておくけれど、10年以上前の旅の話だし、出版ももう7年前、どんどん新しくてよいものが出ていますし、口コミで広がるような、とびきり人目を引く本ではなかったということだろうと思います。

それを踏まえたうえで、反省点をいまさらながら書くなら、これは一にも二にも、自分の宣伝ベタということにつきると思う。個人でできる宣伝がもっとあったんじゃないか。正直、売り込みをする時よりも、出版後の宣伝で、自分の苦手意識が一番出てしまった感じです。

 

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1.書店めぐり

まず、持ち込み出版社候補リストを作ったように、神奈川と東京のめぐり候補書店リストを作り(すぐリスト化する人)、平積みしてくださっていれば堂々と、棚に一冊でもあればおずおずと、店員さんに声をかけて事情を説明し、手書きポップを押し付、あ、いや、渡すか、自ら飾らせてもらうということをしました。でも、一店一店をまわりながら現実的でないと感じたし、実のところ精神的にきつくなってしまい、一週間ほどで根をあげてしまいました。

 

2.個人ブログでの紹介

他に個人でできることといえば、ブログを持っていればそこで宣伝する、でしょうか。もちろん告知はしましたが、まず世界一周時に書いていたブログが人気ブログでもなんでもなかったうえに、更新が途絶えてしばらくたったタイミングでの告知でした。

加えて映画のロケ地めぐりに関するブログを別途新しく始めていた(※※)のですが、カラーが違うし、と自分で勝手に自制して、ごく控えめな告知にとどめてしまった。ただでさえ少ない宣伝の場所なのに、わけのわからない遠慮だったと我ながら思います。

 

3.スタートダッシュ

多分一番買っていただけたとすれば、確実ではないですが、故郷の下関だろうと思います。山口新聞の方に取材していただき、とてもしっかりした書評を書いてくださった。一度だけ小さなトークの場を設けていただいたこともあります。やはり家族や知り合いがいたことは大きいと思います。その節はありがとうございました。

あとは、なぜか四国の某県のラジオ局で取り上げていただき、著書紹介で声だけ出演させていただいたこともありました。さらに出版直後は、一瞬だけ台湾で翻訳される!?みたいな話も持ち上がったりしました。あ、そうそう、同イカロス出版から出ている『世界一周女子旅Book』という本の中で『恋する世界一周』の著者窪咲子さんと対談させてもらったな。

窪 咲子『恋する世界一周

でも、それくらい。出版して2~3ヶ月が重要、という話は、出版後ちらほらとアドバイスいただいていました。ですが、あれよあれよと、過ぎていくのを見送ってしまった感じです……。

とにかく、全体的に、根底に人に自分の成果物を勧める、または勧めてもらうことを人にお願いする、ということに対する苦手意識が前面にでてしまった。そんなこと言ってる場合じゃなかったのにね。本を出すと決めたなら、そこまで覚悟しないといけなかったのだろうと思います。

特に、今、時代は、電子であれば自力での出版も可能になりました。でもそのかわりに、より個人にかかる負担が大きくなった。コンテンツの質が第一ですが、その上で宣伝力も要求される。近年は、Twitterのフォロワー数やどれだけのインフルエンサーかで決まるというような話も聞きます。今後ますます、出す前にすでになんらかの吸引力がないと売るのは難しい時代に突入した感があります。

内向型が本を出すのは厳しい時代だなあ‥‥‥だからこそ、人の力を借りる力も必要なのかもしれないですね。はああ。って、あなたこの期に及んでまた本を出すつもりなんか、というと、そんなわけはなく(少なくとも直近ではね)、あくまで想像上でのため息なわけですが、反省点とともに今後の課題として書き留めておきます。

最後に。もし拙著を購入してくださり、今ここにたどり着いてこの記事を読んでくださっている方がいるなら。

あなたがもし、読んで、少しでも旅に出たい気持ちになってくれていたら本望です。ご自身の旅を「自分の時はこうだったなあ」と思い出したり、自分も何か書きたいと思ったり、少しでも何かをぷくりと生まれさせてくれていればうれしいです。読んでくださり本当にありがとうございました。

 とほ

p.s.
noteで記事を取り上げていただいた吉隠ゆきさんの記事を貼っておきます。その記事に合わせて、見出し画像は、マダガスカルのバオバブ街道を選んでみました。バオバブ街道は、旅中に息を飲んだ大自然の中でもとりわけ印象に残っている風景のひとつです。ゆきさん、コロナが落ち着いたらいつかぜひあのさかさまの木を見に行ってみてください。

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※←うそでした。ありました。ただし、やはり「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」になっているので、購入くださる場合は、お手数ですが上記手段のいずれかをご検討ください。(2023年4月追記:現在在庫切れとなっております)

※※「ロケ地巡りブログ」はこのブログに統合しました。

 

 

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