ブログ上では、再びパキスタンからインドへ、さらに旅の時系列をさかのぼってグジャラート州アーメダバードに戻ります。
アーメダバードから行ける階段井戸1: アダラジ・ヴァヴ/Adalaj Vav
『ライース』
原題:Raees
監督:ラーフル・ドーラキヤー
出演:シャールク・カーン、マヒラー・カーン、ナワーズッディーン・シッディーキー他
制作国:インド
公開:2017年3月 (インド)
禁酒法が制定されていたグジャラート州を舞台に、酒の密売でのし上がっていく男の半生の物語。私はNetflixで観ました。
主演はシャー・ルク・カーン、私は特別に好きな俳優さんというわけではないのですが、一番好みの見た目を選ぶとしたらこのライースです。目のうるんだ黄金期より渋枯れたシャールクさんの方が好きなので、このライースのアイラインで縁取られた眼光するどい目と多めの髭には、あら、ちょっといいじゃない?となりました。
見た目だけでなく話も渋い。ライースは商売人であり悪人なのだけど、義賊的なところもあり、人物像がしっかり作り込まれていることもあってか魅力的、ライースを執念深く追う警部役はナワーズッディーン・シッディーキー、役に不足なく、絶妙にいやあな流れを作ってくるのですが、ライースに思わず肩入れしながら観てしまいます。ラストは、え、え、となりましたが、まあそうなるしかないのかな。納得行くような行かないような、せつないです。
アダラジの階段井戸は、挿入歌Halka Halkaの中で出てきます。恋人のちに妻のアーシャ(マヒラー・カーン)とのぴゃーるな舞い。
打ち明けますが、挿入歌どんぴしゃな写真はあまり撮れていません。例によって数撃ちゃ当たる方式で撮りまくってきた中から選びました。
この階段井戸は、次に紹介するラニ・キ・ヴァヴに比べると少ないものの、精巧な装飾が随所に施されています。そこにいた勝手ガイドのおじちゃんの話では、ヒンドゥ様式とイスラム様式の融合とのこと。
アーメダバードから行ける階段井戸2: ラニ・キ・ヴァヴ/Rani ki vav
順番としては三つのうち一番最初に行った階段井戸。敷地に入り、ぱっと目に入った瞬間の華やかさや彫刻の精密さにかけては、さすが別名「女王の階段井戸」と言われる貫禄がありました。これぞヒンドゥ装飾。11世紀に建造されたこの階段井戸は2014年に世界遺産に登録されています。
アーメダバードから行ける階段井戸3: ダーダーハリの階段井戸/Dada hari ni vav
無料だしアーメダバード旧市街から一番近いしとなめてたら(コラ)、彫刻の精密さは劣るものの、階段井戸の深さや規模は、個人的にはアダラジよりずっとすごいと感じました。装飾が少ないのは、偶像崇拝を禁止するイスラム文化が入ってきた後に建設されたものであるためだそう。構造はアダラジとよく似ていて、Raees、ここで撮られたといわれても信じたかも。陽が暮れる少し前で、人も少なく、不思議な静謐さを感じられ、一番好きだったかもしれません。
これは・・・ラジャスターンのサティ(ジョーハル)のあの手形とはまた違うのでしょうか。
その他、今までに行った階段井戸。
ジャイプル近郊のチャンド・バオリ/Chand Baoli。
デリーのアグラセン・キ・バオリ/Ugrasen Ki Baoli。
今回の旅で行ったラクナウにもありました。イスラム教シーア派の施設バーラ・イマームバーラ内にあった階段井戸。構造はアグラセン・キ・バオリ型。
ちなみにヴァヴもバオリも階段井戸のこと。ヒンディー語でバオリ、グジャラート語でヴァヴ。英語ではStepwell。
こうして見ると結構行ったなあ。階段井戸制覇めざしたくなるな。これも行けるようになった時の目標にしておこう。