だれもがロードムービーの主人公。

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映画語り

 

私は旅をする人かつ映画をよく観る人である。その組み合わせからすると意外かもしれないが、ロードムービーがとりわけ好きというわけではない。

まずロードムービーだから観よう、はない。どちらかといえば観た映画の中にとても好きな映画があって、そうかこれもロードムービーといえばロードムービーだな、とあとからくる感じ。好きになった人がたまたまロードムービーであっただけ、みたいな。ロードムービーは人ではありません。知ってます。

むしろ白状すると、昔は、なんかあちしロードムービーって好きじゃない、と思っていた時期すらあった気もする。とくに理由なく。理由なくと書いたけど、多分いくつか食べたロードムービーがまずかったんだろう。おいしいやつを食べたことなくて、ロードムービーはまずい、と思っちゃったんだろう。ロードムービーは食べ物ではありません。知ってます。

今となっては、そこそこ観ていると思う。好きな映画も多い。

Twitterの映画界隈では、その年に観賞した映画から年末にベスト10を決めたり、なんらかのお題にそって10本選んだりということがよくあるのだけど、人様のは、それをきっかけに観たい映画がみつかったり、なるほどお、ふふふ、と楽しませてもらっているくせに、自分はとなると10本選んだり順位を決めたりという行為が本当に本当に苦手で、考え出すと頭ちりちりしてくるので、普段はそっと身をひそめている。

したがって、タグもあまりのることはないのだけど、この「#好きなロードムービー10個をあげると人柄がばれる」はめずらしくのってみる気になったお題だった。どうですかね、人柄ばれてますかね。

とはいえ、いざ選び出すとあれもこれもと出てきて、課長がこれはロードムービーではないと弾いた映画を部長がむりくり上位に割り込ませてきたり、あれがランクインしてこれがだめなのなんでですか不公平!と挙手する学級院長がでてきたりして、脳内会議がうるさいことこの上なかった。

その過程で、はて、ロードームービーとは、と根本的なところで立ち止まってしまった。今も立ち止まったままかもしれない。長い道のりを旅する要素がでてくると、簡単にロードムービーと紹介しちゃうけど、それで合っているの?何をもってロードムービーというの?

ネットの海を泳げばきっときちんとした定義は落ちているのでしょうけど、あえて取りに行かずに、このまま自分にとってのロードムービーをこねくりまわしてみる。

長い道のりを旅する要素、と書いたものの、たとえば『星の旅人たち』は、徹頭徹尾「道」、原題もThe wayにもかかわらず、私の中ではロードムービーの範疇に入っていない。カミーノはカミーノ、巡礼という別の強い要素があるからだろうか。

別要素が強くなりすぎるとだめなのかしら。旅要素が強すぎるとそれは旅映画となり、ロードムービー枠からはずれる気もする。でもなあ、イントゥ・ザ・ワイルドなんかは旅要素強いと思うのだけどランキングに入れてしまっているなあ。

道幅?確かにルート66を疾走する映画はとんでもないロードムービー臭を漂わせている。アメリカの原風景もセットになると怖いものなし。となると車やバイクは必須?

歩くのがだめなのか、と思ったけど、ダウンバイローはオーケーみたいだ。
上記に入れてないけれど、赤い髪の女の子が走りまくる映画も私の中ではロードムービーの範疇に入っている。

非常にざっくりだけど、人生のある時点で変更やUターンや加速を余儀なくされるとか、予定になかったできごとに奔走するはめになるなどの不確定要素が必要とか・・・でもなあ、なーーーんも起きない映画もある。しずかな、眠気を誘うような。でも終わってみるとそれがまたよかったりして。

だめだ、この粘土はこねくりまわしても形にならなさそうです。

道がある。
人がいる。
何か起こる。

以上。

でいいんじゃないかな。でいいことにしよう。

道があって、人がいて、たまに宇宙人とかもいて、何か起こる映画はすべてロードムービー。何も起こらないまま終わる映画もあるけど、「何も起こらない」も起こることの一つなのでOK。

外国で独身最後のドライブを謳歌する彼らも、犬を相棒に旅するおじいちゃんも、アメリカ横断するドラァグクイーンも、病院を抜け出して海に向かう男二人組も、短パンTシャツ姿で「だり~」とつぶやきながらたった今たばこを買いに100メートル先のコンビニに向かっているあなたも、

路上にいる以上、どこかに向かいながら生きている以上、みなロードムービーの主人公です。

とほ

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