昨日の「川」からまた連想ゲーム。
川で思い出す映画といえばイーサン・ホーク主演の『生きてこそ』(1993年)。南米ウルグアイの学生ラグビーチームの選手たちを乗せた旅客機がアンデス山脈に墜落し、72日後に生還した実話に基づくストーリー。川が舞台の映画は他にもたくさんあるけれど、この映画でイーサン・ホークに落ちたのと(はは)、川がどこかにつながっていることを明確に感じさせる点で。
ただイーサン・ホーク抜きにしてもこの映画は当時深く心に残る映画になり、エンディングに流れるシューベルトのアヴェ・マリアとともに映し出されるブラジルのコルコバードのキリスト像をいつか見に行きたいと思った。
私の映画ロケ地/舞台巡り衝動はそこそこ古い。
今でこそロケ地巡りをテーマにしたブログも7年目になり、こりもせず毎年せっせとどこかしら海外に行き続けているけれど、「旅行」ではなく「旅」が身近になるのが私は遅めだったので、20代の頃に見た映画は、なんとなく映画を見ながら「いいなあ、ここ行ってみたいなあ」が浮かんでもリアルではなかった。
一番始めにロケ地巡りを明確に意識して旅行したのは20年前、フランス、パリ。『ポン・ヌフの恋人』のポンヌフ(9番目の橋)。今考えると観光地オブ観光地、行き方的にはほんに簡単な場所なんだけど、いざ目の前にした時には、ここだあ・・・とめちゃめちゃ感慨深かった。あとモンマルトルにある『アメリ』のCafe des Deux Moulins。
本当はこの頃、狂おしいほど好きだった『ベティ・ブルー』のパリのアパルトマンの場所にも行きたかったのだけれど、今みたいに情報を得る方法も少なかったし、この時がひとり旅初めてで、昼間でも体ぎっちぎちにして歩いているほどだったから、とてもじゃないけれど探し出すなどという芸当はできなかった。
次に行ったのはアメリカ、サンフランシスコ。この時は巡りというか、1ヵ月というごく短期の語学留学での滞在だった。サンフランシスコを選んだのは当時好きだったキアヌ・リーブス主演の『スウィート・ノヴェンバー』の舞台だったからというのが大きく関係してる。いいですか、みなさん、おいおいわかってくると思いますけど、この人、かなりミーハーです。
ようやく決断して実行した十年前の世界一周旅では、南米のチリのバルパライソという地を訪れた。リドリー・スコット監督『白い嵐』という映画をみたからだった。ただこれも『生きてこそ』と同じく作中ではなくエンディングで流れたスティングの『Varparaiso』にめちゃめちゃ心揺さぶられたから。それだけの理由で。
実は先のコルコバードの丘にはまだ行けてない。1年4ヵ月のうち南米に割いたのが4ヵ月、駆け足過ぎて広いブラジルは無理だまたいつか・・・と泣く泣くあきらめた。
『生きてこそ』も『白い嵐』も観たのは20代の頃だ。考えたら『白い嵐』も『生きてこそ』と似た実話に基づく話で、この頃こういう映画がはやっていたのだっけ、と思ったけど、それもあるかもしれないけれど、2つとも南米であるのは偶然じゃなかった。十代の頃から興味あった場所が中南米、なかでもアンデス地方、特にペルーだったのが多分おおいに関係している。私が初めて行った国もペルー。ただしその旅行はロケ地巡りのロの字もなかったけど。
ともかく、バルパライソという地名はそれ以降40手前で世界一周旅に出るまでずっと内側に密かに留まり続け、南米の残り期間が限られた中で、私をしてその地に向かわせたのだった。
その旅の間は、他にも幾つかの国でロケ地巡りをした。この時に自分旅企画として本格的にやってみて、帰国後も旅を年1回1~2ヵ月する生活を続けよう、その時のテーマはロケ地巡りにしよう、と決めたのだった。で、今にいたる、と。
先のブラジルもそうだし、中国の『中国の小さなお針子』の舞台とか、『落下の王国』ロケ地世界制覇の野望とか、まだまだ行ってなくて行きたい映画関連地があとに控えている。最近はインドという国とインド映画が自分の中で定着して久しく、その関連でも訪れたい場所が減る気配がない。
正直いうと、映画観て、候補地のデータ集めて、帰ってせっせとブログに書いて、というのがせわしなくて、いい加減そろそろゆったりした何も企画しない旅をしたい気持ちも出ているのだけれど、まあ興味が向いているうちは、気がすむまでは、行ってしまうのだろう。
とはいえ、今の状況が落ち着き旅ができるようになったら、だけど。本当いうと、ラスボス的に取っておいた某国でのロケ地巡りを来年あたり予定していたのだけど、今はしょうがない、様子見ですね。あと旅とは別に海外滞在計画もあったり・・・これもまあ様子見です。また自由に行き来できるようになったら。
と、ここで突然宣伝ですが、実は上記した「世界一周旅」について、6年前になりますが本を出しており、ロケ地巡りについてももう少し詳しく載せていますので、ちょっと興味ある、読んでやってもよい、という方、もしいらっしゃったら手に取っていただけるととても嬉しいです。
写真も載せていますが、一冊に世界一周分詰め込んでいるせいで文字がやたら多いです。ので活字好き旅エッセイ好きな方向きかな。
本を出版した経緯などもいつかどこかで書きたいなと思っていたので、そのうちここで書くかもしれない。