カミーノ後旅日記:カルモナでカミーノ再び?編

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欧州旅

スペイン滞在もいよいよ最終、セビージャ3日目は近郊の村カルモナへ。目的は一にも二にもひまわり畑。出発前にアンダルシア地方について調べていた時に、セビージャに行く時期がシーズンの限られているひまわりの開花期にちょうどあたると知り、楽しみにしていたのだ。そういうわけで、サンセバスチャン駅前朝8時25分発のM-124というバスでカルモナへ。片道2.85€、1時間の道のり。

今回は同行者がいた。カミーノで出会った韓国系アメリカ人のデレク。彼もカミーノ後に旅を続けているひとりで、ポルトガルをくだってきて偶然同じ日にセビージャに到着しており、せっかくだからランチでも、という流れから、カルモナという手もあるよ、と私が誘ったのだった。

「泊まってるホステルで昨日、カルモナにひまわり畑をみに行くことを人に話したら、<ひまわり畑が日本人に”なぜか”人気>という動画見せられたよ」とバスの中でデレクがいった。

実は私も前日に一応ツアーなどもないかネットで調べていた時に、似たような英語の記事をみつけて読んでいた。どうもカルモナにひまわり畑目的で行くのは日本人(か韓国人)ぐらいらしい。実際ツアーも、あるにはあったけど、日本の旅行会社主催のものくらいだった。

わたしの場合は、イライジャ・ウッド主演の『僕の大事なコレクション』という映画に一面のひまわり畑が出てきて目を奪われたのがきっかけで、でもその映画の舞台はウクライナで、いつか行けたらいいけど保留中、ひまわり畑はスペインにもあるのか、それじゃあまずそこに行ってみようか、という流れだったのだけど。日本でのもともとの人気ってなにきっかけなんだろうな。CMとかドラマ?

ともかく、ツアーは正直とても高く、ひまわり見たい、見たいけどそこまで出すほどじゃない、と却下、距離的にタクシーでもそこまで高くなることはないだろう、徒歩で行けなくもなさそうだけどどのくらいの範囲で咲いているのかいまいちわかってないし、効率的にここはタクシーチャーターにしよう、と決めたのだった。

そういうわけで到着後、さっそくタクシー乗り場に向かったのだけど。タクシーいない。待ってどくらせどこない。カミーノ後の私たちが歩く相談を始めるのに時間はかからなかった。

けれど、グーグルマップを確認しながらも、少し離れたところで同じようにタクシーかバスかを待っているらしい人のことが気になっていた。なんかあのオレンジ色のバックパック、見覚えあるんだけど。もう一度その人を見る。と、バスが来るか確認するこちらに向いた顔に、やっぱり!

「もしかしてカミーノで・・・」
「あ!」
「ですよね!?」

サンティアゴ到着間近の町パレス・デ・レイのアルベルゲで会った日本人Tさんだった。

「いや〜、全然わかんなかったよ〜」。無理もない。まさかわたしもこんなところで会うとはびっくり。しかもカミーノ参加者がこんなサンティアゴから離れたところで3人。こういうことがあるから旅っておもしろい。

それにしても。日本人がカルモナにいる、ということは。「ひまわり畑、行きました?」

答えはひとつであり、数分後、わたしたちはグーグルマップよりなにより的確な手書き地図を手に、ひまわり畑に向かって歩き始めていた。




ひとつだけ残念だったのはその日がザ・曇!天!だったことだけど、ひまわりスポット自体はどんぴしゃな場所を見つけられて、あほなほど写真を撮りまくった。特に予定のない旅ということで誘いに気軽にのってくれたデレクも。 「日本人はクレイジーだってsnsとかに書かないでね」というと笑っていた。

往復合わせて4kmほど、場所を探し当てるまでに1〜2kmくらい歩いたのかな。最初はお互いのカミーノ体験やサンティアゴ到着後の心境なんかをあれこれ話していたのだけど、帰り道はいつのまにかもくもくと歩いていて、「今なんかカミーノモード入ってたわ、こう、思考をシャットダウンして」「わかる、わたしも」などと言い合った。「フィニステーラまで歩いて、歩ききった、ここがゴールだ、と思っていたけど、また歩けそうな気がしてきたよ」。

デレクはあと数日スペインにいて、その後ギリシャに向かうらしい。わたしも翌日の朝、次の国モロッコにフェリーで渡るためにバスでアルヘシラスに向かった。

※モロッコ渡ったところまで書くつもりだったのだけど、長くなったので一旦きります。

おまけ:
そのモロッコで、バス移動中に、カルモナの比じゃないほどの壮大ひまわり畑を目にすることになるのですけどね・・・。