日本食材を買いにグルガオン遠征した前回の記事の中で桃源郷という言葉を出してしまったせいで、この一週間ずっと脳内BGMがガンダーラだった徒歩です、こんにちは。
ガンダーラ、ゴダイゴはThey say it was in Indiaと歌っていますが、地理的には現在のアフガニスタン東部からパキスタン北西部にあるペシャワールにかけての一帯をさすようですね。が、少なくともパキスタンは古代はインドだった領域なわけなので、歌詞もまちがいではないのですよね。
ガンダーラが桃源郷かはともかく、そんなふうにして脳内お花畑状態が一週間続いたせいで、世界に桃源郷はどれくらいあるのだろうか、そもそも桃源郷の定義は、桃源郷と理想郷の違いはなどいくつも疑問が浮かびはじめたので、ChatGPTに聞いてみることにしました。
ちなみに私の認識では、桃源郷は、名称自体は中国あたりがルーツっぽいけど、今では概念化してて「隔離された楽園」のような空間をすべてそう呼んでよい、という感じ。あと、理想郷は現実社会でも使えるけど、桃源郷は旅行記事なんかで比喩として使う以外は基本小説や映画由来、時系列では理想郷は未来、桃源郷は今か時空間あやふや、みたいな感覚。なんとなく。その辺合ってるのかしらと。
桃源郷といって私がまっさきに思い浮かぶのは、ジェイムズ・ヒルトン『失われた地平線』に出てくるシャングリ・ラ。ヒマラヤに不時着したイギリス人がたどり着く楽園の名前。大昔に読んだので内容はもううっすらとしか覚えていないのですが、文章に魅せられて写経に使っていた記憶があります。
あと、最近観たインド映画のSF大作『Kalki』では、シャンバラが出てきていました。そもそもシャングリ・ラのもとになっているのはシャンバラらしい。
他にも思いつく名前はいくつかありますが、それも合わせて聞いてみることにしました。以下にそのChatGPTとのやりとりをあげ
…ようと思ったけど、ChatGPTの回答をそのままのせるのってガイドライン的にOKなのかしら、とふと疑問が。今は過渡期で規制はこれから定められていくのでしょうが、とりあえず今回は辞書的な使い方の回答例提示だし問題ないだろうと現段階では判断して、以下に引用します。
#プロンプトの雑さについては生暖かい目でお見守りください。
#これらはあくまで「回答結果」であり、鵜呑みはノンノンです。
桃源郷と理想郷の違いは?
桃源郷と理想郷の違いはなんですか。
また、理想郷がEutopiaだとしたら、桃源郷を示す英語はなんですか。
ありがとうございます。それでは、シャングリラやアルカディア以外に、桃源郷をあらわす世界の言葉をすべて教えてください。
ありがとうございます!
知らない場所が出てきて、ためになりました。
ティンブクトゥは桃源郷にあたりますか?
またニライカナイはどうですか?
考察という形なのがおもしろい。
ティンブクトゥについては、きっかけは覚えてないんだけれど、自分の中で桃源郷枠にいれていたので聞いてみました。とある香水の名前になっていたな。ポール・オースターの著作のタイトルにも使われていますね。
アルクの英辞郎調べでは、マリ王国の地名の他に、「どこか遠い所、地の果て」という意味も出てきます。From here to Timbukutu(ここから地の果てまで)という熟語にもなっているんだ、おもしろい。
とこのへんでしめくくろうとしたんですが、映画『Kalki』にでてきたシャンバラについても質問してみました。そういえば、シャンバラ、上記リストには挙げられてないんですよね。
シャンバラとは?カルキとは?
シャンバラとカルキについて教えてください
観た身としては、ふむふむなるほど、な説明が返ってきました。
ちなみにChatGPTから飛び出して少し補足すると、映画の背景は古代インドのニ代叙事詩のひとつ『マハーバーラタ』が下地になっているようです。冒頭はまさにインド神話の世界。それがどうSF大作になるのか。その融合もまたインド映画のおもしろいところ。
ちなみのちなみに某SNSに投稿した感想はこちら。
Kalki観ました。
最初はえデューン?マトリックス?マーベル?マッドマックス?盛り込み過ぎじゃない?w、ではいはい神話要素を入れるわけねと若干引き気味に見てたんですけど、さすがインド映画の底力は後半戦、白状するとプラバースをいいと思ったことなかったんだけど初めてかっけー!となりました。— とほ (@planet_somnium) July 12, 2024
あと、ネットで見つけた真言宗智山派 総本山智積院の文献『密教の理想郷 -シャンバラ伝説とは何か?』にも、「シャンバラ伝説の起源はヒンドゥー教にある」とあります。他にカルキの記載もあり、こちらを読んだほうがより映画の背景がわかりやすいかも。もしかしてChatGPTこのPDFを参考にした?とか思ったりw
以上、話が小説に行ったり映画に行ったりでまとまっていませんが、こんな感じで厨二病的な質問をしてChatGPTに遊んでもらったよ、という雑談でした。
とほ
追記:
生成AI、巷では仕事に使う術みたいなものが溢れているし、気づけばあっというまに社会に溶け込んできていますね。最近ではGoogleの検索窓に「桃源郷 理想郷 ユートピア 違い」と打つだけで”AIによる概要“がトップ表示されるようになってるんですよね。時代だ。
私はまだまだ気が向いたら試してみる程度ですが、ChatGPTで得た情報を実際に何かで使うにはやはり裏取り必須だなと感じることも多いです。上記「桃源郷と類似した意味を持つ言葉」リストに挙げられた場所も、ひととおり調べてみたところ、ヘテペトに関しては古代エジプトの「死後の魂が安らぎを得る場所、永遠の平和が約束された楽園」としては別の名称(「アアル」)が出てきて混乱したりした。
とくにクリエイティブ方面はまだまだ弱いと感じます。たとえば夏目漱石の『こころ』の中から印象的な一節をXX個選んでください、みたいな質問に対しては、もうまったくだめだめ。青空文庫のページを指定して、その中から文体のまま一字一句違わず引用するように指示しなおしても、どっかでみたようなやすっぽい人生訓みたいなものを勝手に作って挙げてきちゃう。思わず説教しちゃったもん。←
あと、仕組みをよく知らずに言ってますが、どこからひっぱってきてるのかも謎だし、個人的には著作権関連の問題は今後一度は起きる気がしてます。今は過渡期で規制はこれから定められていくのでしょう。
なので、ふむふむなるほど、くらいの温度感で読むのが私にはちょうどよいかな、今の時点では。でも、精査は必要とはいえ、全体像とか概要をさくっと知るとかなら、今の時点でもかなり便利に使えるという感触です。いやあ、すごい時代になりました。