デリー民、幻のたまごを求めてグルガオン・サウスポイントモールへ。

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インド生活

本記事の文体:常体(だ・である)

インド生活は性にあっているのか、基本楽しく暮らしている。

とはいえ難がないこともない。たとえば食。からいものが苦手なので選択肢はおのずと狭まるし、使っている油で胸焼けするので毎回外食は厳しい。

なので基本自炊である。デリバリーシステムが発達しているので、野菜や卵など必要な食材は一通りそろうし、頼んで数十分以内に届く。それらと一時帰国の際に買い込んで持ち帰ってきた調味料や乾物などを合わせてやりくりしている。日本で手に入らない食材を試すのもまた楽しい。その時々にあるものを使ってそこそこ楽しくやっている。

関連記事:インドの食のデリバリーサービス3選。

 

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デリー民1年生の食事情。

ただ手に届きにくいものもやはり多い。

まずデリーでは、和食が食べられる店が少ない。あっても高い。バンガロールのほうがまだ気軽に食べられた気がする。そんな中で、ネループレイスにある『すき家』は貴重だ。なんちゃって成分を感じないこともないが、庶民価格で日本に近い味を保って提供してくれている店として重宝している。

サケットのモールに入っている『CoCo壱番屋』も一度試した。

あと助かるのは韓国料理店の存在だ。和食レストランより全然多い。韓国料理はもちろん日本食ではないが、キンパのような類似する料理もあるし、口に馴染んでいる。なにより粘り気のあるごはんものが食べられるのが嬉しい。インド料理の辛さがだめでも、韓国料理なら不思議といける。ゾマトでも頼みやすいし、駆け込み寺のごとく利用している。

しかし、そうやって自炊や選択肢の少ない外食でやりくりしていても、生活が長くなればときには日本であたりまえに口にしていたものへの郷愁が募ることもある。和食に限らず、日本で育まれてきた味全般に対する渇望。

たとえばたまごかけごはん。Blinkitなどのデリバリーでもある程度は質を選んで購入できるがそれを生食する勇気はない。どんぶりに黄身だけを落としたい。半熟とろとろ目玉焼きたべたい。半熟煮玉子食べたい。もともと好きではあったが、自分がここまで生の黄身を欲する身だとはインドに来るまで知らなかった。

関連記事:たまごかけごはんと味変。

それから冷奴。豆腐はBlinkitでも買えるがなにしろ硬い。それはそれで調理すればいけるが、欲するのはかつおぶしかけて醤油たらして食べる絹豆腐である。それからお刺身。ノドグロが、ヒラメの縁側が、なんて贅沢はいわない、せめてサーモン。鶏肉以外のお肉、それも薄切り。”おいしい”ごまドレッシング。それから、それから、ふわふわのパン

デリー生活ではふわふわパンにも飢えがちだ。インドのパンにふわふわ、ふかふか、ふわもちの概念はない。これは言い切る。ない。輸入食品店や外資系の店でクロワッサンなどが手に入らないこともないが、吟味しないと、ああ失敗ということも多い。

関連記事:パンはこねなくてもいい。

あまりにふわふわが得られないので自分で作るべくサフのドライイーストを持ってきているけど、めんどくさい&暑いで作るには気合いが必要なうえに失敗リスクもそこそこある。やはりプロの味が食べたい。

もしここを読んでいるデリー民先輩がいるなら、声を揃えていうはずだ。いや、あるでしょう、と。そう、確かにIrohaというデリーパン難民の救世主の存在は知っている。実店舗は遠いけれど、配達拠点がデリーにも数カ所あると知ってから、頼む気満々だ。満々ではあるが、一番近くの拠点が微妙に遠いのと、まずオンラインか実店舗で頼んで数日後に取りに行くという2つの山を超えられずに、満々のまま8ヶ月が過ぎた。

前置き長いよ、という空耳が聞こえてきた。自分でもそう思う。

生食できるたまごの噂はかねてから耳にしていた。その登場は在印邦人を歓喜させたと聞く。ある時期忽然とインド市場から姿を消したが昨今復活したという。

そんな夢のたまごがあるのなら、私だって手にいれたい。たまごだけではない、ふわふわパンも欲しいし、和食も食べたい。めんどくさがりなので、できればひとつところですべてかなえたい。

そんなよくばりな夢がかなえられる桃源郷が、デリーのはるか南方のまちグルガオンにあるという。その名もサウスポイントモール

こうしてデリー和食難民一行(約1名)は、宝を手に入れるべく奥地ハリヤナ州へと向かった。

 

いざグルガオン(グルグラム)へ。

そこに行けばデリー民の夢がかなうという。どうしたら行けるのだろう。教えてほしい。

Googleマップのお告げがおりてきた。

かんたんである。メトロで行くがよい。

まずグルガオン方面行きのイエローラインでSikanderpurまで行き、ブルーライン(Rapid metro)の1番線Sector 55-56行きに乗り換えて、Sector 53-54駅下車。Gate no.2から徒歩3分。あっというまに着いた。

だれだ奥地なんて行ったのは。わたしだ。

 

まずは和食の宴。 ー愛味

到着したのはお昼すぎ。まずは1つめの夢「和食を食べる。できればサーモン系」をかなえに『愛味』へ。

ここは日本だろうか。お客さんはインドの人もいるけど日本人が多く、そこここから日本語が聞こえてくる。

メニューの豊富さに目移りしながらも、初志貫徹でサーモンロールを頼む。

ロコモコ丼やタコライスもおいしそう。次来たらこれにしようか。

ジンジャーエールを飲み、フリー雑誌チャロを読みながら待っていると、ほどなくしてサーモンロールが到着した。わさびもガリもちゃんとついている。嬉しい。

おいしくいただいたけど、思ったより少量でものたりなく感じたので、ミニ豚しゃぶサラダを追加注文した。

と、今度は予想していたよりどどんと大きいボールが到着。思わず「これミニですか?」と聞いてしまう。ミニらしい。

新鮮な葉物のサラダにも飢えがちなので、ありがたくわしわしもりもりいただく。ドレッシングの酸味がしみた。こっちのほうが満足感が大きかったかも。この2つでおなかいっぱいになった。

 

とほはふわふわを手に入れた。ーSibang Bakery

愛味を出たあとは、モールを上から下までひととおり探検していった。実はまっさきにたまごのありかを確認しにいったのだけど、そこは他のお宝も密集する地帯であったため、はやる心をおさえて先に2つめの夢をかなえに行くことにした。

扉を開けるとそこはふわふわ王国だった。

食パンやバンズがみるからに柔らかそうだ。惣菜パンなんかもある。メロンパンもある。ドーナツもある。ふわふわ系じゃないビスコッティやクッキー類も、見た目からして絶対おいしいやつ。

Sibang Bakery』は韓国人がオーナーのベーカリーだ。実はデリーのモールにも同じ店舗があるのを見かけていたのだが、表から見る限りそこまでの品揃えじゃなかったので素通りしていた。あとでヒンディー語学校の韓国人クラスメイトからふわふわが手に入ると教わり、憧れの地になっていた。

吟味したすえ、バンズ7個入り袋と台湾カステラ的なものを選んで購入。店を出て袋に入ったパンの感触を手で確かめ、顔がほころんだ。

併設しているカフェで休憩しようか悩んだが、次来た時のお楽しみにとっておくことにした。

 

ひらけゴマ(どれ)。ーNature’s Basket

Nature’s Basket』はインドの主要都市に展開する高級スーパーマーケットで、オーガニック食品、輸入食品、質の良い食材やスパイスが置かれている。バンガロールでも何度かお世話になった。

とくに期待せず、ふらりと入ってみたのだけど、お宝密集地帯で見つけられなかった一人暮らしにちょうど良いサイズの日本製のごまドレッシングを見つけた。それもキューピー。買うしかない。

 

幻のたまごがついに目の前に。ーICHIBA

こうして、和食で英気を養い、ふたつの重要アイテムをゲットしたあと、満を持して真打ち『Ichiba(市場)』へ。

Ichibaという名から日本の食材が置かれていることは明白だが、日本だけじゃなく韓国や他のアジア食材も豊富であり、アジア人のオアシスともいえる店だ。外から見ているだけでも胸が高鳴る。

入店してすぐにそれは見つかった。

イセ食品が提供するISE EGG

昨年末に事業悪化からインドでの製造・販売停止に陥っていたが、今年になって不死鳥のごとく蘇ったらしい。ありがたすぎる。

2種類あり、生食用は白い箱の方。正確な名前は「イセエッグ・プレミアム スーパーフレッシュ」。おずおずとかごに投入。上の段の冷奴豆腐ももちろんかごに投入。

これ以外にも、野菜、調味料、乾物、麺類、冷凍食品などなど、店内には所狭しとさまざまなものが置かれている。見慣れたお菓子類もある。

ポカリスエットもある。

もちろん値段は高いから、なんでもかごへというわけにはいかないけれど、桃源郷はそう遠くないとわかったし、ここにくればあると知っているだけでも安心感がちがう。

実はIchibaの隣にはEpicureというこれもアジア食材が取り揃えられたお店があったのだけど、張り紙からして拡張して再オープン?なのか、品揃えがそこまでじゃなく、Ichibaと比較してもこまで値段の差を感じなかったので、今回はIchibaでまとめて購入した。次はもう少しじっくりみてみたい。

他にも有機野菜が手に入るというトマトプロジェクトの実店舗や大型スーパーマーケットLe Marcheなど、未開拓エリアを残していたけれど、Ichibaでの買い物を終えて満ち足りた気分になったので、冷凍食品も買ったことだし、この日はいさぎよく帰宅することにした。

こうして、桃源郷探検は終了となった。

 

戦利品を披露。

 

というわけで、これらが持ち帰った戦利品である。左下の栄養ドリンクらしきものは、Ichibaでたくさん買ったからかおまけしてくれた。やさしい。Ichibaのレジのひとたちは感じよく、言葉にのせられてうっかりお米も購入してしまった。←ちょろい

Ise Eggは翌日以降、せっせとTKGにして食べたり、半熟目玉焼きにしてトゥルっとすすったり、豚丼に黄身だけ落として悦に入っては食している。

以上はデリー民1年生が経験したことと知る範囲で書いたことなので、デリーにも桃源郷は存在するかもしれない。事実、偶然にもつい最近Xを眺めていたら、朗報がとびこんで来た。

 

Irohaさんのパンの配達拠点でもある南デリーの紅茶専門店Happy Hunter (@india_happyhunter)さんでIse egg販売開始が決定したとのこと。1箇所で2つ以上のものが手に入るとなれば、めんどくさがりの私でも行くしかない。

というかそもそも8ヶ月も放置すな。というセルフ突っ込みで終わりたいと思います。

あと今回、終始気分で書いてすみません。

 

追記:
その他、デリーで日本食材が手に入るお店もついでに備忘録もかねて書いておく。サケットにある老舗やまとやさんは、デリー生活がはじまってまっさきに駆け込んだ。過去の旅でもお世話になった。

やまとや

あと、オンラインという手も実はある。まとめて買いたいものがでてきたらこれも試したい。

Main Dish

トマトプロジェクト