2日前の記事で、旅中に1冊はSF古典を読むことにしていると書いた。
1冊目は2015年のインドで、2冊目は2016年のセルビアで、3冊目は2019年のインドで読んだ、と。つまりルールに従って読み始めたのは2015年から。しかし昨年2019年秋のラスト旅までの5年間で読んだのは3冊。2017年と2018年はどうしてたの?読まなかったの?なぜ?ワイ?プルコワ?ポルケ?キュン?
2017年については飛ばすとして、2018年は、タイトルでばれてますが念願のサンティアゴ巡礼路を歩いた年でした。
サンティアゴ巡礼路(カミーノ)とは、については上記拙ブログを参考にしていただくとして、フランスから出発してスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの800kmほどのフランス人の道を1ヶ月強かけて歩いた。
しかし旅はそこで終わらず、通常旅としてスペインをアンダルシア地方まで南下し、その後モロッコへ、という2ヶ月の旅路。
後半は通常の旅に戻ったものの、カミーノでは荷物を極限まで減らすのが絶対条件であったため、本は必然的に電子書籍一択。本を読む時間に関しては未知数であったものの、何冊か読む心づもりではいた。一応SFも入ってはいた。
しかし、カミーノの日々は、歩くしかやることがないようで、街についたあとは毎日洗濯なり街探索なり語らいなりカフェなりバーなりなんだかんだやることあったし、おまけに毎日ブログを書くという使命を自らに与えていたために、実のところかなり忙しかった。夜は寝たいし寝ちゃうし。
さらに、SFよりも道中に読みたい本があった。
サンティアゴ巡礼路をご存知の方ならすぐに思いつくだろうあの本。さーせん、というくらいべたなあの本。
パウロ・コエーリョの『星の巡礼』。そして同著者の『アルケミスト』。
『星の巡礼』は、どんぴしゃサンティアゴ巡礼路の話。作者の半自伝的な小説。『アルケミスト』もスペインからモロッコへ渡る旅路、つまり私の旅路と重なっていた。どちらも実は再読だったのだけど、読んだのはかなり昔で詳細は本当に忘れていて、読みながら「ちょっとここ!まさにここ!」と新鮮に興奮しながら読んだ。
『星の巡礼』については毎日更新ブログで触れたけれど、『アルケミスト』については、ブログでは入れ込める記事がなくて結局書かずじまいだった。のだけど、Twitterには投下したんだったかな。どうだったかな、投下するつもりで、せずじまいだったかもしれない。メモに残していたものを下に載せる。
モロッコ入りは、ちょっとした手違いからタリファからの船になった。
モロッコはフランス語圏のつもりで来たけれど、タンジェはスペイン語の方が通じる。そしてわたしも、フランス語スペイン語どちらも拙いながら、スペイン語の方がとっさにでるようになっている笑。
ワイファイがなくなったことで、実質的にも内側的にも時間のスペースができて、今度はアルケミストを再読し始めている。そして、少年がタリファからタンジェにわたり、スペイン語を話しているくだりで、また、星の巡礼再読時と同様、おおう、ここ、ここだよ、となっている。
この他にも、時間があれば読もうと思っていた本はあった。
1冊は、荷物厳選の必要があるにも関わらず持参した紙の本。ヘミングウェイの『日はまた昇る』。フランス人の道の途中にある牛追い祭りで有名な街パンプローナがヘミングウェイゆかりの街と聞いて、一緒にフランスまで渡った。しかし、やっぱ重い!無理!となり、パリで泊まらせてもらった友人宅に置きざりにした。
もう一冊はセルバンテスの『ドン・キホーテ』。ラ・マンチャの風車で有名なコンスエグラに巡礼路のあとに行くよう予定を組んでいたため、それまでに読んでおきたいと思ったからだった。
しかし、わたくし知りませんでしたの。3冊もあるって(※)。1冊手にして、うわ、厚、となり、これは旅にでる前に読もうと試みた。しかも意外に読みにくく、全然進まないまま出発の日に近づいてしまった。なので渡航さえしなかった。すまないドン・キホーテ。また、いつかあらためてあなたの勇姿に会おうと思う。多分。
そんなわけで、この年の旅は、SF小説の入る余地がなかったのでした。
とほ
※追記:3冊じゃなかった、岩波文庫では前篇3冊、後編3冊の計6冊でしたよ。これは勇姿に会うのはまだ先の話になりそう。