2019年後半の旅では渡航にANAのマイルを利用しており、インドパキスタンに50日ちょっと滞在したのち、復路はマイルをちょい足ししてインドネシア・バリ島に寄り道しました。
目的はあれです、『落下の王国』ロケ地世界制覇の野望を果たしに。こつこつせっせとロケ地回収でございます。
場所:タンパクシリンのグヌンカウイ遺跡(Pura Gunung Kawi in Tampaksiring), バリ島ウブド郊外, インドネシア
グヌンカウイ遺跡(入場料50K):
ウダヤナ王国時代に建設されたとされるバリ最大の石窟遺跡。バリヒンドゥの聖域であるため、男性も女性も入場する前には腰に帯をし、サロンを巻いて足を出さないようにして入場します。急な階段の昇降はなかなかハードではありますが、棚田を抜け、橋を渡った先に、落下の王国でも使われたワルマデワ王朝第6代王アナック・ウンスとその王妃や親族の眠る巨大な岩で掘られた墓があらわれます。
寺院もあり、あとで調べたところ、祀られている神様はウィシュヌ神(ヴィシュヌ神)のようでした。インドが心情的に身近になってそこそこ久しい身としては、ヒンドゥ教がバリに渡った経緯や、オリジナルのヒンドゥ教と神様がどう違うかなど興味があります。でね、つい調べ始めてしまったのだけど、なんとバリヒンドゥ、一神教なんですね。え、ヒンドゥ教は多神教、そのへんどうなっているのかしら、、と昨日はさらに調べだして止まらなくなり、本当は昨日更新するつもりが今日になってしまったという。もはや落下の王国全然関係ないし・・・このADHD脳め。
いやしかし(まだ続く)、一神教であるのはインドネシアの第二次世界大戦後の建国理念に関係しており、それに適合させる必要があったために、すでにバリに定着していたヒンドゥ教に修正が加えられ、その結果、ヒンドゥ教の最高神であるシヴァ(シワ)、ヴィシュヌ(ウィシュヌ)、ブラフマは唯一神イダ・サンヤン・ウィディ・ワサのひとつ下の、下というかトリ・ムルティとして特別な”デワ”にあたる階級になったよう。バリヒンドゥが一神教であるのは比較的新しい概念なんですね(※)。
でもさあ(まだ続くか)、唯一神が宇宙の創造主ブラフマーを創造したってどゆこと・・・でもそれをいうならオリジナルヒンドゥでもブラフマー神はヴィシュヌ神のおへそから生まれてるし・・・創造主なのに。あ、でもオリジナルヒンドゥでは完全にヴィシュヌとシヴァのツートップで、ブラフマーは少し存在薄い三番手な立ち位置な気がするけど、バリヒンドゥではトリ・ムルティの三柱は同等な感じ、というかむしろブラフマさん最重要なのかしら、なんだろうちょっと嬉しい。あと、バリヒンドゥには自然と神と人の調和を重んじるトリ・ヒタ・カラナ(これもサンスクリット語らしい)という空間哲学があるらしく、だからか、バリもやはり独特な空気にみちみちているのだよなあ・・・・・・ってそろそろだまろうか君。
※私のネットをちょっとさらっての解釈なので間違っていたらまた訂正します。興味がある方は鵜呑みにはせず調べてみてねん。
シーン2:ダーウィンたちが霊者の後を追うとそこには。
場所:タガラランのライステラス(Tagakkakang Rice Terrace), バリ島ウブド, インドネシア
映画で出てくる順序はシーン2→1なのですが、独断と偏見によりこの順序にしました。
しかし、砂漠から一転ふいに一面ライスフィールドの緑がひろがり、そこに霊者がくずおれたと思ったらケチャが始まり、手拍子や掛け声とともに横たわる霊者の体に地図が・・・の一連の流れ、物語が動き始めた感があってぞくぞくしたな。なんて効果的なケチャダンスの使い方でしょう。あとわたしダーウィンが大好きなので(ある意味一番人間らしい)、ダーウィン活躍の場面であるのもよきだったな。
タガラランのライステラスも入場料は必要で10K(+強制寄付スポットが数カ所あり)。
上から眺めるだけでもそれなりに見応えはありますが、ここも結構な昇降をしなければならないので体力は要するものの、ライスフィールド散策をした方が落下の王国スポットを見つけやすく、見つけた時に緑に囲まれた臨場感を味わえます。味わえました。
ただ、静かな聖域だったグヌンカウイに比べると、ここは、んまあもう、ザ・観光地。バンジージャンプや趣味の悪いハート型展望台があったり、はは、ははは。いや、いいんですけどね。
行き方:
上記二箇所を一人でカーチャーターして行きました。所要時間3~4時間で300K(約2350円)+チップ。
シェア(グループ)ならずっと安くあったのですが、人数集まらないと無理だったし、グループツアーだとより多くの場所には行けてガイドの説明も聞けるよい面もある反面、自由行動の時間も範囲も限られているだろうしと個人でお願いすることに。
一番最初に聞いたところのバイクで40K(3箇所巡り)から出発して、ウブド中心部のあちこちにある旅行会社(看板のあるところ)を回って比較し、最終的にタガラランとグヌンカウイセットで車で30K、バイクだと20Kを提示してくれたところに決めました。バイクは、背中に乗って数時間はきついので除外。グヌンカウイもタガラランも湿度のある暑さの中上り下りして結構な体力を使うので車にして大正解でした。ドライバーも節度のあるよい人だったな。
バリ島は2度目。10年前にウブドに来た時には、バリヒンドゥにがっつり興味があるわけではなく、ゆえに遺跡観光で近郊に足を伸ばすようなこともせず、とりあえずケチャとガムランはみとこうか、あとは中心部界隈を鼻ほじりながらぶらぶらまったり、という過ごし方だったのですが。そののんびりまったりがとても好きだった。
でも、今回、時を置いて来てみて、以前もウブド中心部はすでに十分観光地ではあったけれど、さらに驚くほどに観光地化されており、欧米人でいっぱい、こじゃれたお店いっぱい、で、のんびりまったりという雰囲気はあまりなくなっていたな。
それがちょっと残念でもあった反面、泊まった宿が人も部屋もおやつも気に入りすぎておかしくなるほどだったので(?)泊まるためだけでもまた行きたいし、次はもう少し遺跡巡りもしたい。し、観光地なら観光地で切り替えてゴージャススパに泊まるとか、カフェ巡りをしたりおしゃれなお土産を探すという方向に切り替えて楽しめばいいしね。次は妹連れていきたい。インドは何度勧誘しても嫌がるから(笑)。
以上、脱線激しめな『落下の王国』ロケ地回収報告でした。
次は、映画と関係ないウブド旅フォト更新です。