ふぐの町下関の出身なので、今年は帰省しないからお正月用にと、年末に母が「みがき」を送ってくれた。
みがきとは。
ふぐみがき(身欠き)は、ふぐの有毒・不可食部位をすべて除去して可食部位のみにする下処理のこと、または除毒処理され流通できる状態の物の事を指します。
フグはご存知の通り有毒なのでさばくには資格が必要で、プロの方が毒をきれいに取り除いてくれたものが真空パックされて送られてくる。それを食べる前日に冷蔵庫で解凍して、翌日3枚におろし、身はうすくそいでフグ刺しにしたり、鍋の具にしたりし、骨付きの部分は唐揚げやお吸い物にしていただく。
それで31日に冷蔵庫にうつそうと冷凍庫から取り出したのですが。
涙。
年末で食材ぱんぱんの冷凍庫の中、大きな蓄冷剤を後生大事に保管していたという。むしろ蓄冷剤の方が、包みの上からはいい具合にふっくらつまったおいしそうな身に思えて楽しみにしていたという。笑。
まあそんな騒動?はありましたが、本日無事、フグ刺しにしていただきました。
こういう時、よいお皿を持ってないことが悔やまれる。いかにも洋風な絵皿しかなく。ふぐ刺しも厚いな~。まあでも素人ですし、厚いのは厚いのでぷりぷりした感触が楽しめるのでよしとします。実際とてもおいしかった。まだ残っているので明日もふぐ刺しにふぐちり。河豚三昧。
ちなみに、下関では、河豚は「福」に通じ、またふぐは「不具」を思わせるためにフクと呼びます、という説明をよくみかけますが、ふぐ料理店の老舗「春帆楼」のサイトによると他にも「怒るとお腹がぷっくり「フクるる」から」、「怒ってふくれると「フクべ(ひょうたん)」に似て見えるから」など、諸説あるようです。
じゃあ実家ではみんなフクと呼んでいるのか。
‥‥‥フグと呼んでいますね。普通に。
下関に対するこじれ故郷愛については以下に。
ところで、この記事に書いたおせちについてはこのようになりました。
結局黒豆は買うの忘れていたし、かまぼこの代わりにハムだし、伊達巻はただのたまごやきだし、実質おせちという名の行楽弁当。
このなんちゃっておせちは、まるで実家の母のものとは似ていない。というか、母もお煮しめとか黒豆とか幾つかは押さえるけれど、お重に入れるようなおせちは作ったことない。なかったと思う。子供の頃はたいてい父の実家に帰ってそこで大皿料理を食べていたし。
私のこれは、結婚していた時にリクエストがあったとか教えてもらったなんてこともないし、百合根のきんとんだったり筑前煮だったり、自分が食べたいものを作るようになった感じだ。
掃除は苦手なので、いつもの掃除にちょっと毛が生えたところで「よし!終了!」と宣言してしまうのだけど(毛が生えているかすらもあやうい)、おせちもどきは私にとってはお正月3が日何もしないための方便であり、帰省しない時は誰に言われてなくてもせっせと作っている。
お重が三段ともつまったら満足して、元旦にお雑煮と合わせて少しずつ取って食べ、飽きたらあとは冷凍行きだ。
まあでも今回はさらに小さい三段重に詰め替えるなどした。
インド弁当箱(ダッバ)やないかーい。
明日はこれをいただきます。でも河豚も残ってるし・・・早くも他のものが食べたい。
とほ
p.s.
インドのお弁当映画といえばこれですね。