北海道ゴールデンカムイ巡り9日間の旅。
札幌市郊外にある「開拓の村」に続きまして、札幌市内編。舞台として回ったのは4カ所、徒歩で回りました。
全旅程はこちら↓
(この先、ネタバレしています)
札幌市時計台
物語の中で札幌は、小樽を始点として網走&樺太までを往路、網走&樺太から函館までを復路とすると、往路復路ともに登場人物の多くが立ち寄る拠点。とくに復路は、杉元たち一行が再び土方一行と手を組み、あれやこれやが起きる場所。
札幌で何が起きようとしているんだ?(240話『菊田特務曹長』)
その札幌に今おりますよ、の合図のように、登場人物たちの背景として描かれる時計台。
“往路”では、札幌世界ホテルの頃、杉元一行が小樽を馬で出発して「なあに札幌なんてあっという間だ」のはずが主に白石が大変な目にあって「やっとついた」場面(50話『春雷』)、
“復路”では、悪運/強運の持ち主門倉が小銭を拾って命拾いする場面(232話『家族』)などで出てきました。
日本基督教団札幌教会
タイトル回収回(271話『まだら模様の金貨』)の教会の外観として。内部のモデルは開拓の村にありますが、外側は札幌市内にあるこの教会。
中で鶴見中尉がアシㇼパ&ソフィアに話をしているあいだ、外では杉元たちが二人を助け出すべく待機、有古が中に突撃してアシㇼパたちが出てくる勝手口はここ(272話『イポㇷ゚テ』)。鯉登と月島がカギ穴を覗き、聞き耳を立てる扉も、この勝手口から入ったあたり(265話『鍵穴』)。
鯉登少尉、鶴見中尉への敬愛を取り戻した直後に真相に気づいて「じっと戸を見る」。
またこの教会は、切り裂き魔、ジャック・ザ・リッパ—回でも登場します。宇佐美の探偵手段はほっとくとして、同じく土方歳三のために真相を探る石川啄木が「じっと手を見る」の元ネタをみつけた?場面(247話『決まり事』)他。
サッポロファクトリーレンガ館
切り裂き魔があらわれる札幌麦酒工場として(248話『それぞれの夢』他)。
切り裂き魔を捕まえるため、娼婦に身をやつした門倉や夏太郎が待機しているのがこの建物の周辺。
切り裂き魔ついにあらわるの場面で、この星入り窓が描かれていました。
いっぱい撮ったので無駄に載せる人。
さらにどの場面とも関係ないですが、舞台に使われた道路側の建物の反対側に非常にフォトジェニックな場所があったので、それも載せる。
サッポロビール博物館
引き続き、札幌麦酒工場として。
[自由見学]
入館料:無料
開館時間:11:00~18:00[プレミアムツアー]
参加料:大人1000円
開始時間:11:30、12:30、15:30、16:30
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、臨時休館日
※休館日は自由見学のみ可能
プレミアムツアー、できれば参加したかったのですが、私が着いたのは夕方で受付は終了していました。残念。
札幌麦酒工場は、切り裂き魔のエピソードからアシㇼパ確保を狙う第七師団との大乱闘までずっと出てきますが、作中に出てくる工場敷地は、現実のサッポロファクトリーレンガ館とサッポロビール博物館を合わせたもの。
後半の刺青の囚人、上ヱ地圭二の「がっかり」煙突や宇佐美の最期や門倉スイッチは、こちらの博物館の方になります。
尾形が馬に乗って鶴見のもとに向かう瀕死の宇佐美を狙う角度(256話『篤四郎さんの一番』)を探してうろうろ。
上ヱ地圭二がのぼった煙突(257話『がっかりした顔』他)。
この巨大タンク、煙突倒壊からの工場直撃からの門倉スイッチ(260話『死守』)場面で出てきてましたね。門倉スイッチめちゃめちゃ好き。
アイヌ文化交流センター(サッポロピリカコタン)
舞台巡りの他、網走の北方民族博物館と同様、アイヌ文化を知る場所として行ってきました。
開館時間:8時45分~22時(展示室と庭園は9時~17時)
入館料:無料(展示室観覧料のみ有料、一般200円)
私の行き方:札幌駅から「定山渓温泉」行きのじょうてつバスに乗り「小金湯」下車。約40分。下車後徒歩約5分。
北方民族博物館はアイヌを含む北方民族の文化を広域で把握する博物館。なので北海道のアイヌ文化をより深く知りたい、作中出てくる道具をがっつり見たいなら、断然こちら、ピリカコタン。郊外なので少し時間はかかりますが、行く価値ありです。
私が行った2022年晩秋は、コロナ禍終盤とはいえまだ旅人口が少ない時期だったおかげもあるのでしょうか、途中から小学生の団体さんが入ってくるまで展示室の見学者は私ひとりで、学芸員さんがとても丁寧にアイヌ文化について説明してくれました。有料(といっても200円)の展示室では見るだけではなく、実際に手にとって触れることもできます。
他にもアイヌ文化体験講座があったり、約500冊のアイヌ文化に関する書籍が閲覧できたり、名称が博物館ではなく文化交流センターなのも納得。
キラウㇱの「マタンプシ」。
女性用の首飾り「タマサイ」。
13話に出てきた川魚用の罠「ラウォマㇷ゚」。
アシㇼパさんも持っていた女性用小刀「メノコマキリ」。
谷垣の復帰を遠のかせた貝下駄「セイピラッカ」。
びょーんびょーんと口にくわえて音を鳴らす楽器、「ムックリ」。
ゴザ編み機「イセテニ」。12話に出てきました。
「チポㇿニナㇷ゚」。筋子をつぶす道具。
肉切り用のまないた「イタタニ」。チタタㇷ゚チタタㇷ゚。
「ストゥ」。杉元をおしおきするのに使います。←だめ
キロランケの喫煙道具、「タンパクオㇷ゚」と「ニキセリ」。
庭園に行ってみましょう。
おおう。
オハウにかかせないプクサ。
貯蔵用の倉「プ」と小熊の檻「へペㇾセッ」
木彫りのフォントかわいい。
たしか男子便所と女子便所もあったはずなのだけど、撮ってないみたい。残念。
ここの等身大パネルはアシㇼパさんでした。だよね、ここはアシㇼパさんよね。
パネルの置かれているレストコーナーでは、アイヌ食文化の動画を自分で選択して見られたので、バスの時間が来るまで見ていました。
ゴールデンカムイの中でも出てきた団子に筋子をつけて食べるものが出てきて、それが本当においしそうだった。現代を生きるアイヌの女性の「自然のものを自然に拵えて食べる。体にはいいし、おいしいし」という言葉が心に残りました。
*
ゴールデンカムイでは物語後半、争奪戦が盛り上がっていくにつれてヒンナヒンナする場面が減っていきます。この話にかかせない魅力の一つなのでもっと見たかった気持ちもあるけれど、前半であれだけしっかり丁寧に杉元とアシリパさんのヒンナヒンナ場面が描かれていたからこそ、欲しがる額が謙虚だったとはいえ始めは金塊目的だった杉元の目的が、ある時から金塊争奪戦を早く終了させてアシㇼパさんを抜けさせることに変わる、そこに説得力が生まれたんだよなとも思ったり。
アシㇼパさんには山で鹿を獲って脳みそを食べてチタタㇷ゚してヒンナヒンナしていて欲しいんだよ俺はッ
まあそれが、アシㇼパさんの意思と一致していたかといえば別ですが。
ゴールデンカムイを読んだあとはしばらく、作中に出てくる民話をもっと知りたくて青空文庫を読んだり、アイヌ文化に関する本を買ったり借りたりしていました。以下の、ゴールデンカムイのアイヌ語を監修された方の本もおもしろかったです。
ストーリーはストーリーでめちゃめちゃ楽しみつつ、描かれている世界に対し興味の枝葉が広がっていく。作者の思惑がそこにもあるとしたら、まんまとはまった人がここにおります。
ここにきて、北海道全て回り尽くしたい欲求、日本の歴史を学び直したい欲求、北海道とアイヌ、網走、203高地などについて知り尽くしたい欲求がでてきている。われながらなんて単純だろうと思う。が、漫画がおもしろすぎるのだからしょうがない。おもしろい漫画は、ストーリーはもちろんだけれど、魅力的なキャラ、未知の世界に関する嫌味のないしかし圧倒される蘊蓄、変態レベルの(もちろん褒め言葉)独特な世界観が合わさってできるのだなあとつくづく思う。
自ブログ『キャンプ場でヒンナヒンナ』より
札幌とりこぼし。
登場回:72話『江渡貝くん』他
とりこぼし理由:私が行った時は冬季休園だった。
「水風亭」のモデルとなった店
登場回:52話『無い物ねだり』、244話『小樽上陸』
とりこぼし理由:すこんと抜け落ちてた。メモしてたのに。すぐ近くに泊まっていたのに~。
涙。次回!
その他札幌で行ったところ、食べたもの。
宿から歩いていった「けやき」の味噌ラーメン。あつあつでおいしかったです。食レポですか?むいてません。
他はとくにこれというもの食べてないので、宿泊していたホテルの朝ごはんも載せる。
だからどうした、しかない。
あとコンビニスイーツ。北海道限定?もちもちさとクリームがおいしくて3回リピ―トしました。
そうそう、札幌で舞台巡り以外で一番テンションあがったのは、ここを通りかかった時だったりしました。北海道はonちゃんと彼らの地でもある。
7~9日目の旅程↓
旅程 | 移動 | 訪問した金カム関連地 |
7日目 札幌 | 札幌市内&近郊(地下鉄&バス) |
北海道 開拓の村(オールスターズ!)
サッポロファクトリー(房太郎!) サッポロビール博物館(門倉!) |
8日目 札幌 | 札幌市内&近郊(地下鉄&バス) |
時計台
日本基督教札幌教会(月島!)
アイヌ文化交流センター(アシリパさん!) ※アイヌ文化を知る場所として |
9日目 札幌 | 新千歳空港→Out |
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