キャンプ場でヒンナヒンナ。

キャンプ

 

キャンプ当日、行く支度をしていたら、ロンドンに住む年下の友人からLINEが入った。

最終話公開前の全話無料に乗っかって、ようやくゴールデンカムイ読みました!

 

ゴールデンカムイとは、

*というわけで今回もほとんどキャンプの話してません*

 

先月末大人気のうちに最終回を迎えた漫画で、莫大なアイヌ埋蔵金を求めて、「不死身の杉元」と呼ばれる主人公と相棒のアイヌの少女アシㇼパさんを中心に、敵味方くんずほぐれつで北海道をかけぬける和製ごった煮マカロニウェスタンである。

ゴールデンカムイ
狩る!食べる!!戦う!!!北の大地で繰り広げる五感震えまくりエンターテインメント「ゴールデンカムイ」公式サイト
知らない方は公式ページをご覧いただくとして、以下は説明抜きでつっぱしります。長いので興味ある方だけお進みください。ネタバレはしてません。

 

そのゴールデンカムイ、私が初めて読んだのは昨年9月であった。

昨年は、よもや自分がと思っていたアニメ開眼年だったのだけど、それと連動して、久しく干からびていた漫画の芋づるも伸びた年であった。

よもやよもや自分が観るとは。
しかし観てきました。『劇場版鬼滅の刃無限列車編』。遅まきながら。 遅まきながらというか、白状すると観る気まったくなかっ...
閉じていたアニメの扉を
『鬼滅の刃』で開いて、その後どっちに進んだかというと、進撃したかというと、進撃・・・つまりそういうことです、『進撃の...

 

昨今は漫画アプリなるものが充実していることを今更ながら知り、定期的に人気漫画が期間限定で無料放出されたりしているものだから、それに乗じて手を出し読み進めるなどしていた。ゴールデンカムイを読んだのもその流れ。ただ知ったのが全話無料期間が終わる直前であったのと仕事がたてこんでいる時期だったため、最新話まで追いつかず、期間終了後も1日1話は無料で読めたのだけど、そんなちんたら進んでられるかーい、とまんまと課金したり単行本を買うなどして最新話においつき、その後はほぼ毎週木曜日の最新話公開を首を長くして待つ日々を送っていたのだった。

それが、今年の4月に再び、最終話が公開される28日まで全話無料ふとっぱら公開をやると知った。もう一度最初からおさらいをしたかったけれど、金カム運が悪いのか4月はまたしても怒涛の仕事月間であり、納期の25日まではどうやっても2周目を読み進める余裕がなかったため、納期後数日間にかけることにした。

そういうわけで、キャンプ2日目に読書ノルマをこなしたあと、3日目に私がしていたのは、テントの中で朝10時にゴールデンカムイ最終話が公開されるのを膝をそろえて待つこと、最終話を味わいつくし感無量になったあとはせっせと2周目を読み進めること、であった。しかもその最中にnoteのフォロワーさん(※この記事はもともとnoteに書いていたものです)の中にも金カムにはまった人を見つけ、飛びつき、鼻息でコメントを書き込むなどした。キャンプにきてあなた何やってるんですか。

タイトルに使った「ヒンナ」というのは、アイヌ語でおいしいという意味である。

この漫画、ゴールドラッシュを基軸に、アイヌと北海道と時代背景に対する知識欲と、戦いのアドレナリンと、謎解きのエンドルフィンと、変態登場しすぎによる感覚麻痺と、推しが増え続けるエモと、どんな極限であろうと笑いをはさまないと死ぬ作者の病気につきあわないといけないのとで、とにかく脳と心が多方面に忙しい漫画なのだけど、さまざまなごった煮の中でもはずせないのが狩りと食であり、アシㇼパさんと相棒杉元(ついでに白石他)が狩りや採取をしてしかるのち「ヒンナヒンナ」といいながら食すシーンが、欠かせない要素となっている。

というわけで、今日の記事のタイトルはヒンナヒンナという言葉が使いたいがためのタイトルであり、狩りもしていなければ丹沢の稀少な旬にありついたわけでもない、最寄駅にあったスーパーで材料調達したなんてことないキャンプ飯ではあるけれど、キャンプの話をしないままなのもなんなので、食べたものの写真を貼り付けておきます。




焼き鳥缶で炊き込みご飯。


定番フレンチトースト。


こんな食べさしのナッツまでのせなくても。


散歩中に見つけた無人販売で最後のえびいもと袋いっぱいの菜の花を購入。二百円。


夕食に使おうと水洗い。実はこっそり蓬も紛れている。
最近食べられる雑草に興味あり。


菜の花は、ラーメンに雑に投入したり


シーチキンと和えたりするなどして食べた。
残りは持ち帰ってシラスと菜の花のパスタに。


えびいもなるものは、エリンギとともにハンバーグ
(常温OKのレトルト)の付け合わせに。

 

と、キャンプに立ち戻ったとみせかけて、ゴールデンカムイの話はまだ続く。

結局2周目は最後まで読み終えられなかった。全話無料期間は4月28日の最終話公開日を持って終わると思っていたら5月8日まで延長された。のに。

2周目だというのにまー進まない。というか1周目は先へ先へ進みたくて駆け抜けていたのが、むしろ2周目の方が1周目に気づかなかったキビをいちいちかみしめたり、あらためて作者の調査力に舌を巻いたり、さらには一話一話についた感想も律儀に読んじゃうから。各回の他の読者の感想が読めるというのも、昔と違う漫画アプリで読む時代の醍醐味というか、なんか一緒に伴走している気になったりして。その感想でまたプチ知識をひろったり。おもしろい時代だ。

ただ読めなかったのは単行本1冊分くらいなので、最終章の疾走感は、頭の中で高速自己再生させて補填するなどした(意味不明)。単行本は大幅に加筆されるらしいのでどっちみち買うであろうことはまちがいない。

ところで、件の友人は、この記事に書いた、ユーラシア大陸を隔てたテレビ電話越しでアニメ話に花を咲かせた人であり、その時に、進撃の巨人話以外でもっとも盛り上がったのがこのゴールデンカムイの話だったのだった。

その時点で友人は未読だったのだけど、私のプッシュと他の人からの勧めもあり、読んでみますと前向きな姿勢をみせてくれた。なんなら読む前から読み終わったら舞台の北海道と樺太に行く約束まで取り付けた。けけして強制したわけではない。もともとすでに聖地巡礼の下地はある人である。さらには私がスペインで巡礼路を歩いたあとにマドリッドで合流して、トレド~コンスエグラとロケ地巡りにつきあってくれた人でもある。もと旅友なのでフットワークの軽さは定評がある(私に)。ついでにいうとインド&インド映画友でもある。

彼女の冒頭のLINEの続きは「めちゃ北海道サハリン行きたくなってるのでそのうちよろしくお願いします」であった。こちらこそ、である。

がしかし、サハリンなあ・・・。本気で行く気まんまんで、行き方調べたりしていたくらいだったけど、ロシアなあ・・・・・・。

今度その友人が3年ぶりに帰国するのだけど、その主要目的のひとつがゴールデンカムイ展であるらしい。尾形の曜日を狙っているらしい。東京は行列がすごいらしいので京都で狙うらしい。尾形愛はんぱない。すでに私の金カム熱を凌駕している気がする。ちなみに私の推しは、主役二人を始め選べないくらいみな大好きだけど、敢えて言うなら鯉登である(きいてない)。

ところで今回、ゴールデンカムイの話を書こうとして、確か過去にもなんか書いてなかったっけとメモを探ったら、予想以上にがっつり書いたものが見つかった。漫画を一周したあとにnoteに書く気満々でメモに下書きしていたのだった。感想というよりは、ゴールデンカムイ読んで北海道行きたくなった、という話を鼻息荒く書いているだけなのだけど。

というわけで、だらだら書いてきたどさくさにまぎれて、それもここに投下しておきます。(ロシアの下りもそのまま載せています)

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ゴールデンカムイという変態漫画を読んで北海道に行きたくてたまらなくなっている。もっといえば、樺太に行きたくなっているし(サハリンではなく樺太と呼びたいのはもちろん思い切り漫画の影響である)、なんならそのままロシアまで行きたい。本気で行きたい。

ロシアは今まで旅先としての興味は薄かったのだけど、考えたら最初に本気で世界一周旅計画をたてはじめた頃の最有力旅程はシベリア特急でヨーロッパ入りするルートなのであった。

ここにきて、北海道全て回り尽くしたい欲求、日本の歴史を学び直したい欲求、北海道とアイヌ(もっといえばなぜか沖縄と琉球人の歴史まで)、網走、203高地などについて知り尽くしたい欲求がでてきている。われながらなんて単純だろうと思う。が、漫画がおもしろすぎるのだからしょうがない。おもしろい漫画は、ストーリーはもちろんだけれど、魅力的なキャラ、未知の世界に関する嫌味のないしかし圧倒される蘊蓄、変態レベルの(もちろん褒め言葉)独特な世界観が合わさってできるのだなあとつくづく思う。

折しも先日、スペインに行きたいというマンションの人と話していて(私が巡礼路を歩いてきたという話を奥さんにしていたら、スペインに興味あるという旦那さんから掃除の時に話しかけられた)、昔は北海道旅行をよくしていて、なかでも島巡りが好きだった、と言う話が突如でてきた時には、これはオレ北海道に呼ばれてるな、と思った。思ったからとて、さっと飛ぶには躊躇する時勢なのでもどかしくはあるが。

東北への興味も依然継続しているし、いかんせん私は本州の西部末端出身であるせいか、日本の東半分が感覚的に遠い人間であったのに、ここにきて、東京から上をとても魅力的に感じ始めている。東に限らず、旅先として国内はいままで手薄で正直あとまわしというかあんまり興味もなかったのが、内側から興味がわく場所だったりどのようなテーマでまわりたいという企画が結構な割合ででてきている。時勢のほかにも予算の問題もありはするけれど、再び海外に気持ちが向く前に少なくとも北海道と東北は行っておきたい。

今までそこそこ映画のロケ地巡りをしてきた方ではないかと自負しているけれど、まさか自分がついに、漫画やアニメのいわゆる「聖地巡り」に手を出す、出しそうになるとは思いもしなかった。正直に打ち明ければ、少し前のアニメに対する抵抗感と同様、「聖地」という呼び方に対しても抵抗があった。今も違和感はゼロじゃない。でもよくよく考えると、どうみても「ロケ地」じゃないのだしね。うまくみつけだした表現ではあると思う。

聖地巡礼の話はいい。名前がどうあれ、自分がいま、その移動ルートに沿った旅がしたくてしょうがなくなっているのは事実なのだ。いや、まさか私がねえ。つまりそれくらい、魅力的な漫画ってことなんだけど。キャラも設定も時代背景も文化背景も食も蘊蓄も謎解きも変態枠も定期的に笑いとらないと死ぬマンなところも。

ああ最終回が待ち遠しくてしょうがない。いや、終わらないで欲しい。ジレンマ。

 とほ

追記:最終回読みました。ただただおもしろかった。大団円でした。