ヒンディー語初級学習者の苦悩。脳内で底辺言語同士の争いが起きる件。

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インド生活

語学雑談です。

[8月15日 関係代名詞について補足を追記しました。]

 

デリーに帰ってきております。

2023年9月から8ヶ月通ったヒンディー語学校の初級クラスから上のクラスにあがる試験をなんとかパスしたので、今年も同じ学校にお世話になります。学校が始まるのは今月後半。もうすぐです。

それでですね。なんですけどね。

忘れております。ヒンディー語。みごとに忘れております。

日本に帰っていた1カ月半のあいだ1日2時間は勉強しようと意気込んでいたのですが、まあ、その、半分予想通りといいますか、ほぼ何もしないまま戻ってきてしまい、自分ドンマイ、あと2ヶ月あるじゃないか、ここから新たにはじめよう…と誓ったあの日はいまいずこ。_| ̄|○

現段階のヒンディー語レベルを正直に書きますと、一応賞状をいただける点数で試験をクリアはしたけれど、試験勉強だけは得意な日本人体質を駆使しただけのような気もしており、デーヴァナーガリー文字を読み書きできるようになり、文法も基礎は把握できてきたものの、リスニング力とスピーキング力はいまだ極めて限定的、すらすら話せる段階には程遠いといったところ。

TOEICのヒンディ語バージョンがあるとしたら、500に届いている気がしません。下手すると400、いや300点台かも。(現時点で語学力の指標となりうる公式のヒンディ語試験はなく、なのであくまで置き換えたらの自己評価です)

初級クラスでほぼ同じところから始めてみるみる上達していく人もみてきたので、8ヶ月学んできてこのレベルなのは、地頭の問題もありますがひとえに自分の比重の問題だと思っています。

そのへんは反省点ではありますが、本題はそこではないのでこれくらいにして、今日書きたかったのは、複数言語をかじってものにしてないまま他の言語習得を始めた人すなわちわたくしの脳内で起きている現象の話。前置ながい。

そのまえにまず、わたしの昨年9月時点での語学歴を簡単に説明すると、

英語(実務翻訳業18年)
フランス語(日本の語学学校週1〜2を1年+フランスの語学学校週5を2ヶ月+独学)
スペイン語(南米旅&サンティアゴ巡礼旅中の独学)
ヒンディー語(ほぼ旅サバイバルヒンディーのみ。文字読めず)

となっております。

これをふまえてようやく本題ですが、多言語学習者のあるあるなのか、わたしだけなのか、学習初期のころはとくに、ヒンディー語の手持ち語彙が圧倒的に少ない中でなんとか言葉をひねりだそうとすると、他言語が飛び出そうになる現象がたびたび観測されていました。

すなわち、一度は覚えたはずの語句を、いやこのさい一度目にしただけの語句でもいいから全身からどうにかこうにかしてしぼりだそうとしていると、スペイン語かフランス語が「お呼びで?」とでてくるわけなんです。

つまり、ヒンディー語で「今」といいたいのに「マントゥナン(仏語)」が出てきたり、「ここ」といいたいのに「アキ(西語)」が、「これ」といいたいのに「エスト(西語)」が、「でも」といいたいのに「ペロ(西語)」や「メ(仏語)」がとっさに出てくる。他にも「ごめんなさい」にジュスィデゾレ(仏語)、「なぜ&なぜなら」にプルクワ&パスク(仏語)、「すごい!」に「セシュペール!(仏語)」、といった具合。

なぜフランス語とスペイン語のミックスなのかというと、かつてはフランス語力の方がスペイン語よりはずっと上だったんだけれど、一番熱心だった頃からするとすがすがしい忘れっぷり、なのでどうも今ではどちらも脳内でヒンディー語と同じ幼児言語ボックスに収納されており、ひねりだそうとするととっさに「はいはいはい!」「あちしあちしあちし!」と自信あるほうがしゃしゃりでてくるらしい。しらんけど。

単語単体ではスペイン語(の旅中よく使った単語)が出がち、文章()になるとフランス語が出がちな気がしており、そのへんは習得度が反映している気もしますが、いずれにしても底辺争いであることは否めず。さいわい口から出る手前で理性が止めてくれるので惨事は起きないんですけど、肝心のヒンディーくんはカーテンの後ろに隠れてでてきてくれないので結果口からは何も発されない、みたいなことが茶飯事でした。

でもおもしろかったのは、この争いに日本語と英語が加わることはなかったこと。母語である日本語はわかるとして、外国語である英語も、完全とはけしていえないにせよ一定のレベル以上を習得した言語として違う箱に収納されているのか、「いやいやさすがにちがうっしょw」と脳内のなんらかの司令でふりわけられるのか、とっさに飛び出てくることはなかったです。

まあ8ヶ月がすぎる頃には、初期ほどフランス&スペイン勢の主張もなくなり、ヒンディーくんもおずおずと顔を見せて発言してくれるようになりましたが。でも一時帰国をへて復習さぼって戻ってきたらまたスペ&フラ勢復活の兆し。やヴァいなんとかしなきゃ、というのが今ここであります。

でも、わたしの読みではあと半年も学べばこの現象は消えゆくはずなので(切なる希望)、再びばしばし経験している今のうちに書いておこうと思ったしだい。

それに、こうやって書きながら、言語ってやはり使ってなんぼなんだよな、とあたりまえのところに着地した今。今期は、他の追随を許さないくらいにヒンディー語をどんどん使っていくフェーズだな。がんばります。

以上、どうでもいい語学雑談でした。

とほ

)に関する補足

本文にいれると流れが悪くなるので初投稿時は一旦はずしたのですが、英語の関係代名詞を使った構文”I think that“にあたるフランス語”Je pense que”もよく出がちでした。というのは、ヒンディー語にも関係代名詞を使って複文化させる構文が存在するからです。

ヒンディー語の「私は~と思う」構文:
मैं सोचती हूँ की (main sochatee hoon kee)…
मुझे लगता है की (mujhe lagata hai kee)…

日本語とヒンディー語は文法的に似ていると言われますが、確かに順序など似ている部分もあるんですけど、この構文は日本語にはないものだし、他にも男性名詞と女性名詞があったり、1、2、3の数値の音に類似性が見られたりと、ヒンディー語を学ぶにつれ、インド・ヨーロッパ語族として括られていることに納得する場面も多いです。

とはいえ似てはいても、ヒンディー語はヒンディー語独特のルールがあり(与格構文など)、似通っている言語に当てはめて理解しようとすると返って難しくなるので、脳にもうひとつ別の箱が必要だなとは感じています。

 

 

今後の更新について
日本国内について書きたいことは前回で終わったので、これからはインドに関する記事が増えると思います。過去の旅や他国での滞在など他にも記事にしたいことは残っているのですが、画像が多かったり他の作業込みで時間がかかりそうなので、インドの日常をはさみつつあいまあいまに挙げていく予定。

 

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