ケーンドリーヤ・ヒンディー・サンスターン・デリー校(以下サンスターン)でヒンディー語を学び始めて2年目になりました。
昨年は初級クラスで、今年からは中級クラスで学んでいます。
さっそくですが本題、現地で現地語を学ぶ場合、まっさきに覚えた方がいい単語ってなんだと思いますか?
留学経験のある人がこれを読んでくださっていたら、画面の向こうで、そんなのあたりまえすぎて鼻ほじ、となっているかもしれません。
留学経験なくてもそんなのあたりまえだし、という空耳も聞こえてきたので、さっさと結論をいうと、それは文法用語。
なんてしれっと言ってますが、わたくし、気づいたのは授業を受け始めてずいぶん立ってからでした。←遅
現地でその国の言葉を学ぶ場合、授業もその言語で進められるのが一般的かと思います。英語圏なら当然英語でしょうが、英語圏以外の国では、当該言語を軸にしつつ、世界共通語である英語も使って説明することもあるかもしれません。配分は学校の方針や生徒の種類やその国の英語浸透度によってさまざまでしょうが。
ここサンスターンはどうかというと、基本はやはりヒンディー語で、頼めば英語で説明してくれるという感じ。でも先生も英語が得意な人ばかりでもないし、基本はやはり初級クラスだろうとごりごりにヒンディー語で進められていきます。
初級クラスの生徒のヒンディー語レベルは、自国で勉強してきてそれなりに話せる人から、私のようにデヴァーナーガリー文字を覚えるところから始めるひよこまでさまざまです。で、ひよこチームはよく、授業中先生が何をいっているのか教科書のどこをやっているのかを見失い、クラスのそこここで迷子が爆誕してました。笑
そんな迷子の手をひいてくれるのが文法用語の暗記。文法用語を覚えたくらいでは習得の森は暗いままですし先も長いんですけど、少なくとも今どこにいるのかを知る足がかりにはなりますし、知らないで右往左往するよりはキャッチアップするのも早くなります。自習にも役立ちます。
というわけでよくわからない前置きが長くなりましたが、ようは、ヒンディー語でヒンディー語の授業を受けることを選択したどこかにいる初学の同士にむけて、ヒンディー語と英語セットで主要文法用語の対訳リストを作ってみましたよ、というのが本記事の趣旨。
そこに需要はあるんか、と考え出すと眠れなくなるので、いまだ定着していない自分の備忘録もかねて、と言い訳しておきます。
ヒンディー語の必須文法用語
まずはこれだけでも。
日本語 | 英語 | ヒンディー語 | 読み又は補足 |
動詞 | Verb | क्रिया | クリヤー |
名詞 | Noun | संज्ञा | サンギャー |
形容詞 | Adjective | विशेषण | ヴィシェーション |
副詞 | Adverb | क्रिया विशेषण | クリヤーヴィシェーション |
代名詞 | Pronoun | सर्वनाम | サルヴナーム |
基本オブ基本。この5つはどれもとにかくよく出てきますし、英語もちょいちょい使われる。最初は耳だけでもいいので覚えるべし。
名詞/形容詞を学ぶうえではずせない。
日本語 | 英語 | ヒンディー語 | 読み又は補足 |
(数) | (Number) | (वचन) | |
単数形 | Singular | एकवचन | エークバッチャン |
複数形 | Pleural | बहुवचन | バフバッチャン |
(性) | (Gender) | (लिंग) | |
男性形 | Masculine | पुल्लिंग | プリング |
女性形 | Feminine | स्त्रीलिंग | ストリーリング |
接頭語 | Prefix | उपसर्ग | ウプサルグ |
接尾辞 | Suffix | प्रत्यय | プラッティヤェ?? |
同義語 | Synonym | पर्याय | パルヤーヤェ?? |
対義語 | Antonym | विलोम | ヴィローム |
名詞や形容詞を学ぶうえではずせない用語群。これも最初からよくでてきてました。
ちなみにカタカナの読みは、私の耳が捉えた音です。本来は発音記号に則って書ければベストなんですが、初めて自転車乗る人の補助輪くらいになればいいな、と思って添えてみました。なのでゆるっと参考程度に。この先は力尽きて英語表記になってますが。
重要!
日本語 | 英語 | ヒンディー語 | 読み又は補足 |
時制(※1) | Tense | काल | |
現在形 | Present tense | वर्तमान काल | Vartamaan kaal |
過去形 | Past tense | भूतकाल | Bhootakaal |
未来形 | Future tense | भविष्यत काल | Bhavishya kaal |
後置詞(※2) | Postposition | परसर्ग | Parasarg |
後置格(※2) | Oblique form | तिर्यक रूप | Tiryak roop |
呼格 | Vocative form | सम्बोधन रूप | Sambodhan roop |
複合動詞 | Compound verb | संयुक्त क्रिया | Sanyukt kriya |
助動詞(※3) | Auxiliary verb | सहायक क्रिया | Sahayak kriya |
Helping verb | रंजक क्रिया | Ranjak kriya |
ヒンディー語道を歩んでいくうえで重要な用語群。
※1 時制はほかにもたくさんあるんですけど(ありすぎなんですけど涙)、とりあえず基本の3つ。初級クラスの肝は過去形(भूतकाल)。な気がする。
※2 後置詞、後置格(斜格)もヒンディー語を学ぶうえで欠かせない重要用語。初級クラスでもめちゃめちゃでてきます。でもヒンディー語より英語のpostposition、oblique formのほうがよく耳にしたような気が(単にヒンディー語をキャッチできてなかっただけかも)。
※3 助動詞?補助動詞?Auxiliary verb(सहायक क्रिया)とHelping verb(रंजक क्रिया)は区別がいまいちわかってない。精進します。
覚えるが吉。
日本語 | 英語 | ヒンディー語 | 読み又は補足 |
自動詞 | Intransitive Verb | अकर्मक क्रिया | Akarmak kriya |
他動詞 | Transitive Verb | सकर्मक क्रिया | Sakarmak kriya |
使役動詞 | Causative Verb | कारक क्रिया | Kaarak kriya |
否定文 | Negative Sentence | नकारात्मक वाक्य | Nakaratmak vakya |
肯定文 | Affirmative Sentence | सकारात्मक वाक्य | Sakaratmak vakya |
疑問文 | Interrogative Sentence | प्रश्नवाचक वाक्य | Prashnavachak vakya |
単文 | Simple sentence | सरल वाक्य | Saral vakya |
重文 | Compound sentence | संयुक्त वाक्य | Sanyukt vakya |
複文 | Complex sentence | मिश्रि वाक्य | Mishri vakya |
早めに覚えておくと、でてきたときに「あ、今日それやるのね(にこり)」となって、理解が進むことでしょう。
その他頻出用語。
日本語 | 英語 | ヒンディー語 | 読み又は補足 |
文章 | Sentence | वाक्य | ヴァ(ワ)ーキャ |
単語 | Word | शब्द | シャブド(ゥ) |
言語 | Language | भाषा | バhーシャー |
種類 | Type | प्रकार | プラカール |
用法 | Usage | प्रयोग | プラヨーグ |
形(形態) | Morphology | रूपावकी | ルパヴァ(ワ)リ |
とくに前半3つ。
*
以上、授業でよく出てきたのはこんな感じでしょうか。
一般的に重要な文法用語でも、あいまいなものや授業でそんなに聞かなかった気がするものは今回はずしています。とくに主語(subject)、目的語(object)は、これももちろん頻出用語でしたが、耳がヒンディー語をスルーしていたのか先生がひよこに忖度してくれていたのか英語での説明しか記憶にない。自分で調べたものもあってるかイマイチ自信がない。今後クリアになったり、やっぱりだいじじゃん!となれば足していくかもしれません。挙げている用語のまちがいも、みつけしだい適宜修正していきます。
ちなみに、これらは教科書やノートからちまちま作成したものですが、ためしにChatGPTにも、「日本語、英語、ヒンディー語で対訳たのむやで、エクセルで出力たのむやで(意訳)」とお願いしたところ、きっちりお仕事してくれました。けど、明らかな間違いや繰り返しも散見されたので、やはり丸投げは危険、とあらためて思ったしだい。
過疎地ブログでマイナー言語。だれがみるんか、という自問が再び脳内をうずまいていますが。自分だよ、自分。
以上、初学者の域をほんの少しだけ出たもののまだまだひよこの視点からみた、ヒンディー語文法用語についてでした。
どこかにいる同士よ、一緒にがんばっていきましょう。
サンスターンについて:
ほぼゼロから始めた私がいうのもなんですが、わが校の少なくとも初級クラスのカリキュラムは、深い森に入口からではなくいきなり上空から落とされるような、言語を習得する順序という点においてはかなり斬新wなスタイルでして、最初のころはまあ途方にくれました。でも前学期を終えていざ中級クラスにあがってみれば、あれ、昨年学んだことがちゃんとベースになっている、理解しやすくなってる、と実感することも多く、サンスターンやるやん、となっています(単純)。
今年からはやる気ある新しい先生が入ってきて英語でもヒンディー語でも自在に熱心に説明してくれるのも、昨年学んだことの地固めができていく感じでめちゃめちゃ助かってます。それに、昨年は姿勢に疑問を感じる先生がいないこともなかったんですけど、今年残っておられる先生はみないい先生で、なにより教科とその先生の強みとがマッチしている気がして、聞いていて楽しいです。中級クラスからは楽しみにしていたイティハースという文学の歴史の授業もあってそれが学べるのも嬉しい。
まあでもおもしろく感じるのは、自分の理解度が進んできたことも関係あるかもしれません。やはり言語習得は少しわかってきてからがおもしろいですね。
行事や運営に関しては、さすがインドの政府系公立校といいますか斬新なままなところもあいかわらずあるので、それ込みで楽しんじゃう、もう。そんな2年目です。
実は個人的にもいろいろいそがしかったりもするんですけど、ここが正念場と思ってなんとか両立していくつもりです。