Airbnbの住人たち。パスタを巡る文化のちがい。

Airbnb日記, Airbnb diary インド日記

12月某日

キッチンで夕飯を作っているところに、先日挨拶程度にふたことみこと話した女の子がきたので、はじめてしっかり言葉をかわす。どこから来たのか尋ねるとムンバイ出身とのこと。

女の子、というかおそらく二十代後半くらい。名前はソナム。ソナム・カプールのソナム?ときくと笑ってた。外資系のIT企業に勤めていて、新規社員だか顧客だかのトレーナーをしているらしい。来年3月くらいまではバンガロールにいるけれどその後は不明。

私の部屋と同じフロアの隣にひとりで住んでいる。この前ふたりでいたのでふたりで住んでいるのかと思ったら、この前の子はバンガロールに来てできた友達で、泊まりにきていたらしい。私の部屋の向かいの青年もだれか友達を連れてきていた。人を泊めてもいいのか。事前に管理人に言えば問題ない、階下の男性も母親が数日まりにきていたとのこと。まあ、私の場所に人が泊まりにくることなんてないんだけど。Airbnbの決まりごとには興味がある。

そういう話をしながら作っていたオクラとマッシュルームの和風パスタを、ソナムが興味深そうに覗いてきたので、おすそわけした。ソナムはひとくち食べて、おいしい、といい、でも、といって少し考えるような表情になり、もう少し調理した方がいいんじゃないかしら、どうかな、あなたも味見てみて、という。

パスタのかたさのことをいっているのだ。思わず「アルデンテとは」と黒板に大きく書いて説明したくなったけど、そこはほら、好みの違いなのよ的な話ですます。インドで頼むパスタは、ふにゃふにゃ麺がデフォルテで、そうじゃないかと思ってはいたけれど、やはりあれはゆですぎなのではなく、こっちの人にとってあれが通常運転なのだな。

それはそれとして、部屋に戻ったあとで、ダシの素を使っていたのだった、と思い出す。見た目はベジだけど、魚介の粉末を使っていること、ひとこと断らなきゃだったのに。ムンバイの人だし卵をゆでていたから、ベジだとしてもヴィーガンレベルではないのかもしれないけど、それに向こうから言わないということは大丈夫だったのかもしれないけど、こっちに来たら日本にいる時以上に気を付けなければと思っていたこと。その時が訪れると、忘れてしまうな。これからはちゃんと確認しよう(※)。

今までのところ、ここで会話を交わしたのは3人で、向かいの部屋の青年は出身をきくと、UP(ユーピー)だよ、カンプールというところ、とのこと。UPはウッタル・プラディーシュ州のこと、カンプールという地名は知らなかったのであとで調べた。

また別の一番よくばったりする感じのよい青年は、インド中部くらいにあるインドール出身とのこと。インドールは行ったことがあるというのもあって話がはずんだ。どの部屋の人だろうと思っていたらルーフトップとのことで、数日の宿泊だったらしく気づくといなくなっていた。ルーフトップの宿泊者はなぜかわりと短期の人が多いみたい。

それにしても、どこ出身かを尋ねて返ってきた町の名前がわりとすぐに判別できたり、町の名前まではわからなくても州の名前をきけばどのあたりかわかるようになったの、ちょっと嬉しい。自己満にすぎないにしても、次の会話にもつながるし、いつのまにか右も左もなにがなにやらではないようになっていることにちょっとうける。インドが、自分にとってそのような国になるなんてね。

※→後日ベジではないと判明。