やっと最後の映画に辿りつきました。
2005年日本公開のブラッド・アンダーソン監督作『マシニスト』。
1年間も睡眠をとれない極限状況に陥った青年の運命を描くサイコ・スリラー。(Movie Walkerより)
撮影されたのはバルセロナ。
というわけで、フランスの次は、最後のロケ地にして旅の最終地でもあるスペインへ。
なぜバルセロナで撮られたかというと、資金繰りの関係上ということみたいですね。米国での援助が得られず、Goサインを出してくれたのがスペインの出資会社だったと。
舞台はロサンゼルスのどこかという設定なので、スペイン語の看板や標識や警察官の制服などは取り替える必要があったみたいですが、この映画の独特な奇妙さ正体不明さは、監督による静けさやトーンの選択なども大きいのでしょうけど、他国での撮影もその底上げにひとやく買っている気がします。
さらに。
CBが役に合わせて体重や容貌を激変させる件について、TV番組などで、初めて知る人も含めて、この人の特徴をてっとり早く説明するとしたらここなのでしょう、『マシニスト』での30kg減量と骸骨のような風貌からの半年後の『バットマンビギンズ』でのムキマッチョ復活はCB紹介映像のマストな感じで使われていて、
いや、全然いいんですけど
CB歴が長くなるにつれ、といってもまだ2年そこらのくせ、すでにしてなんだかそこに触れるのはもう、
なんというか、
映画何が好き?と聞かれて『ショーシャンクの空に』と答えてしまうみたいな、
まっさきにそのタイトルを出すことで、もうそれで「ああ」と推しはかれるみたいな、
いや、ショーシャンク、いい映画だし。
公開当時に自ら観たくて観に行ったし。
好きな部分や理由だって明確にいえるし。
なのに、いつのまにかある種の映画好きレベル尺度みたいな不思議なポジションに置かれるようになってしまっていて、そういう映画ってほかにもあるよ、あるある、あるけど、ショーシャンクのほかの追随を許さない筆頭ぶりは一体なんだろうかとかえってその位置づけについてついぼんやり考察してしまうというか同時に勇気をだしてまっさきに口にしてみたい誘惑にかられるというか
でも言ったあとに手をぷるぷるさせて相手の反応を待つ自分がいそうとか
……話ずれとるので戻しますと、
CBの特徴として、役者魂的なそれをまっさきに言うのはためらう自分がいます。
いろいろと青いなオレ。精進します。
とはいえ、身体改造も含めたCBの献身が、この映画に必要な不穏の底上げにひとやくもふたやくもさんやくもよんやくも買っているのは間違いない。と言いきっちゃいたい衝動にもまたかられているのであり。
不穏。
そう、全体的にまー不穏な雰囲気が漂うこの映画。
その不穏をどうとらえるか、という話なんですけど。
そんな映画を最後に持ってくるって……どうよ。
これは、たまたま日程的にというのもあるのですけど、まあ、見て、楽しい!!という気分になる映画でないことは確かなんですけど、何度かブログにもうっすら書いてきたようなないような、こういうゆめうつつ的な映画、わたし、大好物なんですね。
出演作の中で、CB道に入る前に自分の好みから手に取った唯一の映画。
好きな作品トップ5には間違いなく入ってます。
CB道をほふく前進中(?)の現在、身体方面の献身は健康の方が気にかかってしまう今日この頃ではありますけど、この映画でその献身をあますことなく発揮してくれていることにただただ感謝なのであります。
そんなわけで、不穏映画のロケ地めぐりだというのに、バルセロナ滞在中、ずっとほんわり幸せ気分であったことをまずはおことわりして、先に進みます。