火付きパーンとクラブでインド映画音楽三昧のクリスマス。

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インド日記
12月25日

クリスマスは、Airbnbメイトふたりとクラブに行った。

前日の夜にソナムに、インディナガルにあるベトナム料理を食べにいきましょうよ!とさわやかに誘われていて、え、行く行く、とよいお返事をしていたのだけど、当日、ソナムの気配がなく、なるほどそういう感じ?と、ラジニ・カーントにしか見えないイラストの看板を掲げた店でやけに辛いチキンとポテトを買い、BIRAビールの小瓶と、ミターイのセットも合わせて買い込んで、ぼっちイブをきめた。

翌日、つまりクリスマス当日、カフェにでも行こうと共有スペースである居間におりていったら、ソナムとムクルがいて遅いお昼を食べていた。まあ座りなよというので座って、ムクルがゾマトで頼んだ麺と、ソナムお手製の甘いホットワインのおすそわけをいただきながら話す。ムクルは階下のキッチン隣にある部屋に住む長期滞在の男性。今はスタートアップの友人の会社を手伝っているけど、コロナ前に少しだけ楽天で働いたことがあるという。

そうやって話していると、クリスマスだからこのあと夜ご飯でも食べに行かない?と誘われたので、また、え、行く行く、とよいお返事をする。が、よいお返事をしたのはいいけれど、行き先はクラブだった。ふたりとも踊る気満々のよう。そうか、今日びのインドの若者はそうなのか。ムクルは若者というよりは多分私寄りだけれど、それでも私よりはどう見てもうんと若い。きいてない、とは思ったけど、車に乗ってしまったあとではもう遅い。腹をくくる。

ナイトライフとは縁も興味もない人生、ごくたまにそのような場に行くことがあってもみぞおちに空虚を感じてきた人生、だから基本的にはおことわりなのだけど、一方で好奇心という長年の連れもいるために、新しいものごとに誘われると、一度は行っとくか、となりがちでもある。森に棲む内向性知りたがり科生物。その気になれば積極性も顔をだす。ひとたび森を出たあとは、半ばやけであっても、それなりに他種目と交流し、わりとちゃんと楽しんだりする。

最初に行った店は着いた時間が早すぎてまだ準備段階のようでだれもいなかった。ので盛り上がる時間帯までどこか別のレストラン兼バーみたいなところで軽く何かを食べ飲みしてすごすことになった。がんがん音楽がなる中、声をはりあげながらそれぞれの身の上話を話す。

頃合いをみて、歩いてクラブへ。向かう途中でパーンの店を見つけたムクルが、やってみる?というので、ここでも経験したがりが発動してつい承諾してしまう。

パーンというのは、よくインドのおじちゃんがくちゅくちゅ噛んでいる葉っぱ(噛み煙草)。しばらく噛んで、赤いつばをぺっと吐き出す。ので通りのあちこちに赤い跡が見られる。電車の待合室のテレビなどで、パーンを公共の場で吐き出すのを抑制するCMが流れていたりする。街中で葉っぱを並べて売っているのはまずこれ。

なのだが、ここのそれはただのパーンではなくファイアパーンなるものだった。ことを、最初がソナムが挑戦するというのでみていて、店のおじさんが陽気に歌をうたいながら準備をしていき、パーンに火をつけた時点で把握する。口に火を押し込まれてせき込むソナム。

え、きいてない、とまたしても思うけれど、おじさんが私の分をすでに作りはじめている。火薬を軽くふって火をつけられたパーンに恐れをなしてのけぞると、手招きされ、こわごわ迎えにいった口の中にあっというまに押し込まれた。一瞬の熱さと直後にミントのようにスッとする感覚があり、そのすぐあとになんともいえない甘さというかなんというか、なにこれ、すごく、すごく、

まずい。

必死で咀嚼を試みるも口の中にある状態にたえられず格闘していたら、ムクルが、はきだせばいいよ、と笑いながらいい、自分もさっき格闘していたソナムがティッシュをさしだしてくれたので、お言葉に甘えて近くのゴミ袋に吐き出させてもらった。

そんなこんなでクラブへ(雑な場面展開)。

肝心のクラブ体験はというと、まあ、おもしろかったです(雑な感想)。

行くとすでに人であふれていて、クリスマスデコレーションの中、みな踊ったり飲んだりしていた。このクラブだけなのか、他もそうなのかは知らないけれど、インド映画好きとしては、ヒンディ映画のダンス音楽メインだったのは素直にテンションあがった。知っている曲がかなりかかっていた。全体的に健全な空気が漂う、純粋に飲んだり踊ったりを若者が楽しんでいる場所だった。

 

 

店を出たのは深夜。車で来たのにムクル結構飲んでいるしどうするんだろうと思っていたら、代走サービスを頼んでいた。なるほど。そうして深夜1時すぎ、Airbnbに帰宅。すぐには部屋に戻らず、ルーフトップで酔いを覚ましながらさらに話し込むなど。声がかすかすになったけど、総じて濃いクリスマスとなった。

 

 

追記:パーンに火をつけるのはなんで?とムクルにきくと、ただの余興とのこと。