インドの甘い話。

インド関連雑記

 

甘い物を食べる時は基本、飲み物はブラック、ストレートがいい。

ただ、甘い物にさらに甘さを重ねたくなる時がある。多分インドのせいだと思う。チャイが、あいつが、私をこんな体にしたんだと思う。チャイだけじゃない、インド菓子にも責任はある。あいつらがタッグを組んで私をこんな体にしてしまった。

というわけで、二日前に恵比寿で買った甘ーいインドのお菓子をお茶請けに、甘ーいチャイを飲んでいる。今日はチャイ用マサラスパイスとシナモンを入れた。スパイスにはすでにシナモンも入っているが気にしない。本当は切らしているカルダモンもプラスしたかった。入ってるけど。

ストレートのミルクティという選択もあるといえばある。なにしろここは日本だ。淹れているのは私だ。砂糖を入れなきゃいい。しかしチャイは甘くなくてはチャイじゃないのだ。甘いじゃない、甘~い、だ。←どうでもいい。

甘~いのはチャイだけではない。インドのお菓子を総称してミタイという。ミタイはさまざまな種類があり総じて甘い。甘いじゃない、甘~~~~~い、だ。←しつこい。初めて食べた時はその甘さにぷるっと体が震えた。

『バレーリーのバルフィ』の舞台でインド菓子を食べまくった話。
インド/パキスタン/インドネシア旅2019(旅程はこちら)。 ロケ地巡り更新、1作めはこの映画。 『バレー...

昨年秋のインド旅では、『バレーリーのバルフィ』というお菓子が出てくるインド映画のロケ地巡りをした。バレーリーというのは土地の名前、バルフィというのはお菓子の名前、つまりバレーリー名物のバルフィのことであり、それがそのまま映画のタイトルに使われたということである。

で、私は『バレーリーのバルフィ』を現地で買って食す、という使命を自らに課した。宿の人に聞いて訪れたスイーツショップは名店らしく、ショーケースにずらりと並ぶ色とりどりのお菓子をみて、せっかくなので、ここで、他のお菓子も試してみることにした。今までオレンジ色の渦巻状のお菓子ジャレビやシロップに浸したグラブジャムン系など幾つか試したことはあったのだけど、他にも名称や形状が気になっているお菓子がたくさんあり、これを機に名前と味とを一致させたくなったのだ。

お店の人も親切で、頼むとお菓子の名前を一つ一つ紙に書いていってくれた。他のお菓子の写真を含め、訪問レポートは拙ブログにのせているので、もし興味がある方はよかったらのぞいてみてください。

それがインド入国して2日目のこと。買って帰ったこの盛り合わせを翌日のお昼までかかって食べた。甘い甘い繰り返しておきながらなんだけど、日本の和菓子にちょっと似ているというか、すべてが暴力的な甘さなわけではなく、くせになる味と食感のものも多かった。

その後1ヶ月半に渡りインド各地を旅しながら、お店が目に止まるたびにミタイの買い食いを繰り返すことになる。早い話がはまったのである。

しだいに、うん、なるほどこれは、暑くて湿度の高い気候では不思議と食べたくなる、気候にあった甘さなのだな、と納得するようになった。なったけど寒い場所に行っても相変わらず買って食べていたので、気候との関係は不明である。

チャイも暑かろうが寒かろうがインド全土で飲む。寒い朝に飲むジンジャーのきいたあまあまチャイほど体にしみるものはない。本来コーヒー派だしインドでもなくては困るので豆は持ち歩いているけれど、チャイはチャイで飲まなくては始まらない。

しかし、このチャイとグラブジャムンの組み合わせを、北部の寒いシムラーという町で食べた時はチャイの甘さとシロップの甘さのダブルパンチで久しぶりに体がぷるっとした。本来甘いものがそこまで得意ではないのだ。

そういうわけで甘い物を食べる時はやはり、飲み物はブラックがいい。コーヒーがあればたいていはそれでことたりる。

しかし、さ、今日はラドゥ食べよっと♪と思った時に、チャイでしょうここは、と、普通に用意している自分がいた。砂糖を惜しげもなく投入している自分がいた。絶対インドのせいだと思う。

とほ