徒歩キャンパー、念願の浩庵キャンプ場へ。

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キャンプ

 

昨年12月のキャンプについて、積読解消ソロキャンプ手作り陣幕デビューと記事に書いてきたが肝心の場所は、というと。

浩庵キャンプ場。

ゆるキャン△という漫画の聖地として最も有名なキャンプサイトの1つなんじゃないだろうか。

という出だしで始めたものの、実はわたし、その漫画を読んだことがない。

でも今では、キャンプ地、とくに山梨方面に行くと、キャンプ場や観光案内所などで本当によく見かけるようになった。観光案内所の人も、キャンプだと知ると、こちらが漫画を知っている前提でパンフレットの置き場所を教えてくれたりする。私も名前は知っているので合わせる。読んでおいたほうが絶対話は通じると思うのだけど、読まないままにきている。でも別段、読まない!とこぶしを握り締めているわけではなくて、今後も読むかもしれないし読まないかもしれない、といったところ。

漫画の話はそれくらいにして、このキャンプ場に出会ったのは、ソロキャンプデビューをした2018年頃。徒歩キャンパーとして、行けそうなキャンプ地を物色していたときに見つけた。

ちなみにおさらいすると、徒歩キャンパーとは、電車やバスや徒歩を駆使して行ける場所にしか行けないキャンパー。当然荷物は自力で運ぶので、それに沿って減らす必要があるキャンパー。のに毎回荷物多すぎやろ案件にいまだ悩まされているキャンパー。のことである。後者になるほど限定的になる。中には軽い荷物でささっと身支度して出かける徒歩キャンパーもいるとは思う。ともかく。

 

山梨県の富士五湖周辺にはたくさんのキャンプサイトがあり、荷物多い系徒歩キャンパーでも河口湖駅を拠点としてバスを乗り継ぐなどして行ける場所も多い。本栖湖畔の北岸に位置する浩庵キャンプ場もその一つ。とりわけ富士山の絶景がすばらしい場所だと。行ってみたいキャンプ場リストに入ったのはいうまでもない。

ただ、徒歩キャンパーでも行けなくもないとはいえ、浩庵キャンプ場の最寄りのバス停まで行くバスの本数は相当限られており、そのバスを逃すと、1時間ほどの行程を歩いて行く(帰る)ことになる、みたいな注意事項がネット上でも散見されたため、9月に行ったほったらかしキャンプ場のように「いつか行ってみたいものだと思っていたのだけど、徒歩キャンパーだし自分が住んでいるところからは行き方がちょっと面倒ということもあって」ついつい後回しにしていた。

でも、富士山が美しい時期と言えば冬に決まっている。前記事に書いた気温事情に加えて、このような葛藤の末に、昨年12月の第一週で予約を取った。で、予約したことで安心して、仕事の納期でばたついていたのもあって前日まで行き方のおさらいをしていなかった。ゆえに、ただでさえ本数の限られていたバス路線が廃止されていることを知ったのは、前日であった。

がーん……。

正確には、河口湖から本栖湖観光案内所(レストハウス前)までのバスはあり、その先の最寄りの停留所「浩庵荘入口」までのバスが昨年2021年5月に廃止されたようだった。ということは、キャンプの受付をしている浩庵荘まで約4㎞、50分の道を本栖湖に沿って歩かなければならないということ。キャンプ道具一式を抱えて。


河口湖からバスで行けていたらの路線。厳密には違うけどイメージとして。

徒歩で行くしかないと判明した道程。

廃止を事前に知っていたら、いくら念願のキャンプ地でも予約しなかったかもしれない。事実一度は予約を取り消そうとした。なにせへたれですし。そうでなくても、チェックイン日はテント設置含め何かとへとへとになるし。

でもせっかく富士山が美しい季節。それにわたしは年に頻繁にキャンプに行くタイプでもない。この機会を逃したら、行きにくさも手伝ってよけい腰が重くなりそうだ。覚悟を決めていくしかない。最初で最後になる可能性大だけど、だからともかく1回だけでも行ってみよう。

なにやらおおげさなノリではあるけれど、そして今回も前置き長すぎだけど、こうして楽しみなのか腰が重いのかよくわからない中、浩庵を50分徒歩覚悟で目指すことにした。

結果。

行ってよかった~~~~~~~~~~~~涙。

富士山が圧巻だった。

ああ、これは、みんな来るわけだわ。と納得せざるをえない絶景の富士山が、着いてすぐにどどんと目に飛び込んできた。

どこにテントを張るかについては、湖畔サイトと林間サイトがあって、このキャンプ場を発見した当初は、絶対に湖畔がいいと思っていたのだけど、傾斜がなかなか激しく、テントを張るにはかなりこつ(あるいはある程度のあきらめ)が必要そうなこと、争奪戦も激しそうなこと、一方林間側もネットで見る限りなかなか悪くなさそうで、かつ富士山が見える場所も多そうなこと、読書が主な目的であれば返って居心地いいのではと踏んだこと、などから、行く前に既に林間側と決めていた。


で、木と木でフレーミングされた富士山が目の前にせまる位置がすこんと開いていたので、あ、もうここでいいや、とたいして見てまわることもなく、早々に場所を決めてしまった。まあ、あとからぐるっと回ってみて、ここでもよかったな、あ、ここでも、ここでも、という場所もみつかったんだけど。

でもそれはそれとして、テントを立てた場所で、日中は、少し高い場所の木の間からゆったり富士山を眺めながら、夜は夜で、購入した薪と拾い集めてきた山ほどの枝で長いあいだ焚火しながらの読書は格別であった。






朝食。自家製林檎ジャムとバター付きくるみパン。

朝食その2。豆乳オートミール。






山梨の人が優しすぎた。

話が前後するけれど、浩庵までの道のり、実は1時間弱の道を荷物を抱えて往復・・・はしなかった。しないですんだ。帰りは確かにチェックアウト後本栖湖観光案内所まで歩いたのだけど、行きは、歩き始めてわりとすぐに車を止めて声をかけてくれた女の人がいて、乗せていってもらえたのだ(涙。

一直線の道なので遠くからでも大荷物かかえた人間(推定女性)が歩いているのが見えて、思わず声をかけたとのことだった。山登りを昨年はじめたというお姉さんとの束の間の会話、楽しかった。おかげでキャンプ場に早く着くことができて本当に助かった。

でも白状すると、実は、キャンプ場までの道のりを車に乗せてってもらったのはこの時だけじゃない。9月のほったらかしキャンプ場に行く時も、途中までバスで行き、終点の「フルーツセンター」バス停から歩くつもりで、気合入れて、「ほったらかし温泉ってこっちの方角であっていますよね?」と物産館前で商談をしていたおじさま二人に尋ねたら、「そうだけど・・・舗装されてない道も途中にあるけど・・・あんた正気かい?」みたいな反応が返ってきて、ちょっと話終わるまで待ってて、と言われ、やはりのっけてってもらえることになった。そこは浩庵までの道のり以上にしびれる急な上り坂だったので、送ってもらえて本当に助かった。

他にも、駅前の観光案内所の人とかほったらかしキャンプ場の女性、他のキャンプサイトでも・・・と際限なくなるので割愛するけど、でも、行くたびに親切というか素でよい感じの人に出会うので、山梨の人への印象が爆上げしている。山梨の人、とまとめるのもあれなんだけど。

山梨に限らず、どこにだってよくない考えを持つ人はいるわけで、若い女性は特にだけど、まあ年齢関係なく、ほいほい乗るのは気をつけなければいけないとは思う。それでも言うと、素で親切な人が多い気がするのだよなあ、山梨。その節は本当にありがとうございました。とはいえ。あまり甘えすぎないようにはします。次はがんばって歩きます。押忍。ていうか荷物減らします。

星空が……

ただ反省点も。

見てないんすよ。星空。

夜、トイレの帰りに、空を見上げて、うわ満点の星空だ、とは思ったものの、それだけ。星空はその一瞬しか見た記憶がない。夜はずっとルックダウン、つまり本と火ばかり見つめていて、ルックアップしてなかった。ドントルックアップではだめですね。世界が滅びます。

 

ドントルックアップ、コメディをうたっておきながらまったく笑えない内容ですが、痛烈に風刺のきいたよくできた作品でした。アダム・マッケイ 、こういうの本当うまい。

 

話をキャンプに戻して。

以上、だらだら書いてきましたが。浩庵、これで最初で最後かもだけど、と行く前は思っていたけれど、絶対また行くと思う。バス路線の復活はおおいに期待するけれど、往復全行程歩くのを覚悟してでも。

人気の場所だけあって、確かに冬だろうと人は多かったけれど、敷地は広く、自由度も高く、総じて居心地はよかった。トイレもきれいにしているし、炊事場は十分にあるし、今回私は利用しなかったけどシャワー室も豊富だし、それに、滞在中にちょうどキャンプサイトのすぐそばで売店がオープンしていて、おかげで薪やガスが足りなくなったりちょっとした食べ物などを買いに、受付をした浩庵荘までわざわざ急な坂をのぼっていく必要がなくなっていた。


でも、そういう便利さだけでなく、あの冬の青空に映える富士山を見るためだけでも、また行く価値がある。

富士山ってさ、正直、さまざまな場所からさまざまな角度で何度も見てきているし、なんなら住んでいる町からも冬の晴れた日なら遠く見晴るかせる。のに、ひときわ大きい姿が目の前にあらわれるたびに、毎回律儀にテンションあがるの、本当なんなんだろうね。

とほ

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