水曜日。レディースデー。
今年になって初めて映画3本梯子した。といっても同じ映画館内だけど。というか観たい映画3本を上映している映画館を選んだというか。
観たのは以下の3本。トップ画像でバレてますかね。
『ファーザー』
監督:フロリアン・ゼレール
出演:アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン
アンソニー・ホプキンス、すごい。これは賞取るわ。今年のアカデミー賞はとくに興味薄めではあった私でも、正直、チャドウィック・ボーズマンにオスカー取らせてあげればいいのにとちょっと思っていたのだけど、この主演男優賞はしょうがない、文句ない。逆にこれだけの演技をしておきながら、自分じゃないと思って自宅にいたという逸話、ちょっと笑えるというか、さすが大物だ。オリヴィア・コールマンもよかった、でも俳優だけじゃない、製作者もすごい。謎というか考察の余地あるから映画としても非常におもしろいし、経験していないその世界をこのように表すことのできる製作者には敬服しかない。といっても経験した者しかわからないのだから、私には本当にそうなのか確かめようがないのだけど。そして確かめられるようになった時にはきっと人にうまく伝えられず、もどかしく、心細く、子供のように泣いてしまうのだろう。もう一度言うけど、アンソニー・ホプキンス、すごい。
『ビーチ・バム まじめに不真面目』
監督:ハーモニー・コリン
出演:マシュー・マコノヒー、スヌープ・ドッグ他
ラスタカラー好きな人が好きそうな映画だった。ハーモニー・コリン作品を確認に行く、という体で行って、うむ、と確認して出てきた感じ。私にとっては、世の中にはこういう映画もある、という確認作業のための映画なので、観た、うむ、終了、でOK。まあ、ファーザーのあとだったので、この陽気さはよかったかもしれない。あと猫の扱いに『ガンモ』でトラウマがあったので、猫がおしまいまでかわいいのはよかった。実は一番最後までそこが気になっていたという説。もしかすると案外そういう人が多くて、今回はそういう人に対する、猫はほら大丈夫ですよアピール映画だったのでは(多分違う)。
『ジェントルメン』
監督:ガイ・リッチー
出演:マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム他
安定のガイ・リッチー犯罪群像もの。こういうのが観たかった、が観られて大満足。めちゃくちゃおもしろかった。最初は進行がよくわからない小説の最初3分の1を辛抱強く読む感じなのだけど、動き出してからはさすが。本日2本目のマシュー・マコノヒーでもあり、まったく違うテイストが楽しめてよかったし、チャーリー・ハナムといい曲者ヒュー・グラントといい、捨て駒なしの配役。それにしてもコリン・ファレルは、二枚目路線の頃より、年取るほどにどんどん好きになっていくな。困ったキレ気味の役とか、キモ困った役とか、普通にキモい役とか、困りながら実は強い役とか(基本困っている)、本当いい。続編ありそうな終わり方だったな。でもこの監督いつもそうだから笑。
ガイ・リッチー初監督作品『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』は過去にロケ地巡りもしているので、そっと貼っておく。
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キノシネマは、横浜市民なのに今住んでいるところからは微妙に遠いこともあって初めて来たのだけど、座席もゆったりだし、ゆっくり観られてよかった。レディースデーだし、ファーザーやジェントルメンが混んでいるかと思ったけど、なぜか一番混んでいたのはビーチバムだった。やっているところが少ないからかしら。
それにしても5月中旬にして今年初の映画自主3本立て。昨年までは1日に映画3本観賞は普通にしていたし、映画館がそれぞれ違って3館梯子ということも珍しくなかった。インド映画祭の時期は3本を3日続けてというのもあったし。そういえば一日4本の時もあったんじゃなかったっけ。
映画館の運営を考えると積極的に使いたい気持ちと、今後もできるだけ避けようという気持ちのせめぎあいが続いているけど、久しぶりに来るとやっぱりああ良いなあと思う。息抜きになる。映画館だと集中して観られるし、あの暗闇は落ち着くのだよなあ。
とほ