少し前に、Twitter映画ベスト10シリーズの参加まとめ記事を書いたのですが、
「このへんで打ち止めにしておきます。」と言いながら、『#映画での使われ方が最高な曲ベスト10』というタグにまたしても参加してしまい、上記記事にしれっと追加しておこうとも思ったのですが、ひとことふたことみこと備忘録的に書きたいことがでてきたので、別記事にしました。
2つあります。クラシックとそれ以外。まずはそれ以外から。順不同。
テリー・ギリアム『12モンキーズ』は、もうひとつ、この記事で書いたピアソラの『プンタ・デル・エステ組曲(Suite Punta Del Este)』も絶対的にあげたいところだったのだけど、ルイ・アームストロングのWhat a Wonderful Worldもまたはずせない曲で、シーンとのマッチ具合といい、これ以上切なく効果的な使い方を知らないので、この曲ははずせないので、こっちにしました。12モンキーズは内容といい、曲といい、大好きT・ギリアムといい、ブラピのクレイジーさといい、好き要素多すぎてやばい(語彙)。
ウォン・カーウァイ『2046』は、その前身の『花様年華』と合わせて大好きで、一時期サントラをよく聴いており、全体のトーンに合っている梅林茂さんのメインテーマもさることながら、観て以降、ナット・キング・コールのクリスマス・ソングはこの映画のものになってしまいました。どこにもない香港に行きたくなる。あと、公開当時不評だったと記憶しているこの中のキムタク、私はとてもよいと思っている。役割をこなしている。
トッド・ヘインズ『ベルベット・ゴールドマイン』。トッド・ヘインズ、大好きなデヴィッド・ボウイをモデルにした映画にもかかわらず、曲を使わせてもらえなかったという(涙)。私はグラムロックはちっとも詳しくないけれど、この映画の中のロンドンは惹きが強いし、サントラは一時期よく聴いた。中でもプラシーボ版20th Century Boy。グラムロックファンの子たちがかけていくカラフルなオープニングの曲も好き。この映画が好きなのは、内容もだけど、クリスチャン・ベールさんが出ているからです(きっぱり)。過去にはしっかりロケ地巡りをしております。ちなみに件の冒頭シーンでは、プラシーボのメンバーも若いクリスチャンとともにかけぬけていきます。
グザヴィエ・ドラン『トム・アット・ザ・ファーム』の、どのシーンか言っちゃうとネタバレかな、なので言えないのがもどかしいのだけれど、この曲自体は「アメリカなんてうんざり」という歌詞だし、鬱な曲ではあるんだけど、流れているシーンの一部始終がね、なにかものすごくほっとするのですよ。まさにGoing to a town。ルーファス・ウェインライトがもともと好きなのもあってこの曲が入っているアルバム買ってヘビロテしてたけど、映画のシーンと抱き合わせで観るのが最高。とくに曲の最後の10秒くらい。冒頭もかな。いや全部かな。繰り返すけどけして明るい気持ちになるシーンではないんですよね。でもほっとするの。ああ観た人と語りたい・・・。ちなみに私、この映画でグザヴィエ・ドランにはまりました(でも一番好きなのは『わたしはロランス』。この中の曲も話したいことたくさんあるけど割愛)
同じくグザヴィエ・ドランの『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』。そういえばこれも号泣映画だったんだった。そしてこちらもどのシーンかはあまり言えないけれど、Bitter Sweet Symphonyがかかる場面は、ほっとします。心がほころびます。Bitter Sweet Symphonyって他の映画でもいくつか使われているけど、だいたい似たようなシーンというか、登場人物の心象風景が垣間見える気がする。
サンティアゴ巡礼路を描いた『星の旅人たち』、中盤あたり、一騒動が落ち着、再び一行が歩き始めた時に流れるアラニスモリセットのThank U。なんというかもう、ベタなんですが、いいのですよ。この映画はある種ベタを楽しむ映画だと思っているし、今もだいじな作品。
『ライフ!』、スペース・オディティは言わずとしれたデヴィッド・ボウイの名曲ですが、この映画ではクリステン・ウィグ(好き)が声を合わせていて、それがまたなんともいいのですよね。ライフ!も旅に出たくなる映画だよなあ。あと、Space Odittyを挙げたけど、実はオブ・モンスターズ・アンド・メンの 寓話みたいな歌詞のDirty Pawsも大好きなのだった。
『カラー・オブ・ハート』と『アイ・アム・サム』で挙げたアクロス・ザ・ユニバースもご存知ビートルズの曲ですが、前者はフィオナ・アップルver、後者はルーファス・ウェインライトver。F.アップルもR.ウェインライトもまあ気怠い歌い方なんだけど、どちらも使われているシーンは、ほんのりとした「希望」とともに「浄化」を感じさせるシーン。(そういえば、F.アップルは、最初トップ10候補にしてて漏れた『マグノリア』のエイミー・マンからの流れで好きになったと記憶してるけどどういう経緯だったかは覚えてない。←どうでもいい情報)
『ありがとう、トニ・エルドマン』、ホイットニー・ヒューストンのGreatest Love of All自体は、いい曲ではあるものの個人的にはとくに好きというのはなかったのだけれど、娘がとあるパーティで熱唱するシーンには胸を打たれました。私の中のベスト歌い上げ賞に輝きました。本家より。この映画、常に不機嫌そうな娘とトニ・エルドマンさんのかけあいがなんとも好きだったんだよなあ。みんな○○○になってからのカオスも最高。
まあ、だらだらと。5月中にアップするつもりだったのに気づけば6月に入ってしまった。本当は選に漏れた曲にも触れるつもりだったけど、クラシック編が残っているのでやめときます。
お次、『#映画での使われ方が最高な曲ベスト10』クラシック編。
『落下の王国』のベト7(2楽章)はあちこちで書き散らしているので省略。映画観るまでは4楽章が好きだったのに、いまや2楽章は数ある交響曲の楽章の中でもヘビロテ率ナンバーワン。モノクロの冒頭と2楽章は私の中ではもう切っても切り離せない。←ちっとも省略してない。
『ベイブ』が好きなのは、動物に話させるのは反則だし、ベイブの声がまた反則的にかわいい、というのもあるのだけど、私の好きな交響曲の中でもベスト3に入る『オルガン付き』をアレンジされた曲がテーマになっていたので好きが押し上げられたのはある。とくに、ベイブを看病する牧場主がこの曲に合わせて踊るシーンがね、よいのですよ。
『ある日どこかで』はずいぶん前に観たので、内容は、ジャック・フィニイの小説『ふりだしに戻る』とごっちゃになってるとこちょっとあるんですが、この曲の美しさだけは印象に残ってる。
『生きてこそ』のシューベルトのアヴェマリアは、そのエンディングとともに映し出されるブラジルのコルコバードのキリスト像を見て、いつかあの場所に行きたいと思った。
『ショーシャンクの空に』は、このタイトルを挙げると「にわか」レッテルをはられる空気が一時期あった気もしますが、やかましい、いい映画はいい映画なんじゃい。主人公がこの曲を刑務所中に流しつつ自身は鍵をかけて誰にも邪魔されないところでひとり音楽に身をひたす。あのシーンひとつだけとっても、名作だと思う。
『ダイ・ハード』の第九と『ダイ・ハード2』のフィンランディアは、まず1の第九で、クライマックスにむけてじわじわ盛り上がっていく使われ方にすごく興奮して、2で何が使われるのかと思ったら、フィンランディアという選曲だったのがまた鳥肌だった。どちらもアクションものわっしょい!な効果的な使われ方だと思う。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、アルビノーニのアダージョはもともと好きな曲ではあるのだけど、その深刻ぶりを逆手にとったコメディなんかの影響か、笑いのつぼパブロフになりかけていたところ、この映画で再び涙腺パブロフになった、と観賞当時の感想に書いています。よくわからない感想ですね。
『猟奇的な彼女』、これさっき聴いたら、正確にはちょっとちがってた、パッヘルベルのカノンのアレンジ曲やった(汗)。まあいい、わたしの中ではパッヘルベルのカノンで通します。このころは韓国映画よくみてたなあ。
『オーケストラ!』、これはまんまオーケストラでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏する話なので、反則ですかね。でも、好きなんですよ、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲自体が。映画の中の使われ方も、あまり使いたくない言葉だけど、感動した次第です。
ってクラシック編もきっちりコメントしてしまった。10しかないから漏れたけど『ベニスに死す』のマーラー交響曲第5番4楽章とか『アンダーグラウンド』のドヴォルザーク第10番『新世界』4楽章なども迷いどころでした。
さてさて、こうやって書いてみて、好きな映画のコンポーザーとか、ほかのクラシックマイベストとか、音楽方面で書きたいことがほかにもいくつかでてきたのでそのうち書くかもしれない。うん、書こう。書くつもりだけど、実は・・・
続きはまた明日、あらためて。
とほ