騒がしいインド。

インド関連雑記

 

今日過去の旅写真を整理していて、スマホで撮った動画を同じフォルダにまとめ、ひとつひとつ確認していた。

で、インドの動画をみながら思った。

あいかわらずうるさいなあ。

他の国に比べて断トツでうるさい。

あーもーうるさいうるさいうるさい、うるさーーい。

 

 

 

‥‥‥好き。

 

 

これは2015年に撮った動画だけど、昨年バスの乗り継ぎ拠点として訪れた時もあいかわらずうるさかった。今ではインドールは、私のインド旅歴史の中で、といってもトータルでまだようやく半年に届くかというところだし、訪れた場所も偏っているし網羅にはほど遠い、だからあくまでその中でだけれど、クラクションをむやみに鳴らす率断トツナンバーワンである。

とはいえ、クラクションはインドのどこでも基本出くわす。

クラクションだけじゃない。インドはベースラインの音量がそもそも高い。町中の音楽。鉄道駅の「ジャジャーン!」というドラマチックなあれ。一人行動の文化でないのもあってか人の話し声が常にする。チャイ屋やバスなどの呼び込み、各種乗り物の走行音・・・あらゆる音源を含んで、とにかくどこもかしこも音が溢れている。

ホテルに着いたら着いたで、まあ高級ホテルに泊まればそのへんは解放されるのだろうけど、基本、安宿に泊まる旅だ、最近は底辺レベルの宿に泊まるようなことはないとはいえ、一応星のついたホテルでもトラップはある。隣にインドの若い衆がグループで泊まると、ボリウッド・ソングが大音量で流れてくる。

さすがに部屋では安らぎたいし、度がすぎるようなら言いに行く。と、青年が出てきて、オーケーマダム、ソーリー、と感じよく承諾してくれる。が、感じはよいけれど肝心の音は小さくならない。もう一度言いに行く。オーケーオーケー、ソーリー。繰り返し。そういうの、普通にある。

 

 

ボリソングトラップがないならないで、別のトラップがくる。外でだんだん行進が近づいてくる。そのうち去るだろうと待つ。天井のファンを見ながらひたすら待つ。去らない。どころか、最大音量の振動を伴う音楽が宿の前で止まる。そのまま動かない。観念して外に見に行くと、ガネーシャをのせた車と、その周りを踊りくるう少年たち、太鼓を叩き鳴らす青年たちがいる。しょうがないので写真や動画を撮る。写真や動画に撮られることが大好きな彼らは、必ずカメラ目線で応えてくれる。

は。こんなことをしている場合ではなかった。明日早いから私は寝たいのだ。

ようやく音が去っていって、平安が訪れる。しかし今度は天井のファンがうるさい。それにしてもなんなんだこの宿のファンは。1から5までの風力がまったく同じ。すべて強。無風でがまんするか、落ちてきた時の大惨事をつい想像してしまう呼吸もままならない室内からオズに飛び立てそうな竜巻並みの風力か、の選択しかない。ていうかうるさい。

どっちにしてもうるささからは逃れられない。

本当に好きなのか。

いや、うるさいのはうるさいんだよ。騒音が好きなんではないんだよ。普通に怒るよ。怒るんだけど、インドではなんだか笑っちゃうんだよ、最後には。なんだろうね。

で、帰国する。空港に到着し、帰宅の途に着く時、いつも感じるのは、日本は、なんて、なんて、静かなんだろう、ということ。

もちろん生活音はある。ちゃんと電車やバスの騒音もある。でもすごく静かに感じる。電車で帰る時に人がしゃべってない。しゃべっていると感じない。長距離バスで帰る時は無音に近い。話すとしてもみなだいたい小声だから。

そして、その声を聞いて、喉から上だけで話しているなあと感じる。喉が開いてない。誰も腹から声を出してない。まあでも日本語の発声がそういう性質なのと、公共の場では静かにするものと心得た、それも互いに空気を読み合う文化だから、不自然なことではない。逆に野太い声で話していたらみな振り返るだろう。私も、切り替えるまでの間、耳につくだけ。

実際、日本の静けさにほっとする部分もある。静かな生活が好きだ。とくに今住んでいる部屋が気に入っているのも静かだからだ。日々の生活において静けさはだいじ。

だけど、しずかでほっとしながらすでにインドに帰りたくなっている。

戻れるようになったらいつでも戻りたい。

でもあのうるささは、次行っても保たれているだろうか。

しつこいようだけどうるさいのが好きなわけではないのだ。だけどうるさいインドが好きなんだ。騒がしさも含めたインドが好きなんだ。

困ったものである。

 

とほ

 

P.S.
2015年の二度目の旅で完全にインドに落ちてしまった結果、脳内がバズってクラクションにさえ愛を感じている旅日記がこちら↓

普通のインド旅日記 後編
インド、ばかばかしすぎる。 という結論にいたって現在無事帰国しております。 結論にいたるまでの旅程。後編。 前編...

 

デリーのメインバザールも安定のうるささ。そしてこの雑踏が懐かしい。