『バジュランギおじさんと、小さな迷子』のロケ地ニザームッディーン廟でカッワーリを聞きました。

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ロケ地-インド

 

インド/パキスタン/インドネシア旅のロケ地巡り更新。旅程はこちら

 

前回までの『Tamasha』、あとひと記事あげるつもりでいましたが、ロケ地巡りとあまり関係ない内容であったため取り下げ。いつか機会があればということにして、次の映画のロケ地報告です。場所は同じくデリー。

 


 

『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
原題:Bajrangi Bhaijaan
監督:カビール・カーン
出演:サルマン・カーン、ハルシャーリー・マルホートラ他
制作国:インド
公開:2015年7月 (インド)、2019年1月(日本)

 あらすじ:
声を出せない迷子の少女はパキスタン人だった!?ねっからの正直者で嘘をつけないインド人青年バジュランギは、少女を親元に送り届けるため、ビザもパスポートもない中、国境を超える決意をする。インド・パキスタン間の関係、宗教、文化を背景に、直球のストーリーが胸を打つロードムービー。

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Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

みんな大好き(もう宣言しちゃう)バジュランギおじさん。

私が初めて観たのは2016年英語字幕DVDで。『PK』に次いでインド友におすすめされたのがきっかけでした。

PK』もたいがいでしたが、この映画のボロ泣き度といったらまあ、もう、ねえ。私それまでサルマン・カーン苦手克服養成ギプスをはめていたんですけど、この映画でぱぱーんとギプスはじけとびましたからね。

なんだろう、前回記事の『Tamasha』の方がぼろ泣き度は上かもしれませんが、あれは私個人にめがけて直球だったけれど万人に勧めるかというと頭を横にふる作品ではあり、ですがこの映画は堂々といえる、人類ならまあみとけと。なんですか、大風呂敷ひろげすぎですか。

DVD観賞後はこんないい映画が公開されずにいるのがもどかしく、インド映画に興味がある友人にもない友人にもいそいそDVDを押し付け貸したり、SNSで公開を願う想いを慎ましくつぶやいたりなどしていたのですが、2019年1月、インド映画怒涛公開の波にのって念願の日本一般公開。本国公開から4年越し。

劇場観賞当日は、感無量からくるのか、劇場の大画面でみられるあの壮大な風景のせいなのか、魂レベルで響く音楽のせいなのか、何度みても胸を打つどストレートな物語のせいなのか、自分でもなんの涙なのかわからないくらい初めから終わりまで泣いていました。泣きすぎや。

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

シーン:母娘、娘の声が出るよう祈りにパキスタンからインド・デリーにある聖者廟へ。

場所:ニザームッディーン廟 in デリー
行き方:メトロバイオレットラインのJLN STADIUM駅からオートリキシャなどで。

 

再訪です。2016年にPKロケ地探しの一貫で訪れました。

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イスラム教スーフィズムの聖者ハズラット・ニザームッディン・アウリヤーの墓廟。

シャーヒダが母親と離れ離れになってしまうのはここに参拝した帰り。物語的にも重要な場所だというのに。

PKのロケ地巡りをした2016年の旅で、実はこの映画もデリーだけでも巡ろうとしていたのですが、リサーチ不足というか節穴ゆえバジュランギたちが住んでいる地域がチャンドニー・チョウク界隈っぽいということしかわかってなくて、オールドデリーをひとりで長い時間うろうろするのは無謀だろうとあきらめた経緯あり、つまり、このニザムッディーン廟でのシーンはすこーんと忘れていました。劇場公開時に久しぶりにみた映画の冒頭で、母娘が祈り、紐を結んで願かけをし、カッワーリを拝聴するシーンをみて、あれ、ここPKで行ったあそこやん!となるまで。

それに、あとでみると、Tu Chahiyeソングをはじめ他にもフマユーン廟などデリーの観光名所ちょこちょこ出てたんですよね。一度行ったあとで再観賞すると、あの場所やーん!とあっさりわかるのはロケ地巡りあるある。一旦行ったあとであれば地理関係がわかっているし目も覚えているので、写真を見返しながら、なんであのときわからなかったんだろうねえと首をかしげるところまでがセット。涙。

そういうわけで、ニザームッディーンにはあらためてきちんと行きたい場所でもあったので、再訪問となりました。

 

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"

Visited Nizamuddin Dargah as a film location of "Bajrangi Bhaijaan"


聖廟で実際にカッワーリー(Qawwali)が聴けることは、行く前にインド映画DVDを買う前に立ち寄ったコンノートプレイスに立ち寄り、DVD屋を探していた時についてきた自称近くの店のおじさんに教えてもらいました。

おじさんはとても親切で、よい紅茶が買えるお店を教えてくれるなどし、「うん、わたしインド映画のDVD買いにきただけだから紅茶は大丈夫ー」とことわるとさらに親切なことにDVDを売っている店に連れて行ってくれ、時間をうんとかけてDVDを選んで買って出てきた時もまだ私を待っていてまた紅茶のお店を熱心にすすめてくれるなどし、「こうたからいらんのよ」と何度いっても「お土産に紅茶はどうだい?」に話が戻るので「今からニザムッディンにいくから時間がない」ときっぱりいうと、「今行く必要はない、6時からカッワーリの演奏もあるし、その時間帯にいくといいよ、だから今は時間つぶしに紅茶買いに行くのはどうだい?」。

カッワーリがニザムッディン廟で聞ける日があるのは前日に地球の歩き方kindle版を確認して知っていたのですが、そこには木曜日と書いてあり日が合わずに諦めていたところだったので、「え、でも木曜日でしょう?」というと、「大きな演奏はそうだけど、小規模なものは毎日6時過ぎにやっているんだよ」と。いうわけで情報だけをもらった形になりました。ごめんね、おじさん。

それにしても今回いつになくコンノートプレイス周辺で横にぴたりとよりそってきては公的ななんたら施設にあるお土産屋さんをやたらすすめてくるおじさんたちがいたんですけどあれはなんなの?マージン入るとかなの?

まあいい。

夕方まで紅茶の店にいく以外の方法で時間をつぶしたあと、6時前にニザームッディーン廟へ。入り口で靴をあずけ、花を買って中に入り、待っていると、6時を15分ほど過ぎた頃に楽隊が集まり始め、演奏がはじまりました。

 

 

結構長い間いたのですが、みていると、歌い手の脇にいるおじいさんがお布施を集めていて、そのシステムが個人的にはおもしろかった。

おとり用?のお金が置かれていて、その上に吸い寄せられるようにどんどんお金が置かれていく。お札を集めるおじいさんの横に座っている男性は最初お客さんかと思ったのですが、定期的にすっとお札を置いてはおじいさんに何かを耳打ちしている。観客もどんどんお金を置いていっていて、中には子どもに置く役を託す家族もいて、音楽とお布施が置かれ集められる一連の流れが一つのショーのよう。

私も、インドを出る前日だったのもあり、取っておいた最後のきれいな500ルピー札を置きました。びっくりしたような顔で軽く頭を下げられたので多分多すぎたんだろうと思うけど、それしかなかったの。というか置きたかったの。

 

 

そのあと、帰るつもりで立ったものの去り難く、場所を移動してさらにつこく聞いていると、耳覚えのある旋律が。こ、これは、バジュランギおじさんの中ででてきたあのカッワーリ”Bhar do Jholi Meri”ソングではねえが! まあ、わりと、静粛というよりはショー的な感じではありましたね。でもインド最終日、よい締めになりました。

“Bhar do Jholi Meri”ソングの撮影が行われたカシミールにあるAshmuqam廟にもいつか行きたいなあ。シャーヒダの故郷のスルターンプルとして撮られたという同じくカシミールのパハルガンにもいつか行きたいなあ。もしまたインドに行けることがあるなら。

ロケ地巡り更新、あともう少し続きます。

 

 

 

 

p.s.
現在起きている出来事について、触れると長くなるため現時点ではここで多くは触れませんが、インドでは少し前にニザームッディーン地区の名があがっていました。ウイルスが宗教間の対立に発展しませんよう。異とするものを排除するきっかけに使われませんよう。この映画の中の世界が少しでも守られますよう。

本邦だろうとインドだろうと世界のどこだろうと、自分や大切な人々の身を守ったうえでさらに各自の精神面での制御が真に問われる時代に突入した、と感じています。私はどこまで人間らしくいられるだろう。