日本に興味津々なインド人の話。

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インド関連雑記

今日の夕方、インド人の友人から「日本って6852の島からなるって知ってた?」というワッツアップが来た。「多いとは思ってたけどそんなにあるとは知らなかった」と私は正直に答えた。

「日本にはkochiもあるよね。」というのでKochi?と聞くと、四国に丸印を付けたグーグルマップの日本地図の画像が送られてきた。

「突然どしたん?日本の島に興味がでてきたの?」。

朝から大雨でオフィスでひまだから日本について調べ始めたという。大雨とひまの因果関係はともかく(まあわかるけど)、私もちょうど本職で使うツールのウェビナーが終了したばかりでソファに横になったところだったので、しばらくつきあうことにした。

まず、どうも高知が四国全体を指していると思っているようだったので、高知は四国にある4つの県の1つだと伝えた。日本が47 prefecturesであることは知っているというので、そこから、私の今住んでいる都市の県を当ててもらったり、実家のある市を覚えていて「確かShimo…」というのでそこから下関市の県は山口で、本州の西の端で九州のすぐ隣だと位置を説明すると、「ああ、KitakyushuとNagatoのあいだにある市だね!」。

まてと。なんですかその下関の認識のしかたは。あいだにある市。悲しいじゃないか。そもそも北九州はともかく、なぜ長門を知っている。あなたインド人ですよね。というか長門の人すみません。

まあいい。

他にも、私が帰省していた時に関釜フェリーで釜山に行ったという話を覚えていて、「釜山と下関にあるあの島(対島のこと)はどっちの国の島?」と聞かれたりもした。

どうも本日の興味の焦点は日本の地理のようだった。

それにしても、知り合って5年になるけれど、最初の頃の「日本といえばテクノロジーの国」くらいしか出てこなかったのに比べると、最近の彼の日本知識の蓄積は驚くばかりだ。私もそれなりに貢献してきたとは思うけど、最初のうちは、聞かれたことに答えても、オーケーとかアイシーで終わることも多く、あ、興味ないんすね、はい、となることもよくあったのに。

それが、ここ最近は質問が具体的で、今日はとくに私の答えに対し位置関係が彼の中で構築されていくのが、会話していて手にとるようにわかった。こっちも説明しながらわくわくした。

多分、ある時から本当に興味が向き始めたんだと思う。知識欲がある人ではあるので、自分で調べ始めると蓄積は早い。最近は、私の知らない日本に関するベストセラーを教えてくれたりもする。

そうはいっても、まだまだ入り口段階、だから私でもまだ教えられることがあるんだけど。と同時に間違ったことを伝えてはいけない、と身も引き締まる。こちらも教えることで、あらためて自分の国の知識の洗い直しになる。

たとえば、日本の主な島は5つだよね、というので、私達の認識では沖縄と九州はひとくくりにして4つであり、それもその4つはislandsではなくlandsという認識である、と説明しながら、合ってるかしら、と思ったり。合ってますかね? もし違うようなら訂正しないといけない。

対面だとこういう時、具体的な数値などがまるきりいえなくて、「わたしほんと何もしらない~、すまない!がっくり!」となることも多いのだけど、オンライン上での会話は、いざという時ネットに「どらえもんたすけて~」と泣きつきにいけるから助かる。まあネットのどらえもんはたよりにならないこともあるので、急いでつかんだ情報はあとでこそっと再確認したりもするんだけれど。

ちなみに、彼はYoutube好きで、各国の旅人のチャンネルを登録しているようで、最近はどうも日本に住むインド人ユーチューバーや、ヒンディ語で発信している日本人ユーチューバーからも情報を得ているくさい。あ、ちがう、日本人は私が教えたんだ。どちらにしても、こういう言葉の壁を越えて、自国の文化を紹介したり言語を教えたり、というのはYoutubeのよい面でもあるんじゃないかと思う。

それに、日本に興味を持ってくれるのは純粋にうれしい。

し、本当はわかってもいる。

話しながら、彼の中で日本旅のプランが少なからずできているのだろうな、と思う。昨年の秋の時点で、本当に来る気があるのなら、予算はいくら必要か、私がどこまで助けてあげられるかという具体的な話をした。私は再来年には日本にいないかもしれないから、本当に来たいなら2020年中かな、それなら全行程は無理でも一緒に旅もできるかもね、と伝えた。

インドといっても、ひとことで言えないほどにいろんな階級や状況の人がいる。インドを旅していて、個人旅行をする若い世代のインド人に会うようになったとはいえ、まだまだ少ない。

彼の場合も、最初のうちは家庭的に環境的に、とてもじゃないけど実行は厳しそうだった。それが、ここ数年少しずつ具体性がましていき、驚きの自立という展開があり、その後、待望の妹さんの結婚式がようやく終わり、兄としての務めをはたせたから、これからは自分のしたいこと(すなわち海外旅行)に一歩足を踏み出そうとしていた。

その矢先のコロナだった。

私も旅をしたい気持ちはある。ビザの状況は、少しずつ進展は見えるようで、いまだどの国の人にとっても混沌としている。とくにインドの日本人に対する5年観光ビザが宙に浮いてるのは悲しい。5年ビザ、ぜひとも復活してほしいけど‥‥‥厳しいだろうなあ。

だけど、本当いうと今年は自分のそれ以上に、彼が本当に旅をしたいのなら、本気なのなら、日本に迎えるのを優先させるつもりだった。まあいうてインド人だし、とひとくくりにするのもあれだけど、実際何度かビッグなうそを繰り出して来た人でもあるので、本当に実現したかはともかく。それでも、もし、もし、実現したなら、助ける腹づもりはできていた。日本を楽しんで帰ってもらいたかった。

コロナが落ち着いたらね。と私は言った。

だいじょうぶ、状況はよくなっている、と彼は言った。

私もそうであることを願っている。

とほ