映画の感想は二種類ある。

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映画語り

 

映画の感想は二種類あると思っている。

すなわち、映画に対する感想感想に対する感想

映画に対する感想というのは、文字通り、映画そのものに対し純粋にその人からでてきた良かったとか悪かったという感想。感想に対する感想というのは、テレビだったりレビューサイトだったりSNSから評判の情報を予め得ていて、それに対し言われるほど良くなかったとか悪くなかったという感想。

この二種類のうち、わたしがスルーすることに決めているのは後者だ。

もちろん、だれでも他者の感想や世間の評判に反応して反発したり共感したり観るきっかけにしたり、というのはあると思うんだけど、わたしだってなくはない、実際、え、じゃあ観てみようかとなることはある、ただできる限り引きづられたくない気持ちが大きく、それを最大限避けるために、事前情報はできうるかぎり得ないようにしている。下手したら親の仇かというレベルでシャットダウンしている。SNSも、観ると決めている映画は早々にミュートをかける。

じゃあ、どうやって観る映画を決めるの?

というと、まずは誰が監督か、誰が出演しているか。好きな監督作品は内容を知る前に観るリストに入っている。あと、ティーザーやトレイラーも観る。テレビを見ないので家にいて不意に飛び込んでくることはないけれど、映画上映前の予告は貴重な「次あれ観よう」情報源だし、DVDもしかり。自分でYoutube他の媒体を拾いにもいく。あとはリーフレットも情報源ではあるな。ただ、あまり読み込まない。裏面はほぼ読まない。表紙の雰囲気で決めるくらい。というか手にした時点で観る候補になっているところはある。

でも事前情報をシャットダウンできるようになるのは、自分の中でそのジャンルについてある程度芋づるが形成されてからではあると思う。映画に限らず新しく飛び込んだジャンルでは、少なくとも始めのうちはなんらかのガイドが必要なものだし、先達の感想を参考にさせてもらう段階はあると思う。

だから、芋づる、すなわち自身の映画に対するアンテナが育つまでは、事前情報を得てから観るかどうか決めるのは不自然なことじゃない。し、事前に知っていた世間評判に対し、どうだった、こうだった、という感想が出てくるのもしょうがない。かもしれない。のだけど。読みたいかというと、否だ。

映画で新しいジャンルに入り込むまでの段階。
映画で新しいジャンルの扉を開いた時、私の場合、だいたい次の段階を踏むようです。 第1段階:はずれ回避期 そのジャンル...

少し話を変えて、事前情報遮断はわかったけど、事後はどうなの、感想はみないの、というと。

みる。

とくにツイッターを始めてからはみるようになった。少なくとも自分が観た映画は反応が気になる。すぐにわかるのも大きい。正直、映画の感想でTLがわいわいしているのは素直に楽しい。ツイッター以外でも、気になる度合いによってネットを検索したりする。

本来は観たあともできるだけ目にいれたくない、というのは前提としてある。深い洞察ができるわけでもないのになにいってんだか、だけど、なんだろうね、感想は自分のものにしておきたい、みたいな気持ちがある。レビューサイトなどに自ら取りに言ってもある程度読むとあとは意識的に切り上げるようなところはある。

でもTENETのような考察奨励映画はけっこうがっつり読み込むこともある。はてなが脳内にとびかう映画だと観賞後に知恵を拝借させてくださいプリーズ!となり、そういうときに確かな学術情報を盛り込んで冷静にするどい切り口で分析してくださっていると膝うちまくりだし、素直にありがたい。

ほかにも例えば某アカデミー賞受賞映画のように偏執的に自身の考察を突き進めているものを読むと、たとえ自分と感想が違っていても、その人の映画に対する真剣勝負ぶりに胸を打たれたりするし、エモーショナルな映画で胸にしみいる感想をきめ細やかな文章で表現していたり端的な表現でまとめていたりすると素直にうまいなあ、と思う。

ただ、それらがその人から出てきたものと感じた場合は。

というわけで、感想は、少なくとも観賞後は以前よりみるようにはなったけど、「XXがいいと言っていたからみたのに大したことなかった」とか「名作と言われているのにありふれていた」といったように、感想の主軸が評判や他人の感想に対する反応メインだと、あ、了解、と目がスキップしてしまうところはある。名作がありふれてみえるのはかつてその映画が王道を作ってきたパイオニアだからなのだよ、とほほ。なんてね。大きなお世話ですね。

事前情報は徹底的にシャットダウンするといったけどそれでもうっかりネタバレに遭遇してしまった場合は・・・という話は、もうすぐ日がかわるし急いで更新しないと馬車がかぼちゃに戻っちゃうので、またの機会に。

とほ