北海道ゴールデンカムイ巡り9日間の旅。
4日目。函館。
全旅程はこちら↓
2022年11月後半に行った旅の話になります。ブログの更新も原則、旅の順です。作中の時系列と前後してしまいますがご容赦を。
(以下、ネタバレしています)
旧ロシア領事館
住所:函館市船見町17-3
利用状況:外観のみ見学可 ※2024年1月現在、工事中
JR函館駅からの行き方:
市電:5系統終点「函館どつく」下車。徒歩約10分←
バス:「幸坂」下車 徒歩8分 他
「市電1日乗車券」を購入して、JR函館駅前から市電5系統に乗り、「函館どつく」で下車。
紹介サイトには「函館どつく」前から徒歩約10分と書いてありますが、私の体感では15分以上かかった記憶。年かしら…(イエス)。
まあいい。
旧ロシア領事館は、幸坂をのぼっていった先に、
あります。
198話「音之進の三輪車」。鯉登音之進が誘拐され、三輪車が残されていた場所。
“幸坂の最高地点付近に建つレンガ造りの和洋折衷の建物。日本最初のロシア領事館として現在地で1906(明治39)年竣工。現在の建物は大火後の1908(明治41)年再建。”
函館市公式可能サイト『はこぶら』より抜粋
“ロシア領事館は函館山の坂の一番上…
街の広範囲から監視しやすいのです”198話『音之進の三輪車』
鯉登大佐と鶴見中尉、中で電話の呼び鈴が鳴るのを聞く。
息子の隔離場所が五稜郭内某所とわかり、三輪バイクで飛び出し、急な坂道を転がるように助けに向かう鯉登パパ。と鶴見。
しかし、旧ロシア領事館が登場するのは、誘拐事件の時だけじゃありません。あとの話で、同時刻に館内にウイルクたちがいたことが明かされます(288話『爽やかな男』)
裏の戸を壊して中に侵入したウイルクと仲間のアイヌたち。パパと鶴見に会話を耳にしながらこっそり地下室へ。そこで見つけたものは。
実際、この288話『爽やかな男』は、伏線回収的に最重要回なんじゃないかと個人的には思っていて、でもそれだけでなく、とても好きな場面のある回でもあります。
ところで旧ロシア領事館に行く最寄りの市電駅「函館どつく前」のすぐ近くには、弁天岬台場跡があります。
新選組最後の地。そして土方歳三最期の地、と歴史上はなっている場所。
弁天岬台場も、288話で函館の地図上、位置関係を示す指標としてでてきますので、カムイスポットと見なし、ロシア領事館に行く前に立ち寄りました。
さらに。
函館といえば夜景じゃないですか。や、昼間であっても、あの特殊地形を俯瞰できる函館山は、観光的にはずせないじゃないですか。
ゴールデンカムイ的にも、函館山は、土方歳三とアイヌのつながりが明かされる場だし、なおかつ最終決戦において門倉やキラウシたちが五稜郭にいる味方のために援護砲撃を行う場。めちゃめちゃ重要拠点じゃないですか。
じゃないですか。
‥‥‥行ってないんですよね。
なんでや、過去の自分よ。涙。
函館到着日は、駅併設の観光案内所で、地図や交通情報を確認しながら2日間の巡り方を練っていたのですが、そこの看板に函館山行きのロープウェイについて「強風により運休になることがあります」と書かれてあったのをみて、夜だし、行って止まってたら悲しいし、じゃまいっかと。
記事を書くにあたり、漫画三周目を終えた今、函館の地形が最終決戦が繰り広げられる281話以降にこれでもかとばかりに出てくるのをあらためてみて、あの時の自分よばかばかとなっております。
が、まあ、
このゴールデンカムイ巡り、本編の予習はほとんどしないまま出発した非常にゆるい舞台巡りでありまして、いろいろ取りこぼしがあります。
ですんでね。
や、しょうがない、旅中って急な脱力ってあんのよ。うん。
‥‥‥。
気を取り直しまして。
北海道版ゴールドラッシュ、最終決戦の場へ赴くことにしましょう。
と、その前にまず500円丼で腹ごしらえ。
五目丼。これが500円コイン1枚+50円コイン1枚。さすが函館。おいしゅうございました。
五稜郭公園&五稜郭タワー
物語前半のクライマックスが網走監獄だとしたら、後半のクライマックスは函館。後半どころか全体のクライマックス・オブ・クライマックス、最終決戦の地となったのは五稜郭。
開園時間:9:00~18:00(冬季17時)
入場料:公園内は無料、箱館奉行所は500円
営業時間:9:00~18:00
入場料: 一般1000円 (コンビニで前売りチケット購入可900円)
函館市電 「函館駅前」から乗り「五稜郭公園前」下車、徒歩約10分
函館バス 「函館駅前」から乗り「五稜郭」下車、徒歩約10分、または「五稜郭公園入口」下車、徒歩約5分 他
まずは五稜郭タワー。
作中で一行が五稜郭に到着した時、杉元が「本当に星型になってるのか?デカすぎて想像つかんな」というくだりがありますが、現代の私たちはこうして上からさくっと星型を確認できるわけで、ありがたい時代になったものです。
五稜郭を見下ろす写真は何枚も撮っていたんですが、何枚のせようと構図は変わり映えなしなので1枚だけ。
なのに、気づいたら夢中になってばしゃばしゃ撮っていた函館戦争付近の歴史紹介するミニチュア人形劇(劇?)の写真は何枚も載せるという。
白状すれば、最終決戦の地、現代の目でみると、1ミリくらい、またベタな観光地を、みたいな気がしなくもなくもなくも、がしかし私の大半は大盛り上がりもしているわけで、だってベタなのは歴史の舞台でもあるからであり、むしろここほどふさわしい場はないと納得せざるを得ない人物が仲間陣営の中にいるわけで。
かの人が最初からここに向かう主要導線の1つであったことに膝ポンしまくるのが函館・五稜郭編。
土方歳三。アトリウムにも展望台にも銅像がありました。
続いて公園に行きましょう。
星型の敷地内にかかる橋は作中、何度も登場します。最終決戦が始まってからはでずっぱりですし、音之進誘拐事件で鯉登父&鶴見が五稜郭に到着した時にも橋の遠景が出てきます(200話)。
281話以降、五稜郭で繰り広げられる展開は、バトルシーンだけでもごはん何杯もいけちゃうのですけど、あの人やあの人が次々にのエモさや金塊探し最終章の高揚やらで感情が大渋滞を起こしてもう大変。
281話『函館のひと』で描かれている箱館奉行所は、この建物がモデル(多分)。
函館戦争後に一旦取り壊されましたが、2010年に復元されたそうです。
“五稜郭って何なんだ?”
“「お城」の跡だ。箱館奉行所といって江戸幕府の役所がこの星の中心にあったのだよ。取り壊されてしまったがね。”281話『函館のひと』
そしてここが”兵糧庫”。ここ掘れワンワン場所。
ついに金塊が見つかったかと思いきや…堀り出されたものに喜んだのはアシㇼパさん(とアシㇼパさんに常に寄り添う杉元)だけ、という場面。
しかし白石、がっかりするのはまだ早い、このあと大どんでん返しが待っているんだから。
が、その真の金塊発見場所である井戸の位置はわたくしつきとめておらず、なので、どこだろうなあと思いながら公園をあとにしました。
今回調べたところでは、奉行所の裏だとか。
ちなみに私が行った2022年11月はコロナ禍がそろりそろりと明けたての頃でしたし、まだまだ人が少なく、確かツアーなどもなかったと思うのですが、昨年2023年は五稜郭公園内でゴールデンカムイ関連スポットを巡るツアーが開催されていたようです。え、いいなあ、今も継続しているんでしょうか。参加すると、井戸の位置も教えてもらえるかもしれませんね。
ところで、音之進少年誘拐事件(198~200話)で音之進が幽閉されていた五稜郭内にある陸軍の訓練所については、作中使われた建物があるのは五稜郭ではなく、札幌某所。
前回も書きましたが、舞台/ロケ地巡りでは、言わずもがな、作中の舞台が実際の場所や建物と一致している場合と、漫画の作者やアニメや映画の製作者が参考にした建物とは別である場合があるわけですが、旧ロシア領事館も五稜郭も、網走監獄と同様、作中の舞台と実際の場所が一致しているスポットでした。
さらに五稜郭は、史実も重なっており。史実は史「実」かとか言いだすとややこしくなるのでおいといて、伝えられている歴史と一部重なっている、ものの、ここから「実は土方歳三が生きていた」世界線に分離していくのですね。
土方歳三が実は生きていて、というフィクション設定は他にもあるとかないとか、詳しくないのでめずらしくはないのかもですが、でもでもでも、他はたいして知らないから比較はできないんですけど、今までだって私とくに土方歳三に思い入れあるマンではないんですけど、でも言っちゃうよもう、最初から最後までかっこよすぎるんですよ、ゴールデンカムイの土方さんはー。
個人的に最重要回の一つだと思っている288話『爽やかな男』では、この金塊狂詩曲に土方さんが加わった経緯が回収される、と同時にウイルクやっぱり食えないやつ、ともなるわけですけど。
最終ページ。そのウイルクが金塊を埋めた井戸の底を見下ろす。そこにはアシㇼパさんがいて、金塊をみつけて抱き合う白石と杉元の横で井戸の上を見上げている。松明に横顔を照らされながら。視線の先には土方歳三がいて、かつてウイルクがいた場所に立ち、アシㇼパさんを見下ろしている。その表情。
とてもとても好きです。
その他、函館で行ったところ、食べたもの。
旧イギリス領事館。
元町公園。
金森赤レンガ倉庫群。
函館市北方民族博物館
…は行ったけど、資料の虫干しのため臨時休館で空振り。涙。
函館朝市。
最後は、きくよ食堂で巴丼をいただき、
駅前のカフェで札幌行きバスを待ち、
函館をあとにしました。
3~5日目の旅程↓
旅程 | 移動 | 訪問した金カム関連地 |
3日目 北見-札幌‐函館 | 北見→札幌→函館(バス) [函館 2泊] |
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4日目 函館 | 函館 | 旧ロシア領事館 五稜郭公園 |
5日目 函館-札幌 | 函館→札幌(バス) [札幌 3泊] |
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余談。宿の話。
3日目の18時すぎに到着。ペンション パピィーテールにチェックイン。前日に連絡がつかなくてあせる局面はあったものの、いざ着いてみると、こんなリーズナブルな値段なのにいいんですか!?というくらい居心地のよい宿でした。人がなんともあたたかく、部屋もなんともあたたかく、アメニティの充実ぶりがはんぱなく、ベッドのファブリック類もかわいらしく、かつ清潔。あとなんだろう、石油ストーブ的な何か個人的にすごく好きな冬の暖房の温かい匂いがした。函館駅から徒歩5分程度、通りをまっすぐ行けばいいだけなのでわかりやすく。次函館に行くことあったらまたここ泊まりたいです。
函館山をさくっとあきらめた夜は、シャインマスカットケーキを買って帰って、部屋でゴールデンカムイ巡りお疲れ会をしてました。