年末年始。
師走は夜明け前に起き出して、ムクルとソナムと3人で、バンガロール滞在歴の長いムクルがおすすめだというラールバーグ植物園へ。今はインドの冬の時期。寒さが厳しい北インドのデリーなどに比べると、南部にあり標高高めのバンガロールは年中通して比較的温暖差が少ない、とはいえこの時期の早朝は厚手の上着が必要。
バンガロールはグリーンシティといわれるだけあって、いたるところに大小さまざまな公園がある。ここはその中でも最大級の公園らしい。午前8時前は無料。早朝から人はけっこういて、とはいえ騒々しさはなく、絶妙によい感じの木漏れ日があちこちで差し込む中を歩いたりランニングしたりヨガをしている。その中に混ざって私たちも園内を一周する。
そのあと、公園近くのMTR第一号店へ朝食を食べに行く。MTRというのは1924年に創業されたティファンとミールスで有名なMTRという南インド料理レストラン。HSRレイアウトにも1店あり、すでに一度ミールスを食べに入店済み。
ラールバーグ公園近くのMTRは最古店ということもあってか、8時前でもすでに混んでいた。ただ回転は早くわりとすぐに順番はきて席へ案内される。私はイドゥリを頼んだ。ムクルとソナムはドーサ。他何品か。泡立つミルクコーヒーがおいしかった。バンガロール名物というKesari Bathが気になったので、いつかここかどこかのティファンで頼んでみよう。
その後、エアビーに帰宅。夕方まで各自ですごす。
夜は私が日本料理を作るということになっていたので、夕方から準備し、できあがってから、リビングで3人で食事。日本料理といっても、手に入る材料で作るしょうゆ味のから揚げとオムライス程度のもの。それに、クラッカーの上にクリームチーズをぬって、ラールバーグ公園で買っていたイチゴとイチジクをスライスしてのっけたのをプラスすると、どうにか見た目だけはパーティっぽくなった。
互いに写真を撮ったり、ソナムの北部の友達とあいさつしたりなどしていると、カンプール出身君が通りかかったので誘ったけれどことわられた。彼はエアビー内での交流は求めてないようだ。でもわかる。今回こそわりと積極的にコミュニケーションとってるけど、私もどちらかといえばそっち側だから。性質、組み合わせ、短期か長期か、その時々の事情や心情でも変わる。それぞれの自由でいい。このエアビーはそのへんもほどよく放置な感じが好きなところ。
ともかく。リビングで年越しを迎えるつもりだったけど、スタンダップコメディをソナムとムクルが見始めて、字幕がなくてよくわからないし眠くなってきたので、先においとまする。
部屋で過ごしていたら、年があけるとともに、外でハッピーニューイヤーを叫ぶ声と爆竹や花火の音が聞こえてきた。それでも、閑静な住宅街だからか全然おとなしいもの。昔、旅中に迎えたバラナシでの年越しに比べればはるかに。
そんな感じで、師走から年が明けるまでは比較的のどかに過ごしたのだけれど、その夜寝ている間に体調がおかしくなってきた。熱っぽい。おなかも気持ち悪い。下痢はないものの、食中毒を疑う。思い当たるとしたら卵か鶏だろうか。
自分が料理を作ったし、元旦から迷惑をかけたらしゃれにならないので翌日ふたりにだいじょうぶか聞いてみるとぴんぴんしていたのでひとまずは安心したものの、じゃあこれはなんだろうか。持ってきていた体温計で測ると明らかに発熱状態。でも咳や鼻水などの風邪やコロナを疑う症状はない。疲れだろうか。
一日部屋で休んでいると、夜、ソナムからワッツアップで体調を伺うテキストがきた。薬を買ってきてくれるというので、言葉に甘えて抗生剤を頼む。世界の薬局インドは、処方がなくても抗生剤他各種薬剤が町の薬局で手に入るから助かる。しかも安く。
仕事がら薬の知識が他の人よりないわけではないのはこういう時役立っていいけれど、資格があるわけではないし、素人の自己判断はよくない。とはいえ海外では病院に行くのも手間だし、その前になんとかできるならそれにこしたことはない。それに町の薬局とはいえ、症状を相談して買えるようになっているし。
ドアをノックする音がして、抗生物質にパラセタモール(解熱剤)も追加して買ってきてくれた。それを飲んで一晩寝たら翌日には復活。結局ついたちは文字通りの寝正月になったけれど、1日ですんでよかった。なにが原因かは結局よくわかっていない。
ただ、翌2日はソナムの誕生日で、イスコン寺院に行きたいというのでつきあう約束をしていたのだけど、復活したとはいえまだ慣れているとはいえないバンガロールで遠出するほどのエネルギーは到底なかったため、もうしわけなかったけどキャンセルさせてもらう。
夕方エアビーから歩いていける距離にあるケーキ屋さんでバースデーケーキを買い、ソナムが帰るのを待ってムクルと一緒に誕生日を祝う。ムクルは取り寄せておいたらしい自己啓発の本、私は百均で買って持ってきていたひらがなと日本地図のおふろでおぼえようポスター(しょぼい)をプレゼント。こっちって本当、誕生日を迎えた本人が祝う人にケーキを手で取って食べさせるんだ、と、映画たSNSでみたことがあった場面の当事者になり興奮するなど。
3日目には体調は完全復活。
年末年始の町の様相は、年越しの瞬間の「ハッピーニューイヤー!」以外は、全体的にそんなにいつもと変わらない感じだった。カフェの中では、年を明けても装飾も音楽もクリスマスから時が流れていなかった。
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