「読書」と「蓄積」

※当ページには広告が含まれています※
※当記事には広告が含まれています※
物語/本語り

 

フィクションとノンフィクションではフィクション、小説と実用書では小説の領域の住人だけれど、後者も読む。実用書、ビジネス書、ノンフィクションにも良書はたくさんあるし、そっちをけむたがって一蹴するのはもったいない、とも思っている。

ただ、自分の中では「読書」という言葉は小説にとっておきたいような気持ちがある。実用書は感覚的には「蓄積」に近い。データ蓄積。あるいは情報収集。

なにいってんの、”書を読む”なんだから、どっちも読書でいいんじゃん、深く考えずにさー、と脳内ケセラセラ隊長がつっこんでくるけれど、なにいってんのは隊長だ。わたしにとってはちがいがある。情動にふれるかふれないか。じゃあ、読書を使っていいかえるなら、「読書」枠はEQ読書、「蓄積」枠はIQ読書でどうでしょう。あ、隊長がどこかに行ってしまった。

白状すれば、「趣味は読書です」という人がいて、お、と膝を乗り出したところで、「ノンフィクションしか読みません(きり)」と言われると、内心こっそりがっかりするところはある。そのうえ「小説は合わないんですよ、答えがすぐに得られないでしょう」みたいな発言もセットになると、そうですか・・・と障子をそっと閉めてすすと立ち去るところはある。

だめというのではないんですよ。ないのだけど。ノンフィクションしか読まないと言い切る人はなんとなくちがう地区に住んでいる人、という感じはする。でも交流はやぶさかでないといってくれる人なら、時々はカフェで読んだものをシェアするなどはしたい。その地区の人たちはきっと理路整然とした人が多いから端的にわかりやすくプレゼンしてくれるだろう。ただ、まま、うちあがってお茶でも飲んでってよー、と気軽に家に招待する関係にはならない気もする。そもそも読まないといっている人に小説の話はしないかなあ。ていうかうまく内容を伝えられる気がしない。そもそも、そもそも、わたし読んだ小説の話をシェアしたいんだったかしら・・・・・・。 注:すべてフィクションです。

それにしても、便宜上、小説との区別として、つい3文字で済む実用書という言葉で包括しちゃうけど、厳密にはビジネス書、学術書、自己啓発書・・・といろいろあるし、でも全部並べると煩雑だし、これらをノンフィクションでくくろうとしても、その中には紀行文学やエッセイ/随筆も含まれるし、それらは私の中では「読書」枠だし、とさらにあれこれさまよってしまうのだけど、他の人はすっきり区別できているのかしらん。

とほ