星の旅人たちと行くサン・ジャックへの道 8日目

サンティアゴ巡礼

 

4月30日 晴れところにより曇り

ナヘラに着いた。寒い。

今日はログローニョから約30キロを歩いたのだけど(距離の割に平坦な道が多かったせいか体力的な消耗は昨日ほどじゃなかった)、いつもは途中で必ず脱ぐダウンのベストも、ウィンドブレーカーがわりでもある常用のモンベルレインウェアも一度も脱がなかった。

到着した寄付制の公営アルベルゲの部屋がまた寒く、シャワー後、仮眠取るにも寒くて眠れず、なんで持ってきたんだ、と思いかけていたホカロンを発動。寝袋の足先にいれて、持ってきたオレでかした、という気分になっている。

このあたりで荷物の取捨選択について。出発前の記事で、このままだと12kgコースやばい、と書いたけど、減量作戦がきいたのかはともかく、サンジャンピエドポーの巡礼事務所で測った時にはバックパックの重さは9.5kgだった。今も、水や食料入れてもだいたいその辺で推移していると思う。が、まあ、これにはからくりがあって、一眼レフや充電器を前のカバンに持ってきたから。つまり、単に振り分けてるだけで総重量はそんな変わっていない。はは。あと、慣れてきたのもあるのか、荷物のせいできついというのはない気がしている。けれど、もっと軽ければ、毎日の歩きに急にくる足への負担も軽いのかな、わからない。

重さは関係なしにして、要不要で個別にみるなら、持ってきてよかったのは、今のところダントツでトレッキングポール(荷物リストで書き忘れていたっけ)。いやー、もう、ポール、マイスイートハート、彼の支えがなかったら、初日のピレネーは超えられなかったかもというほどだし、ここまでの8日間、上り下りはもちろん、平坦な道で疲れてきた時のペースメーカーとしても役立っている。

それから、五本指靴下とメディキュットのコンビ。自分に合っているのか、この組み合わせは、登山用靴下より、1日が終わった時の疲れが明らかに少ない気がする。わたしは指の形か歩き方の癖なのか左の薬指が中指に重なりがちで、薬指の内側にたこができやすく、長距離歩行になるほど、てきめんにそこに疲れと痛みがくる。それを五本指ソックスが離してくれることで随分楽になる。登山用靴下の時は、その問題を絆創膏とワセリンで対処しているけれど。

どなたかのアドバイスで読んだワセリンも、本当、マメ防止に役立っている。靴やメディキュットのおかげもあるかもしれないけれど、かかとにもどこにも今のところマメは一度もできていない。べた褒めしていたミズノのウォーキングシューズについては、概ねサンキューミズノだけど、足場の悪い山道では、やっぱり足底の厚いトレッキングシューズがよかったよね、、と思うこともある。

防寒用のダウンジャケットとダウンベストも役立っている。高度などによっても差はあるけど、4〜5月のこの地方は朝晩は余裕で冷える。日中歩いていても、今日のように一度も上着を脱がない日もある。薄い軽い重ね着できる防寒服、かなり重宝している。ホカロンも出番があってよかった。

あと、ぎりぎりまで持ってくるか悩んだけど象印のポットも、ものすごく重宝している。500mlのペットボトルの水が入るよう600mlのにしたのだけど、大正解。細身なのでバックパックに脇の袋に入れやすく取り出しやすいし、入れた水はいつまでも冷んやりつめたく、おまけに軽い。ビバ日本製品。

最後にヘアアイロン。初日のピレネー越えの日に使ったきり一度も使っていない。霧で1時間後には髪がシャワーを浴びたあとのようにしっとり濡れそぼり、セットはなかったことになった。この先も使う気がしない。脳内合理部隊がヘソで茶をわかしまくって、海馬やら前頭葉やらに大盤振る舞いしている。

 

出発地:ログローニョ(6:30出発)
到着地:ナヘラ(15:40到着)
歩行距離:29.4km

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの「フランス人の道」780km巡礼日誌。
「星の旅人たちと行くサンジャックへの道」とは、巡礼路を歩くきっかけとなった『星の旅人たち』と『サンジャックへの道』という2つの映画タイトルを合体させた旅タイトル。センスがよろしいとはいえないこの映画タイトル合体旅タイトルはブログ主が得意とするところらしいという噂(前科あり)。時に、星の旅人たち=ホシノ、サンジャックへの道=サンジャで略すことあり。なお、ロケ地巡りという性質を含む行程である以上、関連場所を通過する際に映画の内容に触れることがあります(ネタバレ宣言参照)。ラストにどんでん返しがあるタイプの映画ではないですが、ネタバレ過敏症の方は注意。